【MotoGP第9戦オランダGP】世界戦に挑む中上貴晶選手 好走見せるも9位 中盤のミスが響く

2021年6月27日にMotoGP第9戦オランダGPの決勝レースがTT・サーキット・アッセンで行なわれました。日本人ライダーとして唯一、MotoGPクラスに参戦する中上貴晶選手(ホンダ)は9位でフィニッシュ。しかし、レース中盤では表彰台圏内の2番手争いを展開しました。

力強く速い走りながら、悔いが残る内容に

 MotoGPオランダGPの決勝レースで、中上選手は気を吐く走りを見せました。予選では2列目4番グリッドを獲得。これは、2021年シーズンにおける自己ベストグリッドです。

ホンダのマシンを駆り、2021年シーズンのMotoGPクラスに参戦する唯一の日本人ライダー、中上貴晶選手(#30 LCR Honda IDEMITSU)

 中上選手はスタート後、1コーナーへ3番手で飛び込むと、そのままトップを走るファビオ・クアルタラロ選手(ヤマハ)、フランセスコ・バニャイア選手(ドゥカティ)に次いで3番手につけました。

 その後、トップのクアルタラロ選手が独走態勢に入る一方、中上選手は依然として2番手のバニャイア選手のすぐ後ろで、3番手を走行。レースが中盤に入ると、コーナーでバニャイア選手を交わします。しかし、バニャイア選手の駆るドゥカティ「デスモセディチGP21」は加速に勝るバイクで、ポジションが再びストレートで奪い返される、そんな接戦が繰り返されました。

 中上選手はレース後にこのときの状況を振り返り「(デスモセディチGP21は)ストレートではロケットみたいに速かったので、バニャイア選手を抜くのは難しかったです」と語っています。

中上選手(#30)はバニャイア選手(#63)と2番手争いを展開した

 バニャイア選手を抜きあぐねながら周回を重ねていた中上選手。レース中盤にその均衡が崩れます。

 2番手のバニャイア選手がトラックリミットを超過した(コース外のグリーンの部分にフロントまたはリアタイヤが出た)ことで、ロングラップ・ペナルティを受けたのです(レース中、コースに設定された既定のエリアを通過しなければならないペナルティ。通常よりも大回りとなるため、ペナルティを消化すると数秒遅いラップタイムとなる)。

 同時に、中上選手は後方のライダーに交わされて5番手に後退していました。

好スタートを切り、レース序盤から3番手を走行する中上選手(#30)

 決定打は、レース中盤の1コーナーでのミスでした。それは、中上選手のレースをまったく違うものに変えてしまいました。

「1コーナーで大きなミスを犯して、後退してしまったんです。そのときは自分にがっかりしていました。そのあとは、みんな同じようなラップタイムでしたから、前のライダーをとらえるのは難しかったです。9位で終わったのは残念です」

 中上選手は9番手に後退し、9位でフィニッシュ。一時は表彰台争いを繰り広げたレースだっただけに、悔しい結果となりました。しかし、レース中盤まで力強い走り、速さを見せたことは間違いありません。

予選では4番グリッドを獲得。インディペンデトチーム(メーカーが直接運営をしないチーム)でトップのグリッド

 MotoGPはオランダGPのあと、約ひと月のサマーブレイクに入ります。次戦の第10戦オーストリアGPは、8月15日に決勝レースが行なわれます。

【了】

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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