いまは我慢! バイクでも行きたい東京下町スイーツ巡り 江戸時代から続く『言問団子』と『長命寺桜もち』
東京都のなかでもとりわけ情緒深い下町、隅田川にかかる言問橋(ことといばし)付近には、江戸時代から続く老舗の和菓子店があります。バイクで訪れて散策するのも一興です。
300年前の日本人が愛した『言問団子』と『長命寺桜もち』
東京都のなかでもとりわけ情緒深い下町、隅田川にかかる言問橋(ことといばし)付近の川沿いの道路を行くと、江戸時代から続く和菓子屋さんがあります。何年経っても人気は変わらず、お目当ての和菓子が売れ切れてしまうこともあり、朝の清々しい空気のなか、バイクで買いに行くのも気持ち良いものです。

『言問団子(ことといだんご)』と『長命寺桜もち』は、互いの店舗が目と鼻の先にある和菓子の名店です。その歴史は江戸時代から300年以上もあり、長い間、旅人や地元の人々に愛されてきたことが想像できます。
言問団子は、祖先が在原業平朝巨が東国を旅した時に読んだ和歌「名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしや(都の事情に詳しいだろうから、さあお尋ねよう、都鳥よ。私の恋い慕う人は無事でいるのだろうか)」にちなみ、「業平(なりひら)神社を建てて業平朝臣を祀り、この地を「言問ヶ岡」と名付けたことに由来します。隅田川を飛ぶ鳥「都鳥」に、恋人の安堵を「問う」歌なのですね。
風光明媚なこの地を散策する文人墨客の要望に応えるため、手製の団子を作ったというのが言問団子のはじまりだとか。
可愛らしい姿と色合いの3色の団子は、柔らかいお餅と甘さも控えめの餡の組み合わせが絶妙なスイーツです。この3種の餡の微妙な味の違いも楽しめます。「串に刺さない」というスタイルも伝統ですね。
粗野な感じは全くなく、かといって気取りすぎない。当時から、向島、隅田川ならではのビジュアル感覚があったのかもしれません。各種サイズから選べます。
歩いて1分、いや、10秒くらい? という近さで長命寺桜もちがあります。こちらも朝からお客さんが訪れる名店で、8:30から開店していました(※いずれのお店も新型コロナウイルス感染予防対策のため、営業時間や店内飲食など、通常営業とは異なります)。

長命寺桜もちも300年以上、言問団子と同じくらいの歴史があります。享保2年(1717年)に山本新六氏が創業したそうです。
桜もちは北海道産の小豆に、西伊豆、松崎産の桜の葉を使用しています。薄く柔らかいお餅が美味! 塩漬けされた桜の葉は、本来は餅から外しますが、ちょっとかじっても桜もちの甘さが引き立たって美味しいです。
隅田川は桜の名所ですから、江戸時代のお花見には言問団子と桜もち、どちらも大人気だったことでしょう。そして神社とお寺、この2舎が近くに共存するのが、なんとも日本ならではの大らかさを感じます。
また、少し離れたところに、創業百十余年の『志“満ん草餅(じまんくさもち)』もあり、こちらは行列が出来る人気店です。

隅田川にかかる数々の橋や、すっかり観光名所となった東京スカイツリー、向島百花園など、いつかバイクで巡ってみるのも一興ではないでしょうか。
【了】