スズキ新型「ハヤブサ」 車体設計は“空力性能と冷却性能”のバランスに苦労

スズキは2021年2月5日に全面改良したアルティメットスポーツ「Hayabusa(ハヤブサ)」の新型モデルを公開しました。シャーシを開発したエンジニアはどのような意図を持って新しいハヤブサの設計に取り組んだのでしょうか。

ハヤブサは二輪の世界のスーパーカー

 スズキは2021年2月5日に全面改良したアルティメットスポーツ「Hayabusa(ハヤブサ)」の新型モデルを公開しました。

すべての面で従来モデルを上回るという3代目スズキ「ハヤブサ」

 スタイリングや、エンジン、電子制御など、様々な箇所を刷新することで新世代の「アルティメットスポーツ」へと生まれ変わったハヤブサですが、新型モデルでは車両の中核を担うシャーシにおいても進化を遂げています。

 俊敏性と軽快さに定評のあった従来モデルのシャーシをもとに、サブフレームの軽量化や全体のバランスを向上を施すことでより優れた性能を発揮するという新型ハヤブサのシャーシについて、車体設計の吉田 武司さん、鈴木 京馬さん、中山 義寿さん、操縦安定性実験 宇津山 祥吾さんは次のようにコメントしています。

■車体設計 吉田 武司さん

スズキ新型「ハヤブサ」車体設計 吉田 武司さん

「開発中には新型のハヤブサとはまったく違う構成のフレームを採用したものもありました。ハヤブサは二輪の世界ではスーパーカーだと思っておりますし、フレームに対しても四輪のスーパーカーにも使われているような展伸材(てんしんざい)を継続して採用することが出来ておりますので、これが一番ベストだと思うものを作ることが出来ました。

 新型のハヤブサではハンドルを12mm手前に引いておりますが、手前に引いたことでハンドリングの自由度が増しています。フロントの分担荷重を増やす、その辺もハンドリングの改善や直進安定性の向上に貢献しているんじゃないかなと。

スズキ新型「ハヤブサ」のシャーシ

 また、IMU(慣性計測装置)を使った車両の姿勢を感知して最適な制御を行っています。

 現行車のフレームをベースにして開発したっていうのが間違っていなかったんだということが、出来上がった車を見ると確信に変わっています」。

空力性能と冷却性能のバランス

■車体設計 鈴木 京馬さん

スズキ新型「ハヤブサ」車体設計 鈴木 京馬さん

「サイドに貼るメッキパーツ、これを外に飛び出させることで太ももと足に当たる風を低減させて空力を向上させています。

スズキ新型「ハヤブサ」。サイドに貼るメッキパーツにより足に当たる風を低減させて空力を向上させています

 例えばフロントフェンダーは一番前にある部分なので、その後ろの部品にも影響が主に出てきます。ブレーキだったり、ラジエーターに流れる風の量が変わってきてしまうので、冷却性能にも大きく影響があります。

 空力性能と冷却性能の上手いバランスのとり方等、非常に苦労しました」。

スズキが開発する機種で最高峰の空力性能

■車体設計 中山 義寿さん

スズキ新型「ハヤブサ」車体設計 中山 義寿さん

「ハヤブサは弊社の中で開発している機種の中では最高レベルの空力性能を確保した機種の一つだと思っています。

 デザイナーから出てくる外観というのはハヤブサらしいフォルムとより良い外観を目指したものなので、解析チームと共同で形状修正して、その中でどこまでお互いが歩み寄って動けるかっていうとこだと思います。

 保安部品のついた状態で最高速を出せる、そういった空力性能の強みと言いますか。お客様にはだいぶ強く言えるところかなと思っています」。

前のモデルに対しては勝る部分しかない

■操縦安定性実験 宇津山 祥吾さん

スズキ新型「ハヤブサ」操縦安定性実験 宇津山 祥吾さん

「“ハヤブサらしさ”とはなにかということを常に考えながら仕事をしたんですが、ツーリングでも楽しめる、なおかつワインディングで走り込めば非常に楽しい味付けになっています。

 前のモデルに対しては勝る部分しかないというふうに、自信を持ってセッティングできたと思います」。

※ ※ ※

 エンジンやデザインと共に熟成が図られた新型ハヤブサのシャーシ。いったいどれほど性能やフィーリングが向上したのか、発売が待ち遠しところです。

【了】

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