ヨシムラSERT Motulが新型マシンをシェイクダウン 4名中2名のライダーがル・マンでテストを実施
FIM世界耐久選手権(EWC)に参戦するスズキのファクトリーチーム「ヨシムラSERT Motul」は、フランスのル・マン(ブガッティ・サーキット)で「GSX-R1000R」2021年仕様のシェイクダウン・テストを行いました。テストに参加したライダーは新型モデルに対して好感触を抱いたようです。
日本でテスト後にフランスへ輸送
FIM世界耐久選手権(EWC)に参戦するスズキのファクトリーチーム「ヨシムラSERT Motul」は、フランスのル・マン(ブガッティ・サーキット)で「GSX-R1000R」2021年仕様のシェイクダウン・テストを行いました。

EWCはバイクメーカーが開発した市販車をベースに、耐久レース仕様に改造されたバイクで競われる耐久レースです
スズキは、ヨシムラの技術支援も受けながらフランスの「スズキ・エンデュランス・レーシングチーム(SERT)」として参戦を続けてきましたが、2021年はヨシムラSERT Motulとしてレースに参戦。
スズキのMotoGPテストライダーも務めるシルバン・ギュントーリ選手、グレッグ・ブラック選手、チャビエル・シメオン選手、渡辺一樹選手の4人で参戦することを発表しています。

現在は新型コロナウイルスの流行による世界的な規制がありますが、、ヨシムラSERTモチュールの加藤陽平チームディレクターと、初めてブガッティ・サーキットを走る渡辺選手に許可が下り、チーム初の欧州テストに参加。
先月に渡辺選手が「GSX-R1000」2021年仕様を日本でテストした後、ダミアン・ソルニエ チームマネージャーがル・マンのSERT本部にマシンを輸送しています。
新型モデル初乗車のブラック選手も好感触
今回のテストではシルバン・ギュントーリ選手がMotoGPのテストに参加、チャビエル・シメオン選手がコロナウイルスの感染者と接触して隔離されたため、グレッグ・ブラック選手と渡辺選手の2名のみが参加。
また、ダミアン・ソルニエ チームマネージャーは「マシンは日本で準備してきました。スズキとヨシムラは、マシンの開発に多大な投資をしてくれました」とコメントしていますが、新型のGSX-R1000に初めて市場したグレッグ・ブラック選手は次のようにコメントしています。
■グレッグ・ブラック選手

「昨年9月にエストリルで開催された耐久世界選手権で優勝して以来、SERT GSX-R1000Rには全く乗っていませんでしたが、久しぶりに自分のレースバイクに乗りました。
私の冬はとても長く、何度かスペインに行って天候に恵まれ、様々なバイク(スーパーモト、フラットトラック、そして私物のGSX-R1000R)に乗ることができ、もちろんサイクリングというフィジカルトレーニングも続けることができました。
また、冬の間に個人スポンサーを整理して、2021年のシーズンに向けて良いコンディションで臨むことができます。
2月末にチームと会って写真を撮った後、3月8日から11日にかけて2021年モデルのバイクで初めての公式テストを行い、世界タイトルを守るための準備が整ったと言えるでしょう。
新しいマシンの最初の感触は最高でした。ブリヂストンの新しいタイヤの使い方を理解し、バイクに乗ってすぐに新しいステップを踏むことができ、とても快適に感じることができました。スティントのシミュレーションも何度も行いましたし、何周も走りました。
また、次のル・マン24時間レースで4人目のライダーとなる、新しいチームメイトの渡辺一樹選手にも会うことができました。残念ながら、他の2人のチームメイトはテストに参加できませんでした。シルバン(ギュントーリ)はチーム・スズキ・エコスター・モトGPのためにカタールでテストを行っており、グザビエ(シメオン)はコロナウイルスの感染者と接触して隔離されていたからです。
2021年のヨシムラSERTモチュールのGSX-R1000Rに乗るために、そしてチームメイトのみんなと一緒にいるために、3月30日、31日にル・マンで行われる次のテストを楽しみにしています」。
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1983年にはじめて年間チャンピオンとなって以来、16回の年間チャンピオンを獲得してきたスズキの耐久レースチームですが、ヨシムラジャパンと共同で参戦する2021年シーズンにどのような結果を残すのか期待が高まります。
【了】