輸入バイク首位の座へ! 徐々に差をつめ追い抜く!!【BMWモトラッドジャパン責任者インタビュー第1回/全3回】

バイクジャーナリストの青木タカオさんが、ホンダモーターサイクルジャパン室岡社長へのインタビューに続き、今度はBMW Motorrad Japan ディレクター(二輪部門責任者)のLee Nicholls/リー・ニコルスさんに会って話をうかがいました。

少しずつ首位ハーレーとの差を詰めていく

 BMW Motorrad Japan ディレクター(二輪部門責任者)のLee Nicholls/リー・ニコルスさんにお会いし、話をうかがいました。全3回にわたって、アレコレ聞いてみます。

BMW Motorrad Japan ディレクター リー・ニコルスさん

 青木タカオ: BMW Motorrad Japan 二輪部門責任者にリー・ニコルスさんが就任したのは、今から5年前、2016年8月のこと。同年上半期(4~9月)の輸入小型二輪車の新規登録台数は、ハーレーダビッドソンが5815台でシェア48.4%の首位であり、BMWは2172台、シェア18.1%と2位を堅守しつつも、トップとは離されていました。

 しかし、2021年上半期。BMW Motorradは世界で10万7610台のモーターサイクルおよびスクーターを販売し、前年比40.3%増し。上半期としては過去最高実績を記録し、日本でも2019年度が5059台/シェア24.3%、20年が5643台/シェア25.9%と伸び続け、リーさんが二輪部門責任者に就いて以来、成長戦略の成功を印象付けています。

 リー・ニコルス責任者(ディレクター、以下敬称略):はい、そうです。今年はさらに好調で、年間6000台の販売を見込んでいます。四輪車が4万台前後ですから、バイクが15%を占めることになるでしょう。

 青木:2020年、首位のハーレーダビッドソンが7846台/シェア36%ですから、ここまで迫ってくると輸入二輪車首位の座も見えてきたのではないでしょうか。

※輸入小型二輪車の新規登録台数とシェアは日本自動車輸入組合調べ

 リー:もちろん1位を目指し、そうなるよう努力していますが、ここ数年の業績を見てもわかる通り、急激に追い抜くというのではなく、徐々に差が詰まっていくのではないかと見ています。

 青木:BMWがハーレーダビッドソンに迫っている。その要因はどんなところにあるとお考えでしょうか。

 リー:ディーラーとの関係性が上手くいっていて、販売店の努力の賜物だと見ています。もともとBMWのディーラーは、情熱が強く、趣味性の高いスタッフばかりでしたが、この5年間でもう少しビジネスで収益を高めることを互いに目指してきました。

BMW Motorradグループ全体だけでなく、ディーラーも最高益を記録した

 青木:昨年はBMW Motorradグループ全体だけでなく、ディーラーも最高益を記録し、リーさんが5年間をかけてやってきたことが間違っていなかったのでしょうね。具体的にどのようなことをしてきたのですか?

 リー:それはちょっと教えられませんよ。モーターサイクルに目を向けると、ドイツではオプションのローシートを日本仕様ではスタンダードとするなど、ユーザーのご要望にお応えしてきた成果もあります。

 青木:これまでバイクに乗ってこなかった若者や新規層にもBMWのオートバイを知ってもらわないといけません。具体的にはどのようなことをして、新しいユーザーを獲得していますか?

 リー:免許取得費用の一部を負担する「ライセンス・サポート・プログラム」がありまして、多くの人に利用いただいています。緊急事態宣言が続く状況下で、習い事をしたり新しい事にチャレンジする時間があり、ますますバイクに乗る人が増えるはずで、BMWのバイクがもっと売れていくと見ています。

日本のライダーはテクニックが成熟している

 青木:日本のバイクファンたちをどのように見ていますか。欧州のライダーと違うところはありますか?

 リー:趣味として休日にだけモーターサイクルを楽しむのだけでなく、通勤にもバイクを使う人がいらっしゃいますよね。

ディーラーの満足度調査で最高点数を獲得(写真:BMW Tokyo Bay)

 青木:この5年間で、もっと嬉しかったことは何でしょうか?

 リー:販売台数と営業収益で過去最高を更新してきたことと、ディーラーの満足度調査で最高点数を獲得していることです。ビジネスで成功しているのと同時に、パートナーである販売店がBMWのモーターサイクルと、我々BMW Motorrad Japanに満足してもらっていることが嬉しいです。

GSシリーズの他に『S1000RR』でレーストラックも楽しんでいる

 青木:ところで、リーさん自身のバイクライフは、どのようにして始まったのかお聞かせ願えますか?

 リー:いいですよ。イギリスにいた頃、スズキの『GSX-R600』、青い車体でしたね。それを買ってバイクにのめり込むと、その後はBMWばかり。『R850R』にはじまって、結局はGSシリーズにたどり着いて、同時に『S1000RR』でレーストラックも走っています。

筆者(青木タカオ)もSSTR2020に昨年参加した

 青木:日本でのバイクでの想い出は?

 リー:北海道ツーリングも印象的でしたし、太平洋岸から日本海へ駆け抜けた「SSTR」では砂浜(千里浜なぎさドライブウェイ)を走ったのも感動的でした。箱根も大好きですし、先週は4日間をかけて白馬へ行きましたよ。

 青木:速度無制限区間もあるアウトバーンがあるドイツと比較すると、日本でBMWのオートバイを楽しむのは、少し窮屈ではありませんか?

 リー:そういった意味では、あまり良くないかもしれませんね。(笑) ただし日本はバイクで走ると、とても素敵な場所ばかりです。強いて言えば、都市部から抜け出すのが少しタイヘンですよね。日本のライダーのテクニックが、とても上手なんだと思っています。

つづく。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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