ロードバイクの派生型「グラベルロード」は最強のロードバイクだった!?

ロードバイク(自転車)から派生した「グラベルロードバイク」と「シクロクロスバイク」は、見た目は似ていますが明確な違いがあります。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

「グラベルロードバイク」と「シクロクロスバイク」の違いは?

 近年、自転車市場を賑わせているのが「グラベルロードバイク」という、ロードバイクから派生したカテゴリーです。グラベル(gravel)とは「砂利」を意味し、いわゆる砂利道や未舗装路など“不整地を走るためのロードバイク”というのがグラベルロードバイクの定義と言えます。

ロードバイクから派生した「グラベルロード」は、カジュアルで自由なスタイルのイメージ。グラベルロードバイクはあらゆる道で快適な走行を目指した設計

 そしてグラベルロードバイクにとても酷似しているものに、ヨーロッパの伝統的な「シクロクロスバイク」があります。こちらも同様に、不整地向けの仕様になっています。参考までに両方のバイクをラインナップする「CANNONDALE(キャノンデール)」の写真で見てみましょう。

 シクロクロス(Cyclo-cross)はオフロードで行なわれる競技用自転車のため、設計基準に規定があります。競技に突き詰めた設計になると、水分補給のためのボトルを取り付けることもできない仕様になっています(競技時間が短く給水の必要がないため)。

オーソドックスなデザインのグラベルロード。ロードバイクに近い設計。キャノンデール「Topstone2」価格(消費税10%込み)19万5800円(写真/CANNONDALE)

 一見して両車の違いは分かりづらいのですが、大きな違いはタイヤと言えます。タイヤ幅で見ると、ロードバイクが25mmから28mmくらいが主流のところ、シクロクロスバイクは28mmから34mm、グラベルロードバイクは30mmから45mmほど。また、ホイールサイズは27インチが主流ですが、グラベルロードバイクでは27インチを中心に、さまざまなホイールサイズのバイクがあります。

 そしてハンドルにも違いが見られます。シクロクロスではハンドル幅に制限がありますが、グラベルロードにそのようなものは無く、さまざまライディングシーンに対応できるようにユニークなデザインなものもあります。

 グラベルロードバイクは舗装路から不整地までカバーするアドベンチャー系のバイクで競技用ではないため、もちろん制約もなく、キャリアやラックなどを装着できるギミックなども豊富で、ボトルも複数装着できるものが多く見られます。宿泊を想定した荷物の積載も可能なので、装備を固めればキャンプツーリングなども実現できます。

シクロクロスはロードバイク競技の冬のトレーニング代わりとして発展。キャノンデール「SuperSixEVO CX」価格(消費税10%込み)44万円(写真/CANNONDALE)

 つまりグラベルロードバイクは「とにかくどこでも走りたいし、荷物も多い。でも速い方が楽しい!」というサイクリストの欲望を叶えたような、夢の自転車と言っても良いでしょう。なにしろホイールを変えればロードバイクのような走り方も可能なのです。シクロクロスバイクよりも重厚な装備が可能で、目的にあわせて機能拡張できるのもグラベルロードバイクの魅力です。

 また、シクロクロスの規定に収まるグラベルロードバイクであれば、レースへの参加も問題ありません。

 似て非なるふたつのカテゴリーは、いずれも未舗装路向けのロードバイクです。それが「競技」寄りであればシクロクロス、「フリーダムなアドベンチャー」寄りならグラベルロード、といった見方で良いでしょう。

シクロクロスは伝統的な競技といったスタイル

 ちなみに、海外では山道やグラベルを含んだ広大なフィールドを舞台にした長距離レースイベントが人気を集めていますが、そこでの主役はもちろんグラベルロードバイクです。まだまだ成長過程で伸びる余地がある楽しみなジャンルなのです。

 目的がレースではないという人にとっても、そういったアドベンチャーを楽しめるバイク、それがグラベルロードバイクです。景色の良い場所など、ちょっとしたサイクリングからロングツーリングまで、最高の相棒になりそうです。

【了】

【画像】グラベルロードとシクロクロスの自転車を見る(12枚)

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Writer: 山本健一

サイクルジャーナリスト(人力バイクのほう)。ジャーナリスト歴20年、自転車競技歴25年の公私ともに自転車漬け生活を送る。新作バイクレビューアー、国内外レースイベントやショーの取材、イベントディレクターなど、活動は多岐にわたる。

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