カル・クラッチローが2021年MotoGP参戦に向け、アプリリアと交渉中。結論が出るのは8月か?

2021年の去就が取り沙汰されているLCR Honda CASTROLカル・クラッチローの周辺が騒がしい。35歳のベテランは、HRCから受けたWSBK参戦オファーも断り、現愛アプリリアと交渉中のようだ。

LCRホンダ離脱は確定的! HRCからWSBK参戦オファーも2021年の去就が取り沙汰されているカル・クラッチローの周辺が騒がしい

 ポル・エスパルガロのレプソル・ホンダ・チーム入りに伴う玉突き人事で、絶対王者マルクの実弟アレックス・マルケスが、現在所属するLCRホンダに加入すると見られているためだが、クラッチロー自身、現地メディアに対し、「ホンダで過ごした時間は素晴らしいものであり、私たちは一緒に多くを達成した。しかし、すべての良いことはいつか終わらなければならない。ルーチョ(・チェッキネロ:チームオーナー)と彼のチームで19回表彰台を獲得したが、彼は今、他の選択肢を持っているようだ。タカ(中上貴晶)との契約が成立しない場合、留まることができるかもしれないが、その可能性は低いだろう」と2020年シーズンいっぱいでのチーム離脱を半ば認める発言をしている。

2020年MotoGPクラスに参戦中のLCR Honda CASTROLカル・クラッチロー

 チェッキネロはクラッチローと中上の継続起用を希望している様子だが、ライダー選びに関してはホンダの意向が強く働くため、今年35歳を迎えるベテランが放出されるとされ、すでにアルバロ・バウティスタとHRCからWSBKに参戦するというオファーももたらされたようだが、これに断りを入れたと言われている。

 移籍先のひとつとして噂されていたKTMが、ファクトリー・チーム、サテライトのテック3を含め、2021年に起用する4名のライダーを正式発表(レッドブル・KTM・ファクトリー・レーシング:ブラッド・ビンダー,ミゲール・オリベイラ レッドブル・KTM・テック3:ダニーロ・ペトルッチ,イケル・レクオナ)したため、現在のところ、可能性が残されているチームは、2014年に在籍したドゥカティ・ファクトリーとプラマック・レーシング、レアーレ・アビンティア・レーシングのドゥカティ陣営3チームとアプリリアとなった。

アプリリアと交渉中。結論が出るのは8月か?

 そんな状況の中で有力視されてきているのがアプリリアだ。すでに2021年シーズンに向けて交渉も持っていると伝えられているが、ただ可能性があるからだけではなく、V4エンジンのバンク角を狭角の72度から92度に変更して大幅な出力向上を果たすなど、大きく競争力を向上させているとされるRS-GPのポテンシャルに惹き付けられている部分もあるようだ。余談だが、現在アビンティアに所属するヨハン・ザルコも加入を目指して接触している模様だ。

アレイシ・エスパルガロとアプリリアRS-GPを開発するのか?

「それはお金の問題ではなく、アレイシ(・エスパルガロ)と一緒にRS-GPを開発することが楽しいかもしれないからだ。MotoGPに乗り込んだ全部のメーカーで表彰台を獲得する(注:すでにホンダ、ヤマハ、ドゥカティで表彰台を獲得)機会と捉え、マシン開発のプロジェクトに身を捧げる決意をしている。きっとできると思う」と意気込みを語る。

 興行的にイギリス人ライダーをプレミアクラスに留めておきたい、また、イギリスの有料スポーツチャンネル『BTスポーツ』との関係もあり、MotoGPを統括するドルナスポーツのCEO、カルメロ・エスペラータが後押ししてくれるのも心強い。ファクトリー・チームとしては規模の小さいアプリリアに対して、ドルナが資金援助をするのでは? という憶測もある。「カルにはこれからも私たちと一緒にいて欲しいと思っています。他の機会にもやってきましたが、彼が場所を見つけるのを手伝いますよ」とエスペラータはインタビューに答え、クラッチローも「カルメロ・エスペラータと良好な関係を築けたことは幸運」と述べている。

鍵を握るのはイアンノーネのドーピング問題

「引退の言葉を口にしたこともあったが、幸い周囲からはそのように見られなかった。2021年にレースをしない理由は何も無い」ともコメントし、引退を匂わせていた一時期に比べ、モチベーションも高いようだが、かねてよりアプリリアには、アンドレア・イアンノーネのドーピング問題という懸案がある。世界アンチ・ドーピング機関(WADA:World Anti-Doping Agency)は、スポーツ仲裁裁判所(TAS:Tribunal Arbitral du Sport)に控訴し、イタリア人ライダーの4年間に及ぶ失格を求めているが、この問題について判決が出るのは8月以降になると予想されている。

 ノアーレを拠点とするメーカーは、もし不問に付された場合はイアンノーネを継続起用することを前提に考え、代役参戦するブラッドリー・スミスの正ライダー昇格も成績次第であり得るとしており、クラッチローのパフォーマンスも合わせての複合的な判断となる。いずれにしろMotoGP屈指のファイターの去就は、8月後半になるまではわからないようだ。

【了】

【画像】カル・クラッチローに去就が注目(10枚)

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