the「燃費」最新環境規制適合モデルの走りと性能は? BMWスクーター「C400X」を実走計測

排気量349ccの単気筒エンジンを搭載するBMW Motorradのアーバンコミューター「C 400 X」の実走燃費を計測しました。先代モデルとの比較によってどのようなアップデートが見られたのでしょうか。

新旧比較で感じた緻密なアップデート、走りの楽しさ再確認

 BMW Motorradのスクーター「C400X」は同社の看板モデル、「GS」シリーズを思わせるスタイルが印象的なアーバンコミューターです。400と表記されながら排気量は349cc、それでもスズキ「バーグマン400」と性能面では上回り、価格面ではバーグマンの84万7000円に対し、87万円から89万6000円(外装カラーによって変動)と、ほぼ同等です(消費税10%込み)。

実際の燃費はどうなのか? BMW Motorrad「C 400 X」を走らせる筆者(松井勉)
実際の燃費はどうなのか? BMW Motorrad「C 400 X」を走らせる筆者(松井勉)

 しかもグリップヒーター、シートヒーター、ETC2.0車載機を標準装備するほか、TFT6.5インチモニターやスマートフォンとのコネクティング機能も搭載。そしてハンズフリーキーも採用しています。つまり、今風なもの、一度使ったら手放せない装備を全部載せし、新車で買えば3年という長期保証も付帯。そのためプライスタグの数万円の違いは実質チャラと言って良いでしょう。

 じつは2021年9月11日に「C400X」の2022年モデルが発売される前、ユーロ4規制に準拠した前モデルでのリポートをお届けしています。そして今回は最新のユーロ5対応モデルであり、環境規制が走りと燃費にどんな結果をもたらすのか、興味津々で取材に出たのです。前モデルの記録と記憶も交え、リポートを進めたいと思います。

燃費計測は車載のトリップメーターと平均燃費計を利用
燃費計測は車載のトリップメーターと平均燃費計を利用

 the「燃費」では市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)での実走燃費を計測しています。取材を積層し、過去記事から同クラス、他クラスのモデルと比較しつつ、毎回同じルートを走行。燃費記録に挑むものではなく、あくまで周囲の交通の流れに合わせた日常ペースで走り、車載の平均燃費計とトリップメーターが示す距離を記事中に紹介しています。いわゆる満タン法での計測ではありません。

市街地での軽快さ健在、350ccに不満ナシ

 the「燃費」の市街地実走計測は、都内外苑周辺からスタートします。青山一丁目交差点から国道246号で赤坂方向に進み、皇居のお堀を左手に見つつ桜田門前を直進、銀座方向へ。有楽町手前で大手町のオフィス街周回ルートを辿り、再び晴海通りから銀座、晴海、豊洲の運河を渡り直進。そのまま首都高湾岸線沿いを走る国道357号、東雲付近まで。

いざ、燃費の実走計測へ。市街地燃費計測では丸の内オフィス街も経由
いざ、燃費の実走計測へ。市街地燃費計測では丸の内オフィス街も経由

 ルートの多くは片側3車線の大通りであり、直進と右折が分離した信号が多く、赤信号の停止時間は長くなる傾向にあります。概ね30分から32分程度の行程ですが、全体の距離が12.1kmなので、信号待ちが占める割合が多いと燃費に響く傾向がああり、過去の経験では、渋滞気味でも走行し続けていると意外に燃費が低下しないことも解っています。

 新型の方がエンジンの振動面、サウンド面で洗練された印象だったことを付け加えておきます。パワー不足もまったく感じませんでした。2022年モデルの「C400X」は、このルートで23.8km/lを記録しました。朝の渋滞時間は過ぎていましたが、大手町ループから晴海まで信号待ちは多かったのが響いたか、2021年モデルでの記録は25km/lと一歩譲る形になったのも、赤信号の影響が多いように思います。

高速道路移動も得意分野、燃費性能は先代と互角以上

 市街地燃費を計測後、千葉県の木更津エリアへ移動します。the「燃費」の高速道路データは南下する往路と北上する復路の2ルートで行っています。

東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう
東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう

 南下ルートは房総半島へのアクセス道でもあるアクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から館山道へとアクセス。南へ向かって終着点の「富浦IC」までの53.2kmです。

 北上ルートは快走路燃費計測を終えた館山道「富津中央IC」から北へ向かい、アクアライン連絡道にアクセスして「木更津金田IC」までの24.8kmです。

 アクア連絡道の制限速度は80km/hです。館山道は南下ルートでは2車線区間が100km/h、片側1車線区間では80km/hから70km/hへと制限速度が低下します。北上ルートでは100km/h制限区間のみ。制限速度が低下する分、燃費的には優位なものの、連続的にアップダウンがあり、平坦路100km/h走行の高速道路とは異なる負荷が掛かるのが特徴です。

最初は不思議に思った独特な形状のサイドパネルは、たまたま雨の中を走った際、足元がひどく濡れることが無く、そのような効果があったのかと実感
最初は不思議に思った独特な形状のサイドパネルは、たまたま雨の中を走った際、足元がひどく濡れることが無く、そのような効果があったのかと実感

「C400X」は兄弟モデルである「C400GT」よりもスクリーンのサイズなどが小型なため快適性は一歩譲るものの、250クラスとは比較にならない力強いエンジン、足元を覆うフェアリングがもたらす下半身に当たる走行風を緩和してくれるデザインなど、全体として高速道路移動は得意分野でもあります。

 100km/h区間での長い上り坂での速度維持も簡単。結果的に南下ルートで32.2km/l、北上ルートで31.2km/lを記録しました。先代モデルでは同区間で29.4km/lと31.2km/lでした。

 計測時の道路の流れなどによって変化する燃費ですが、北上ルートでまった同じ値だったことを考えると、これは互角以上の燃費性能を持っていると評価できます。市街地同様、動力性能に不満はありませんでした。

スクーターでも峠道が楽しい、その源泉はシート下収納の考え方にもアリ

 BMWモトラッドの「C」シリーズと国産スクーターで、最も大きな違いがシート下ラゲッジスペースの考え方です。BMWはシート下にヘルメットがひとつ入るスペースを設けています。「だってライダーは被って走るでしょ?」と。そしてふたつ目のヘルメットは停車時のみ収納できればいいという着想から、折りたたみ式の拡張ラゲッジとなっており、走行中は使用不可です。

BMWモトラッド「C」シリーズの特徴のひとつ、シート下収納は停車時のみ拡張させる「フレックスケース」という折り畳み式を採用している
BMWモトラッド「C」シリーズの特徴のひとつ、シート下収納は停車時のみ拡張させる「フレックスケース」という折り畳み式を採用している

 つねに大きな空間を確保した日本メーカーのスクーターと、リアまわりのボリュームが異なるのはこうした発想の違いからです。これも快走路で軽快な走りを楽しませる源泉では、と想像します。とにかく面白いのです。

 the「燃費」の快走路燃費計測は3つのルートで行なっています。区間1は高速道路計測を終えた館山道「富浦IC」直近のコンビニエンスストアからスタートし、「安房グリーンライン」へとアクセス。房総半島南部の中央を通り、南端エリアの海岸まで21.6km。区間2は南端エリアから海岸線を鴨川方向へ。国道410号、県道34号を通り、鴨川市にある「大山千枚田」までの38.3km。区間3は「大山千枚田」から県道34号、県道182号通称「もみじロード」を通り、館山道「富津中央IC」までの25.3kmです。3区間の合計は85.2kmになります。

 どの区間も平坦部分と山間部を抜けるワインディングがおよそ半々の割合で混在します。

 結果としては、区間1と区間2で同値の34.4km/l、区間3では35.7km/lをマークしました。先代モデルでは、区間1が32.2km/l、区間2が33.3km/l、区間3が34.4km/lだったので、高速道路に続きここでも数値的に上回っています。

夏と冬、取材時期を考えたら勝者は2022モデル!?

 先代モデルの取材は真夏、今回は2月という違いを考えれば、燃費的には夏のほうが有利でもあり、その上で燃費データ的に上回ってきたことは、より緻密なマネージメントでCO2の排出を抑えた新型の燃費性能はスペックに見えない向上アリ、と言えるでしょう。そして走る楽しさが全く減じていない点も好印象です。計測結果の平均は31.km/lとなり、カタログ値は越えてきたのは前回同様です。やるね、BMW!

ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着
ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着

■BMW Motorrad「C 400 X」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆☆(ホシ5つ)
総走行距離:175.3km
市街地:23.8km/l
高速道路平均:31.7km/l
快走路平均:34.8km/l
総平均燃費:31.9km/l

【画像】BMW Motorrad「C 400 X」の燃費性能は? 実際に走って調査!(10枚)

画像ギャラリー

Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

編集部からのおすすめ

2026年 バリバリ伝説に再び注目? ライダーのバイク愛を教えて! 投稿キャンペーン始動であの名シーンがよみがえる!【PR】

2026年 バリバリ伝説に再び注目? ライダーのバイク愛を教えて! 投稿キャンペーン始動であの名シーンがよみがえる!【PR】

最新記事