ホンダ新型「モンキー125」は新エンジンで従来型からどのような進化を遂げたのか? 試乗前にスペック比で妄想してみた
新エンジンを搭載して2019年に発売されたホンダ新型「モンキー125」は、従来型からどのような進化を遂げたのでしょうか。ライターの松井勉さんが考察します。
ギアが5速になったこともそうだけど、新しいエンジンはどうなのか?
ホンダの人気モデル、原付2種レジャーバイク「Monkey125(モンキー125)」が気になるモデルチェンジを受けて発売されたのが2021年9月27日のこと。新しい環境規制に適合するタイミングに合わせ、新エンジンを採用。4速だったギアボックスを5速化。でも、カタチはそのままなので、正直その違いは乗らないとワカラナイ、という一番やきもきするパターンでの進化を遂げたのです。

発売から数カ月の間、新旧スペックの比較で妄想をしていました。まず車体では、長さ、幅、高さといったスリーサイズに変化は無く、ホイールベースは新型の方が5mm短い1145mmに、最低地上高は160mmから175mmへと15mmアップしました。
車高が上がったというよりエンジンや排気系の取り回しを変えたのでしょう。実際、シート高は1mmだけアップして776mmです。車重は3kg軽く104kgとなっています。
全く別ユニットに載せ替えられたエンジンは、排気量が124ccから123ccとなりました。エンジンのシリンダー内にあるピストンの外径が52.4mmから50mmへと2.4mm小さくなり、その分、ピストンのストローク量(シリンダー内をピストンが往復する片道の距離)が57.9mmから63.1mmへと伸びています。
ショートストローク型とかロングストストローク型などエンジンについての表現を見聞きしたことがあるかもしれませんが、その点では「モンキー125」のエンジンは2018年の登場以来、変わらぬロングストローク型で、これはピストン外径よりもストロークする距離が長い時に使われる言葉です。で、新型はさらにロングストローク型になった、と言うことです。

また、パワーとトルクを見ると、最高出力6.9kW、最大トルク11N.mと変化なし。しかしその発生回転数は、最大出力では従来型が7000rpmに対して新型は6750rpmの高回転数に、最大トルクでは5250rpmが5500rpmへと、逆に低回転数となっています。ともに250rpmの差です。
パワーとトルクはどの回転でピークを迎えるかより、どれだけ広い回転域で扱いやすさを生み出すかが重要ながポイントなので、だいたい似たようなキャラ、と予想できるのでした。
もっとも違うのは4速から5速になったミッションと、エンジン側のギアレシオ(一次減速比と呼ばれます)、駆動側のドライブスプロケットと後輪にあるドリブンスプロケットの歯数で決まるギアレシオ(二次減速比)です。いずれも新旧で異なり、実際はどうなのか? 数字を見ただけでは解りませんので、ここは計算をしてみました。
●ギア比(新型/従来型)
1速 2.846/2.500
2速 1.777/1.555
3速 1.315/1.150
4速 1.034/0.923
5速 0.843/—–
●一次減速比 3.040/3.350
●二次減速比 2.642/2.266
となります。一見、新型は1速がローギアードになって5速でよりハイギアードになったとも見えます。

そこで計算してみました。エンジン回転数が5000rpmの時、それぞれのギアでの速度です。タイヤサイズは新旧モデルで変わらずなので、外径は同じとして計算をしてみました。
●5000rpmでの時速(新型/従来型)
1速 18.892/25.450
2速 30.258/40.917
3速 45.731/55.327
4速 58.153/68.935
5速 71.330/——
ザックリですが、従来モデルの速度カバー域で考えると、1速、2速の領域を新型では1速、2速、3速で割り振り、1速はより低い速度での加速を重視し、3速までを使って小気味よい加速につなげる、と解釈してみました。また、従来モデルの3速が新型の4速と5000rpmにおける速度差が少なく、従来モデルの4速と新型の5速も同様な傾向があります。

しかし実際のところ、新しい環境規制に適合したということは、より少ない燃料で有害物質の排出を抑えつつ燃焼させていることも想像でき、走り感に関してはやっぱり乗ってみないとワカラナイ! と謎は深まるばかり……そこで、実際に乗ってその進化と真価を味わってみることにしたのです(つづく)。
Writer: 松井勉
モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。





