スムーズに二輪免許を取得するために! 坂道発進のポイントとは
二輪教習でおこなう坂道発進は、いたってシンプルな運転技術ではあるものの、実際に公道を走行する際にも使う機会が多い、非常に重要な項目です。そこで、坂道発進をスムーズにクリアするために、抑えておきたいポイントをご紹介します。
慣れれば簡単!坂道発進のポイントとは?
二輪免許を取得中の人が苦戦する技能のひとつに、坂道発進が挙げられます。しかし坂道発進は、免許を取得して実際に公道を走行する際にも使う機会の多い、重要な技能です。
そのため、習得は必須!初めは難しそうに感じるかもしれませんが、ひとつずつポイントを抑え、焦らずに取り組むことが重要となります。そこで、初めての人でも焦らないために、押えておきたいポイントを解説します。

まずひとつ目のポイントは、上り坂で止まる際に、前方の車両に近づき過ぎないこと。
前方の車両が坂道発進をする際に、後ろに下がってくることも考えられるため、ギアを1速に戻して十分な車間距離をとって停止しましょう。
2つ目は、坂道の途中で停車したら、いよいよ坂道発進に入ります。このとき、接近してくる後続車がないか、後続車との車間距離が十分に取れているか、後方確認をおこなうのもポイント。
後続車との車間距離が取れていれば、万が一坂道発進に失敗して後退することがあっても、後続車に接触する危険がないため、落ち着いて坂道発進に集中することができます。
3つ目のポイントは、後方確認をした後に、ギアが1速になっているかを確認すること。ギアが1速以外に入っていると、坂道発進ができず、エンストの原因となる可能性が高まります。もし1速以外に入っていたら、ギアを1速に入れ直してください。

そして4つ目のポイントは、右足で後輪ブレーキをしっかりと踏み、右手の前輪ブレーキレバーから手を放して、後輪ブレーキだけで車体を支える状態にすること。
後輪ブレーキがしっかりと効いていれば、前輪ブレーキを放しても車体が動き出すことはないので、心配する必要はありません。
発進する準備が整ったら?
ギアを1速に入れて後輪ブレーキを踏んだまま、次は半クラッチ状態を作ります。アクセルをまわし、2000回転から3000回転くらいで安定させたら、クラッチを少しずつ放しましょう。

そしてクラッチをつなげつつ後輪ブレーキを放すと、車体が前に進み始めます。この時に、半クラッチがしっかりとできていれば、後輪ブレーキを放しても、車体が後退することはありません。
もし、後輪ブレーキを放した際に車体が後退した場合は、上手く半クラッチの状態になっていないため、クラッチをつなげる際は、クラッチレバーをゆっくりと戻すように注意してください。また、半クラッチ状態から上手くクラッチをつなげつつ、後輪ブレーキを放すタイミングは、エンストして坂道発進に失敗をしやすい瞬間です。
エンストをさせないためには、クラッチレバーを放す際に、車体が動き始めるまではゆっくりとクラッチをつなげることもポイント。勢いよくクラッチレバーを放してしまうと、途端にエンストを起こしてしまう可能性が高まるため、半クラッチ状態を作ったらアクセルを緩めることなく、そのままの状態を保つと良いでしょう。
その他にも、後輪ブレーキをいつまでも放さないでおくと、エンストの原因となるため、半クラッチ状態が作れたら後輪ブレーキを放し、クラッチをつなげるというタイミングも重要です。

これらのポイントに加え、教習所で坂道発進をする際は、走り始めるとすぐに下り坂になります。下り坂では、エンジンブレーキを効かせるためにクラッチをつなげる必要がありますが、1速ではエンジンブレーキが強く効き過ぎて不安定になってしまう場合があるため、下り坂に入る手前で、できるだけギアを2速に入れることもポイントです。
また、坂道発進の一連の手順として、姿勢に気をつけるのもポイント。半クラッチ状態を作る際に、エンジンの回転数を確認するためにメーターを見続けてしまうと、姿勢が崩れてしまうだけでなく、前方の安全確認もできません。
坂道発進では少し前傾になり、ハンドルを持つ腕に余裕がある状態で、前方に目を向けるのが正しい姿勢です。なお、教習所でバイクの免許を取得する際には、上り坂での坂道発進を学ぶ機会が多いです。しかし、実際に公道を走行する際は、下り坂で発進をする機会も存在するでしょう。

下り坂発進では、ギアがニュートラルの状態やクラッチを切っていても、傾斜による惰性で前に進みます。しかし、このような走行は車体が不安定となりエンジンブレーキも効かないため、大変危険。しっかりとクラッチをつなげて坂道を走行することで車体が安定し、エンジンブレーキを効かせて走ることができることを覚えておいてください。