美味しいアジフライを求めて走る旅 神戸市の大衆食堂『なかよし御影店』はコスパ良過ぎ、関西の味も楽しめるお店だった
アジと言えばアジフライ! というライダーのために、美味しいアジフライを味わえるお店を紹介します。仕事の合間に神戸市「なかよし御影店」を訪れました。
人気の大衆食堂、この味とボリュームでこのお値段は安過ぎる!?
美味しいアジフライを求めて走る旅、という企画を続けるようになってから、アジフライばかり食べていると思われがちな筆者(増井貴光)ですが、本業はカメラマンです。この日仕事(撮影)で訪れたのは、神戸市のカスタムショップ「シウンクラフトワークス」でした。
撮影が終わった後に代表の松村さんから、2021年12月に『ヨコハマホットロッドカスタムショー』に展示したハーレー・ダビッドソンのカスタム車輌、“チョッパー”に試乗してみないか、と言われました。ハーレーには20年以上乗っている筆者ですが、ロングフォークのチョッパーにはあまり乗った経験ありません。
「そういう人にも乗ってもらいたい乗りやすく創ったチョッパーだから大丈夫」という松村さん。試乗させていただくことになりました。
ちなみにハーレー以外のバイクに乗っている人にとって“チョッパー”は全く馴染みの無いジャンルだと思いますが、簡単に言うと、映画『イージーライダー』に出てくるようなカスタムバイクです。ハーレーやトライアンフなど、車体から外せるパーツを可能な限り取り除き、チョップして削ぎ落とすことからチョッパーと呼ばれるようになった、というのが有力な説です。
車両を目の前にすると、フロントフォークはスプリンガーのロングフォーク、リアサスペンションの無いリジッドフレームです。エンジンは新品パーツで組んだハーレーのショベルヘッド。早速、試乗させてもらいました。
ロングフォークなので直進では何の不安も無いものの、コーナーは多少癖があり、乗っているうちにこの癖を攻略するのが楽しくなってきます。慣れてしまえばUターンもそれほど苦になりません。エンジン始動はキックではなく、ボタンを押すだけのセル方式です。元々「シウンクラフトワークス」が創るカスタムバイクは、造形だけでなく走りにも定評があります。当たり前のことですがウインカーなどの灯火類も装備し、普通に走れます。あまり肩肘張らず、誰でも乗れるチョッパーでした。
試乗が終わってお昼ご飯の話になると、スタッフのコージさんから「僕もアジフライ好きなんですよ。ワンコインでアジフライ定食が食べられるお店が近くにありますよ」との情報。それを聞いてしまったからには行くしかないでしょう。
コージさんは弁当持参だったので代表の松村さんとお店に向かいます。5分ほどで阪神電車の「御影駅」に着きました。お店はこの近く、オレンジ色のテントが目立つ「なかよし御影店」です。ちょうど昼時ということもあって満席ですが、すぐに席が空いて入店。席が空くと新しいお客さんが次々と入ってくる人気店のようです。
メニューを見ると、うどん・そば、定食、カレーに丼と数が多く、ほとんどがワンコインで食べられます。一番高い「カツとじ定食」でも750円、「とんかつ定食」は720円です。本題の「アジフライ定食」はというと、なんと470円! ワンコインでお釣りが来るという安さ!
早速お店の方に声をかけると、松村さんからちょっと待ったが入りました。「ここは関西のうどんを食べてください」ということで、定食のみそ汁をプラス120円でミニうどんに変えてのオーダー、それでも590円と激安です。
数分後、もう出来たの? くらいのタイミングで「アジフライ定食」がテーブルにやってきました。アジフライが2枚、付け合わせはキャベツ、タルタルソースとマヨネーズが盛られています。冷奴の小鉢とちょっと多めのご飯、それにみそ汁から変更したミニうどんがセットです。このボリュームでこの値段はコスパ良過ぎです。
まずはアジフライをいただきます。大きさも厚みも普通サイズ。場所柄と価格から、獲れたてや朝獲れなどではないのはわかっているので過度な期待はありませんが、揚げ具合の良いサクサクの衣に、味のしっかりした柔らかめの身です。タルタルにも良く合いあっと言う間に1枚食べてしまいました。
ここでうどんに行きます。つゆを一口すすると、意外に美味しい……。生粋の神戸っ子である松村さんに訊くと「関東のうどんはしょっぱくて……関西のうどんは、色が薄くて出汁が効いてるんです」とのこと。そう、出汁の味なのです。このお店も関西のうどんとしてはいたって普通だそうですが、十分に美味しいのです。関西恐るべし! アジフライはもちろん、うどんのつゆも残さずに完食。なんだか幸せな気分で関東に帰れそうです。
■なかよし御影店
所在地:兵庫県神戸市東灘区御影本町2-15-25
営業時間:11時から22時(不定休)
※営業時間、休日は変更となる場合があります
Writer: 増井貴光
旅をライフワークにバイク専門誌などで活躍するカメラマンでコラムニスト。国内だけでなく、アメリカでランドスピードレースやドラッグレースの撮影を続けている。著書としてユタ州ボンネビルで最高速に挑戦するライダーを撮影した写真集『bonneville』と、ルート66を実際に走って撮影した『movin’on』がある。また撮影だけでなく、イベント等の企画・運営にも携わるなどその活動は幅広い。愛車はハーレーFLTRXS、ホンダXR250とCT110