なぜ起こる?高速道路の逆走とその対処法

昨今、高速道路を逆走した車両による事故が後を絶ちません。標識があるにもかかわらず、一体なぜ高速道路の逆走は起きてしまうのでしょうか。

高速道路のルールと逆走の原因

 高速道路は、最高速度100㎞(区間によっては120㎞)、最低速度が50㎞、路肩の走行禁止など、下道と呼ばれる一般公道の交通ルールとは異なります。さらに、すべての区間で一方通行や方向転換が禁止されている点も大きな特徴です。

 しかし、高速道路上では禁止されているはずの逆走がたびたび発生しており、問題になっているのも事実。一体なぜ、高速道路の逆走は起きてしまうのでしょうか。

高速道路では禁止されている逆走が、たびたび発生しています

 2021年の8月11日、大阪府高槻市にある名神高速道路でバイクが逆走し、トレーラーと正面衝突。ライダーが、死亡する事故が起きました。産経新聞の記事によると、このバイクは少なくとも15㎞は逆走していた可能性があるとされています。メディアによって逆走したと想定される距離にばらつきはありますが、10㎞以上の逆走を続けていたことは確かなようです。

 他にも、2013年5月には千葉市にある千葉東金道路上りのインターチェンジ流入路で、バイクが逆走。軽自動車と正面衝突した事例も起きています。こういった逆走が起こる理由はいったいどこにあるのかというと、NEXCO西日本のホームページで公開されている情報によると、逆走が起きている場所のおよそ6割は、インターチェンジとジャンクションということ。

逆走が起きている場所のおよそ6割は、インターチェンジとジャンクション

 つまり、間違えて進入してはいけない方向へバイクやクルマが進入し、逆走が起きているということが、理由のひとつに挙げられます。また、降りるべき出口をとおり過ぎてしまい、慌てて方向転換をした結果、逆走となってしまうケースもあるようです。

 そのため、実際に逆走を起こした人に理由を聞くと、「本来のルートへ復帰するため」や「進行するべきルートを誤って」という回答が上位を占めています。しかし、進入口を間違えてしまったという「うっかりミス」であれば、前述のトレーラーと衝突したバイクのように、10㎞以上も逆走することは起きないと思う人も多いでしょう。

 仮に15㎞の距離を時速80㎞で走行していたとしたら、約11分間も逆走し続けたということになります。なぜ、その間に向きを変えなかったのでしょうか。

 そこで浮上する逆走理由。それは、運転者の高齢化です。

 2018年の逆走の発生状況を見てみると、1月から12月までの1年間に逆走を起こした運転者の約70%が、65歳以上の高齢者でした。つまり高齢ライダーやドライバーが間違った方向から高速道路に進入し、逆走をしていることに気づかず、走っている可能性があるのです。

逆走車への対処法と自分が逆走してしまった時は…

 では、高速道路上で逆走者に遭遇した場合、どのような対応を取ればいいのでしょうか。

逆走車を発見した場合はすぐに110番、または道路脇にある非常電話を使って通報してください

 進行方向に逆走車が現れてしまった場合は、全力で衝突を回避することに専念してください。逆走車を見つけた際に距離があったとしても、接触までの時間は、こちらの速度と逆走車の速度の合算となるため、両車が時速80㎞で走っていれば、160㎞/hで衝突することになります。そのため、逆走車に気づいたときは、迅速な判断が必要です。

 電光掲示板に逆走車情報が表示されている場合は、周囲の車両と車間距離を広く取り、回避行動ができるようにスピード落として運転することを心がけましょう。

 逆走車を発見した場合はすぐに110番、または道路脇にある非常電話を使って通報してください。非常電話は受話器を取るだけで道路管制センターに繋がるため、電話番号を入力する必要はありません。

 万が一、自身が逆走をしてしまった場合は、対向車に注意しながら路肩や非常駐車帯など、安全に停車できる場所に移動して、道路管制センターに連絡を入れてください。高速道路上での方向転換や、バックは禁止されています。そのため、自身で判断することは避け、まずはセンターからの指示を仰ぎましょう。

降りるはずの出口をとおり過ぎってしまった際には、出口にある有人の料金所で、担当スタッフに事情を説明します

 降りるはずの出口をとおり過ぎってしまった際も同様で、方向転換やバックは厳禁。次の出口にある有人の料金所で、担当スタッフに事情を説明してください。ここで気になるのは、出口をとおり過ぎってしまった場合の通行料金ですが、NEXCO西日本のホームページでは、通行料金は本来降りるはずだった区間までで計算されると表記されています。さらに、降りる予定となっていた、正しい出口まで戻るための手順も同時に説明してくれます。

 間違えて高速道路に進入してしまった際も、無理に方向転換はせず、そのまま料金所、または通行券を受け取る機械がある場所まで向かいましょう。料金所には担当スタッフに繋がるインターホンが設置されているため、それらを利用して、戻る道順の案内を受けることができます。

 最後に、逆走をしてしまった時の罰則について解説します。

 逆走は道路交通法第17条「通行区分違反」の対象となります。違反点数は2点、罰則金はバイクが7000円、普通車が9000円。刑事罰として、5万円以下の罰金、または3か月以下の懲役となります。また、逆走したことにより事故を起こしてしまうと、「過失運転致死傷罪」や「危険運転致死傷罪」に問われるほか、事故の状況によっては、刑罰が重くなる場合もあります。

 相手を負傷させてしまった場合は、前者が100万円以下の罰金、もしくは7年以下の懲役。後者が15年以下の懲役刑が科せられます。さらに、相手のケガの度合いや事故の状況により、違反点数が加算される点も覚えておくと良いでしょう。

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