the「燃費」250ccクラスで4気筒エンジン搭載 カワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」の魅力は計測の枠外に!?

国内現行モデルで唯一、排気量250ccクラスで並列4気筒エンジンを搭載するカワサキ「Ninja ZX-25R」の燃費はどうなのか? 「SE」モデルで実走計測しました。

蘇った高音の魔力! 250クラス4気筒エンジンの燃費はどうだ!?

 2019年の東京モーターショーで発表されて以来、多くの話題を集めた排気量250ccクラスの並列4気筒モデル、カワサキ「Ninja ZX-25R」ですが、今回はその装備充実バージョンである「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」(以下、25R)で燃費計測に出かけました。

実際の燃費はどうなのか? カワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT Edition」(2021年型)を走らせる筆者(松井勉)
実際の燃費はどうなのか? カワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT Edition」(2021年型)を走らせる筆者(松井勉)

「25R」のスタイルは「Ninja ZX-10R」をコンパクトにしたような「Ninja」ファミリーのソレです。フェアリングの中にはスチールフレームに搭載された4気筒エンジンがあり、シリンダー内では直径わずか50mmのピストンが31.8mmだけストローク(往復運動)しています。この短いストロークこそ超高回転まで許容するこのエンジンが求めたスペックで、走行時、エアクリーナーボックスに風圧を導入すれば最高出力34kW/15500rpm、最大トルクは21N.m/13000rpmを発揮します。

 気になるカタログ燃費は、定地燃費値(60km/h走行、2名乗車時)が24.0km/l、WMTCモード値(クラス3-2)は18.9km/lとなっています。WMTCモード値で同じクラスに属するモデルでは、次のようになります(いずれも並列2気筒エンジン搭載車)。

●ホンダ「CBR250RR」=27.1km/l
●ヤマハ「YZF-R25」=27.2km/l
●カワサキ「Ninja250」=26.2km/l

 まあ、2気筒勢よりかなり悪い、それが「25R」のWMTCの燃費値です。このバイクの魅力はそこでは語れないことは分かっているものの、実走燃費はどれくらいなのか、気になるところです。

燃費計測はあいまいな「満タン法」ではなく、車載のトリップメーターと平均燃費計を利用
燃費計測はあいまいな「満タン法」ではなく、車載のトリップメーターと平均燃費計を利用

 the「燃費」では様々なバイクを定例ルートで走行し、市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)での実走燃費を計測しています。いずれのシーンでも交通の流れに合わせて走行し、好燃費結果を出すような走り方はしていません。排気量、カテゴリーなど様々なバイクを同一コースにて実走計測することで参考にしていただこうという燃費バラエティ企画です。

 記事中にある燃費値と走行距離は、車載の平均燃費計、トリップメーターの数値です。

250クラスらしい軽快さを持ちつつ、リッタークラスに劣らない楽しさ

 the「燃費」の市街地燃費は次のルートで計測しています。都内外苑周辺をスタート。南青山一丁目交差点で国道246号に出て皇居方面へ。桜田門の前を通り過ぎ銀座方向へ。いったん丸の内のオフィス街を走り、再び銀座方向へ。築地市場跡前、晴海を経て首都高速湾岸線沿いの国道357号、東雲付近までを走行します。この日は午前9時台で交通量はやや多め。35分ほどかけて12.9kmを走行しました。

いざ、燃費の実走計測へ。市街地燃費は都内を移動
いざ、燃費の実走計測へ。市街地燃費は都内を移動

 4気筒エンジンの滑らかさは素晴らしく、30km/h程度でも6速で走行ができるほど。もちろん、そこからアクセルを開けても加速らしい加速はしてくれません。エンジンが活発さを増すのは3500rpmから4000rpmあたりから。気持ち良く決まるクイックシフターを楽しみつつ、せいぜい6000rpm程度までで充分に市街地の流れを掴み、時にリードする。むしろ、シフトアップの回数が多く、アクセルを開ける楽しみがあるので、市街地ペースでも知らぬ間にアドレナリンが湧き出してきます。

 市街地燃費は19.4km/lでした。250ccクラスのスクーターでも30km/lを超えるモデルがある中、この「25R」の気持ち良さを造る諸元として高回転型エンジンですから、ここは目をつむりましょう。いや、250と思うより1000ccクラスの趣味性にも劣らない世界があるバイク、と考えたら気になりません。きっと。

高速道路では高回転ながら嫌な振動も無く、余裕タップリのエンジン

 市街地燃費計測を終えて千葉県の木更津へと移動し、高速道路での燃費計測に入ります。ルートは2経路。往路はアクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から南北に走る館山道に入り南端の終点「富浦IC」まで52.9kmの南下ルート。復路は快走路燃費計測を終え、館山道「富津中央IC」からアクアライン連絡道「木更津金田IC」まで24.9kmの北上ルートで計測します。

東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう
東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう

 アクアライン連絡道は制限速度80km/h、館山道は往路が100km/h制限の区間から、対向2車線となる南部では80km/hから70km/hとなります。また、復路「富津中央IC」からの館山道は100km/h制限部分のみ。道路状況は館山道にアップダウンが連続し、アクアライン連絡道は比較的平坦なルートです。

「25R」は、80km/h走行時で6速8000rpm、100km/hでは10000rpmとなります。高回転ながらエンジンは余裕タップリ。嫌な振動もありません。しかし燃費的には、エンジン回転が高いこともあり南下ルートでは制限速度が下がり始めた後半にようやく20km/l台に乗り、最終的に21.2km/lに。北上ルートでは、100km/hでアップダウンが続く館山道を走り、アクアライン連絡道の80km/h制限区間が南下ルートより短く、燃費値が伸びる時間がなく19.6km/lにとどまった、というのが平均燃費計を見ながら思った印象です。

快走路で始めて「我慢」を感じた、高回転の誘惑

 快走路(ツーリング路)の燃費計測は3区間で計測しています。区間1は、高速道路燃費計測の南下ルートを終えた館山道「富津IC」直近のコンビニエンスストア駐車場をスタートし、房総半島南端エリアの海岸まで、「安房グリーンライン」などを含む21.4km。区間2は南端エリアから鴨川市にある「大山千枚田」までの38.2km。海岸線沿いの国道411号、県道34号などを進みます。区間3は「大山千枚田」から県道34号、県道182号「紅葉ロード」等を走り、館山道「富津中央IC」までの25.5kmです。

the「燃費」の計測ルート。房総半島最南端エリアにて
the「燃費」の計測ルート。房総半島最南端エリアにて

 どのルートにも平坦路、アップダウンがバランス良く配置された気持ち良いツーリングルートで房総半島を巡ります。平坦路は6速巡航でラクラクと、上り坂でも5速にシフトダウンすれば事足りるレベル。しかし、カーブの手前で思わず2回、3回とシフトダウンしたくなる誘惑と、その後右手をクっとひねり、高回転サウンドを奏でたい誘惑に駆られものの、そこは我慢、いつも通りのツーリングペース、周囲に合わせたペースに徹しました。

 その結果、区間1で24.9km/l、区間2が24.5km/l、区間3が23.7km/lでした。区間3で少し燃費が落ちているのは、我慢が足りない証拠でしょう(スイマセン)。結果として平均24.3km/lをマーク。60km/h、6速で6000rpmなので、それ以下に抑えたらさらに伸びるのでは、と思いました。

結論! 燃費性能なら他を選ぶ、が正解。しかし、唯一無二の個性は最高!

 この取材を重ねると、好燃費が出るとどこか嬉しい気持ちになるのは確かです。しかし、カワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」を走らせてみると、その魅力は250クラス離れした充実の装備や、4気筒エンジンが持つ滑らかな回転と、例えようのない高回転時のエクスタシー感でしょう。そして、嬉しいのはレギュラーガソリンでこれが楽しめるコトです。

カワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」に試乗する筆者(松井勉)
カワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」に試乗する筆者(松井勉)

■カワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」(2021年型)燃費結果
総合評価:☆☆☆★★(ホシ3つ)
総走行距離:175.8km
市街地:19.4km/l
高速道路平均:20.4km/l
快走路平均:24.3km/l
総平均燃費:22.2km/l

【画像】カワサキ「ZX-25R SE KRT EDITION」(2021年型)の燃費性能は? 実際に走って調査!(13枚)

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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