電動もスクータータイプではなく跨って乗るモーターサイクル然としたものに! Super Soco「TC」が要望叶える

「XEAM(ジーム)」(本社:福岡県福岡市)が取り扱うオーストラリアのEVバイクブランド「Super Soco(スーパーソコ)」。原付二種モデル『TC』は電動に多いスクータータイプではなく、跨って乗るスポーツバイク仕様となっています。エレクトリックバイクの試乗に経験豊富なバイクジャーナリスト青木タカオが乗ってみました!

原付二種ながらフルサイズボディ!

 ヨーロッパや韓国、メキシコなどで販売されているオーストラリアのEVバイクブランド「Super Soco(スーパーソコ)」。日本では「XEAM(ジーム)」(本社:福岡県福岡市)が取り扱っています。なかでも興味深いのは原付二種モデル『TC』です。電動ではバッテリーを大型化しやすいスクータータイプの車体が主流ですが、『TC』は跨って乗るスポーツバイクタイプです。前後17インチの足まわりを持ついわゆるフルサイズボディで、貴重な原付二種エレクトリックバイクと言えるでしょう。

Super Soco(スーパーソコ)の電動バイク「TC」と筆者(青木タカオ)

 先進的な電動モデルですが、メーターを指針式としたり、ダブルシートをタックロール調にするなどレトロなスタイルを取り入れて、スマートテクノロジーにクラシックムードを融合させています。高輝度LEDヘッドライトも丸目にし、ガソリン車で人気を集めるネオクラシックのテイストを感じずにはいられません。ハンドルも高くせり上がり、見た目もユニークではないでしょうか。

 電源スイッチのON/OFFはリモコンで操作できますが、サイドカバー部にキーシリンダーがあります。鍵をさして左に回すとシートが外れるのは想定内ですが、右に回すとシートの前、一般的なガソリン車の燃料タンクの上面がガバっと開き、少し驚きます。興味はつきません。

中を覗き込むと、バッテリーの収納スペースになっているではありませんか。そして、航続距離を伸ばすためにバッテリーを2個積みすることができ、1個しか積まない場合は空いた空間を収納スペースとして利用できます。思い出すのは、1990年に発売されたスズキ「アクロス」。フューエルタンクに相当する部分を、メットインスペースにしたのは衝撃的でした。

『TC』の場合、収納スペースといってもバッテリー1個分で、ヘルメットが入るほどの大きさはなく小物が収まる程度。60V30Ah大容量18650リチウムイオンバッテリーは2個積みでも電力は1つからしか供給されず、同時に2バッテリーは使用しません。つまり、追加装備する2つ目のバッテリーはリザーブタンクのような役割を果たします。公表する航続距離は、75kgのライダーが45km/hで定置走行した場合、1バッテリーなら約60km、2バッテリーなら約120kmです。

 充電は駐車環境に合わせて、車体に積んだままでも、バッテリーを取り外してでもどちらでも可能。家庭用100Vに対応し、バッテリー1つにつき満充電まで8時間かかります。

最高速75km/h、街乗りメインなら許容範囲!?

 定格出力1000WのモーターはBOSCH製で、効率的に高い出力が引き出せるFOCベクトルコントローラーを搭載。インホイールモーターならではのダイレクト感のある加速がシームレスに味わえ、最高速は75km/hに設定されています。先述したとおり、バッテリー2個搭載時も1つずつからしか電力は使われないので、最高速やパワーフィールはバッテリーを2つにしても変わりません。

Super Soco(スーパーソコ)の電動バイク「TC」。モーターは信頼性の高いBOSCH製を採用しています

 ハンドル右のスイッチボックスには、誤発信を防ぐ「パーキングスイッチ」が備わり、不意にアクセルを開けた際の飛び出しを防止します。さらに3段階のパワーモードがあり、「3」だとフルパワー、「2」だと45km/h、「1」なら20km/hほどに速度を抑え、バッテリー消費を減らします。メーターでバッテリー残量は絶えず把握できますが、残り少なくなった緊急時は「2」や「1」にして凌ぐということなのでしょう。

 アップライトなハンドルのため乗車姿勢はゆったりとしたもので、ハンドリングも軽快。車体重量はバッテリー2個積んで84.5kgと軽いのですが、1個につき重さが12.5kgあるバッテリーがタンク部にあるため重心が高い位置にあるのが少し残念。低重心で落ち着きのある走行フィールになったら、ますますライディングが楽しいでしょう。

 サスペンションが硬めにセッティングされ、二人乗りにも対応。ネオクラシックなスタイルもオシャレですし、スクータータイプではなく、モーターサイクルならではのスポーティな走行感覚を電動で味わいたいという人には、見逃せない1台になりそうです。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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