【MotoGP第2戦インドネシアGP】中上貴晶選手、厳しいレースとなるも次戦につながる改善を見出す

MotoGP第2戦インドネシアGPの決勝レースを、中上貴晶選手(ホンダ)は19位で終えました。全体として苦しいレースウイークだったのに加え、ウエットのコンディションのレースではヘルメットのバイザーに問題が発生してしまったと言います。しかし、決勝日午前中のウオームアップ・セッションではフィーリングを取り戻すことができたようです。

何も出来なかった状況で、最後尾から19位フィニッシュ

 MotoGP第2戦インドネシアGPは1997年以来25年ぶりの開催で、2022年はプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットでの初開催となりました。中上貴晶選手(#30 LCR Honda IDEMITSU)にとってはレースウイーク全体で苦戦し、予選はアタックのタイミングの不運なども重なって最後尾の24番手という結果でした。

ホンダのMotoGPマシン「RC213V」を駆り、2022年シーズンのMotoGPクラスに参戦する唯一の日本人ライダー、中上貴晶選手(#30 LCR Honda IDEMITSU)
ホンダのMotoGPマシン「RC213V」を駆り、2022年シーズンのMotoGPクラスに参戦する唯一の日本人ライダー、中上貴晶選手(#30 LCR Honda IDEMITSU)

 しかし、苦しんでいたのは中上選手だけではありませんでした。ホンダ勢全体が予選でQ1に終わるなど、厳しい週末を強いられていたのです。その要因のひとつとして考えられるのが、MotoGPクラスのワンメイクタイヤサプライヤー、ミシュランがインドネシアGPに持ち込んだタイヤでした。マンダリカでは2月に3日間の公式テストが行われましたが、ミシュランはこのテストを通じて高い気温とサーキットのレイアウトによるタイヤへの負担を考慮し、レースに向けて硬めのケーシングのリアタイヤを持ち込んだのです。

 24番手で終わった予選後、中上選手は次のように語っています。

「大きな問題はグリップで、すごく苦戦しています。ベストなバイクのバランスを見つけられないんです。テストではうまくいって、バイクもタイヤのフィーリングも、レースペースもすごくよかったのですが、(今回は)全部が変わってしまいました……」

 ところが、日曜日の決勝レースで状況は再び変わります。MotoGPクラスの決勝レース前に激しい雨が降り始めスタートディレイとなり、当初の予定よりも1時間15分遅れで始まったレースは、ウエットコンディションとなったのです。

決勝レースはマルク・マルケス選手が欠場したことで23番グリッドからスタート
決勝レースはマルク・マルケス選手が欠場したことで23番グリッドからスタート

 この週末、金曜日や土曜日の午前中のセッションでもウエットコンディションはありましたが、それは一時的なもので、ウエットからドライにコンディションが変化する状況でした。ところが決勝レースでは完全なフルウエットとなり、レインタイヤでのレースとなったのです。

 こうしたコンディションに加え、中上選手にはヘルメットのバイザーに問題が発生していました。路面の水量が多い状況では、通常でも前を走るライダーの水しぶきで視界が悪くなります。そうした悪条件の中で、それでも中上選手は20周を戦い抜き、19位でレースを終えました。

ヘルメットのバイザーに問題があり、視界不良の状況だったという
ヘルメットのバイザーに問題があり、視界不良の状況だったという

 中上選手はこのバイザーの問題について「スタート前はちゃんと見えていたのですが、何が起こったのかわかりません。バイクのフィーリングは悪くなかったのですが、ラインにとどまっているのも大変でした。クリッピング・ポイントも縁石も見えなくて、何もできなかったです」と語り、予想外の問題にガッカリ、といった様子でした。

 ただ、決勝日については前向きな話題もあります。午前中にドライコンディションで行われたウオームアップ・セッションを、中上選手は5番手で終えていたのです。このウオームアップ・セッションで何か手ごたえをつかんだのか、と質問すると、中上選手の回答は「とてもいいセッションになりました」と明るいものでした。土曜日に欠けていたフロントのフィーリングを取り戻すことができたということです。

「ペースもよくて、土曜日になかったようなフロントへの自信が持てるようになったんです。フロントのセッティングに大きな変更を施しました。ちょっと賭けだったんですけど、トライしなきゃいけなかったんです。とてもよくなったので、満足しています。

 レースがウエットのコンディションになってしまったので、すごく残念です。もしドライコンディションだったら、表彰台を獲得したライダーに近いペースで走れたと思うので」

インドネシアGPで優勝したミゲール・オリベイラ選手(KTM/中央)、ファビオ・クアルタラロ選手(ヤマハ/左)、ヨハン・ザルコ選手(ドゥカティ/右)
インドネシアGPで優勝したミゲール・オリベイラ選手(KTM/中央)、ファビオ・クアルタラロ選手(ヤマハ/左)、ヨハン・ザルコ選手(ドゥカティ/右)

 ウエットコンディションでの決勝レースによって状況が変わってしまいましたが、中上選手はバイクの感触を取り戻しました。「(第3戦)アルゼンチンはまた違うコースで、違うタイヤになります。(今回の)ウオームアップ・セッションではうまくいったので、引き続き改善していきたいですね」と、次戦への意気込みを見せていました。

 第3戦アルゼンチンGPは、アルゼンチンのアウトドロモ・テルマス・デ・リオ・オンドで2022年4月3日に決勝レースが行なわれます。

【画像】2022年シーズンのMotoGPクラスに参戦する中上選手を見る(6枚)

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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