長野から世界へ! 地域密着チーム「信州活性プロジェクトTeam長野」に聞いた全日本ロードレースチームの作り方

2021年、全日本ロードレース選手権の最高峰クラスであるJSB1000クラスに、信州活性プロジェクトTeam長野というチームが参戦を開始しました。鈴鹿8時間耐久ロードレースに挑戦する地域密着チームとして発足したという同チームが、なぜJSB1000クラスへのフル参戦を決めたのか、全日本ロードレースに参戦するためのチームの作り方と合わせて、聞いてみました。

地元に応援されながら、地元を盛り上げていける地域密着型チームを目指して

 全日本ロードレース選手権の最高峰クラスであるJSB1000クラスに、2021年から信州活性プロジェクトTeam長野というチームが参戦を開始しました。

 同チームは「長野県から世界に挑戦!」をコンセプトに、世界耐久選手権の1戦であり、日本最大のバイクレースでもある鈴鹿8耐に挑戦する地域密着チームとして発足。今季は、全日本ロードレース選手権に参戦しながら全国を周り、さらに大きな規模で地元長野県をPRすることを目的に、JSB1000クラスへのフル参戦を決めたそうです。

 そんな地元密着型チームが、全日本ロードレース選手権へ参戦するためには、どのような苦労があったのでしょうか。チームの立ち上げメンバーでありライダーでもある、櫻山 茂昇さんに話を聞いてみました。

信州活性プロジェクトTeam長野が使用するBMW S1000RRベースのレース用バイク。フロント周りには北陸新幹線をイメージしたカラーリングが採用されています

―――チームの主要メンバーはどのような人たちですか?

 主要メンバーは4名。職業は自営業、公務員、フリーランスなど様々です。

 全員レースが好きですが、チーム運営の経験はまだまだ浅いです。

―――まず、このチームを作った経緯をおしえてください。

 20代の頃、プロを目指してレース活動をしており、全日本ロードレース選手権にフル参戦をしていた時期もありましたが、一旦レースから離れていて、2016年に鈴鹿8耐にライダーとして誘ってくれたチームがあり、そこに出たのがきっかけです。

 日本で一番有名なレースである鈴鹿8耐に参加するにあたり、私の地元である長野県をPRできないかと考えました。そこで、自分が住んでいる小諸市の市役所に掛け合い、小諸市のチームとして参戦をしたいと許可を頂き、小諸市の公認チームとして参戦しました。

―――それは、小諸市がスポンサーということですか?

 お金は頂いていないのでスポンサーではありません。地元である小諸市をPRするために、公式にPRする許可を頂いています。

その後、レースの時に市の観光パンフレットを配り、のぼりを立てるなどのPR活動を始めたところ、県内外の方から反響がありました。もしかしてこの活動は地域おこしになるのでは?と考え、翌2017年には長野県の後援も頂き、3人のメンバーで「チーム長野」の活動をスタートしました。トランスマップレーシングとのコラボで、鈴鹿8耐に参戦したのが始まりです。

 その後、2018年には独立したチームとして活動を始めましたが、いきなり鈴鹿8耐参戦というのは少し厳しかったので、鈴鹿8耐と併催される鈴鹿4耐に参戦。2019年には鈴鹿8耐にも参戦し、今年は全日本ロードレース選手権のJSB1000クラスへのフル参戦を決めました。

信州活性プロジェクトTeam長野のメンバーでありライダーでもある、櫻山 茂昇さん(右前)とチームのメンバー

―――元々、レースチームが作りたいという想いがあったのですか?

 チームを作りたかったというよりは、野球やサッカーなど、ほかのスポーツは地域密着的なチームが多いじゃないですか? 地元の人たちに応援してもらうことで、地元を盛り上げながら、スポーツをするというスタイルだと思うのですが、モータースポーツにはそういうチームが無いんです。

 モータースポーツは企業が開発を兼ねて活動をする事もあり、状況によっては短期間で活動を打ち切ってしまう事もあり得ます。個人で活動する場合は資金面の壁などもあり、長く活動を続けることが難しい世界です。

 そこでTeam長野は地域を盛り上げることに主軸をおいた地域密着型のチームにし、レースだけではなくイベント活動もあわせて行うことにより、活動を長く継続できる体制を作っていきたいと考えました。

―――地域をPRしながらレース参戦をする活動資金は、どうしていますか?

 活動資金は正直なところ不足しています。スタッフも全員ボランティアで、費用も持ち出しで参加しているのが現状です。ですが、みんな、レースに出ることで得られる経験などを求めて、納得した上でボランティアでも良いと参加してくれています。

 私達のスポンサーは長野県内の企業さんが多いです。正直、実績もないのに「僕達レースやりたいのでお金をください!」では、地元の企業さんたちも話を聞いてくれないですよね。そこで、地域のイベント等に参加することで活動を知ってもらう事から始めました。ようやく認知度が上がってきたのか、応援してくれる方も少しずつ増えてきた実感があります。

 いまはすごく苦しいですが、ゆくゆくはそういった皆さんの応援の力だけでレースができるチームになりたいというのが目標です。

―――長野県をPRするという意味で、目指すビジョンはありますか?

 ありがたいことに県内のテレビや雑誌などのメディアにも取り上げていただく機会も増え、チーム長野の活動が少しずつ浸透してきた実感があります。長野県にこういう面白そうなことをやっているチームがあるということを、もっといろんな人に知ってもらいたいですね。そして、今まで以上に長野県を全国にPRし、長野県に訪れてくれる人を増やしていきたいと思います。

 長野県は、日本全国からツーリングに来てくれるライダーさんも多く、観光地でもあるので、そういった部分をメインに、バイクに乗って行けるおススメスポットを広めたり、バイクに乗らない人にも、長野県の魅力をどんどん知ってもらって、長野県を盛り上げることで、バイクに乗る人を増やしたい。そして、長野からバイク業界を盛り上げたいというのが目標です。

【画像】長野から世界へ!「信州活性プロジェクトTeam長野」の活動の様子を画像で見る(19枚)

画像ギャラリー

1 2

最新記事