二輪のMT免許取得の最重要項目! 発進のコツとは
初めてMT仕様のバイクに乗る人にとって、発進は緊張を伴う瞬間です。そこで、バイクを発進させる際に押さえておきたいポイントを解説します。
バイク運転の基本!発進のコツとは
マニュアルトランスミッションバイク、いわゆるMT車は、アクセルとブレーキに加えてクラッチ操作という、AT車にはない操作が必要となります。
初めてバイクを運転する人の多くは、このクラッチ操作でのアクセルをひねる加減や、クラッチを繋げる感覚などに苦労するかもしれません。 また、バイクはある程度スピードを出すと、ジャイロ効果によって車体が安定する反面、始動時やスピードが乗り切らない低速走行時は、車体がふらつきやすいという特徴を持っています。

そのため、発進時と停止時には転倒しないように注意する必要がありますが、この際に抑えておきたいポイントには、どんな点が挙げられるのでしょうか。
まず発進をする際は、バイクにまたがった状態でエンジンを始動させます。そして後方確認をした後、右足を地面につけて車体を安定させた状態で左足をステップに乗せ、左手でクラッチを切った状態のまま、シフトペダルを踏んで、ギアを1速に入れましょう。
1速にギアが入ったことを確認できたら、左足を地面に着けて右足をステップに乗せ、リアブレーキを踏みます。この際、いきなりクラッチレバーを離すと急発進やエンストを起こす可能性が高いため、クラッチはしっかりと切ったままでキープすることが重要です。

そしてクラッチを繋ぐときは、まず右手のフロントブレーキと右足のリアブレーキを離します。この際、クラッチは切ったまま右手のスロットルグリップを握り、軽くアクセルを回してください。また、エンジンの回転数は1500から2000回転を目安に、タコメーターで確認することも重要です。
一定の回転数をキープした状態で少しずつクラッチレバーを離していくと、クラッチが繋がりバイクが前進します。さらに、走り出して5メートルくらいはクラッチを少し繋いだ状態、いわゆる半クラッチをキープすると良いでしょう。
半クラッチの状態で前進しながら少しずつクラッチレバーを離し、完全にクラッチレバーを離した後にスピードが乗ってきたら、アクセルを開けてクラッチを握り、ギアを2速3速と上げます。

発進のポイントは、焦らずひとつひとつの動作を丁寧におこなうこと。発進時のクラッチやアクセルの操作はとても繊細な動きであるため、スロットルをほんの数ミリ回しただけで、エンジンは1500回転から2000回転に達します。この回転数に達した際の音と、グリップを回した位置を覚えておくことも重要です。
タコメーターで確認したくなるかもしれませんが、タコメーターにばかりに視線を向けていると発進時にふらつきやすくなるほか、前方不注意となり危険です。
気持ちも重要なポイント!?
発進のふたつ目のポイントとしては、怖がらないことが挙げられます。バイクの運転に慣れていない人は、バイクがゆっくりと動き出した状態に恐怖心を抱くこともあるでしょう。

バイクの操作に自信がない状態では、急にスピードが出ないか、あるいはスピード不足で転倒する可能性などの恐怖心から、足を着けながらバイクを走らせたり、ハンドルを握る腕に力が入ってしまうことが多いのが現実。しかし、それらはかえって足を巻き込んだり、バランスを崩す原因になりかねません。
発進時のクラッチ操作やアクセル開度は小さな動きのため、腕に力が入ると手元のコントロールが難しくなります。また、視線を進行方向に向けるのもポイントです。バイクが動き出したらゆっくりと足をステップへかけて、膝で車体を挟みこむと、車体もライダーの身体も安定します。

この半クラッチの状態をキープすることで、ゆるやかにエンジンの動力がタイヤに伝わり、落ち着いて発進することが可能。もしスピードが足りずにふらつく場合は、少しだけアクセルを開けると車体が安定するので、覚えておいてください。
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発進は、半クラッチを使いながらの低速走行でのバイクの扱いに慣れておくと、スムーズにおこなえます。
アクセルを開ける感覚やクラッチミートの感覚をつかむために、ご紹介したポイントに注意しながら、何度も発進を繰り返して練習すると、無意識におこなえるようになるはずです。