【MotoGP第3戦アルゼンチンGP】Moto2小椋藍選手、超接戦のラストラップを制し3位獲得

2022年4月3日、MotoGP第3戦アルゼンチンGPの決勝レースがアルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンドで行なわれ、Moto2クラスに参戦する唯一の日本人ライダー、小椋藍選手(イデミツ・ホンダ・チームアジア)が3位表彰台を獲得しました。

Moto2クラスに挑む小椋選手、第3戦で3位表彰台に立つ

 2022年シーズンのMotoGP第3戦アルゼンチンGPは、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年、2021年がキャンセルとなったため、3年ぶりの開催となります。このレースウイークは輸送機のトラブルによる機材到着の遅れのため、金曜日の全セッションがキャンセルとなり、土曜日に2回のフリープラクティスと予選が行なわれる変則的なスケジュールとなりました。

小椋藍選手(#79)は最終ラップにアロン・カネト選手(#40)と激しい3位争いを展開した
小椋藍選手(#79)は最終ラップにアロン・カネト選手(#40)と激しい3位争いを展開した

 Moto2クラスに参戦する唯一の日本人ライダー、小椋藍選手(イデミツ・ホンダ・チームアジア)は、予選で8番グリッドを獲得し、3列目から決勝レースをスタートしました。

 少しずつポジションを上げ、17周目にアロン・カネト選手(フレックスボックスHP40)をかわし、3番手に浮上。しかし、小椋選手とカネト選手の差は僅差。この2人の表彰台争いは、最終ラップに持ち越されることになります。

 迎えた最終ラップ、小椋選手は3番手を維持していましたが、その背後にはカネト選手がピタリとつけ、小椋選手をかわすタイミングを狙う状況でした。この日の小椋選手はハードブレーキング・ポイントで強く、しかしスピードがやや不足していました。

 カネト選手は、まず5コーナーで小椋選手のインサイドに飛び込むもオーバースピードで、小椋選手が立ち上がりで先行。しかし、その後の7コーナーでカネト選手が小椋選手をかわします。

Moto2参戦2年目の小椋選手。アルゼンチンGPで今季初の表彰台獲得となった
Moto2参戦2年目の小椋選手。アルゼンチンGPで今季初の表彰台獲得となった

 勝負を決めたのは13コーナーでした。前を走るカネト選手の背中につけていた小椋選手は、抜群のブレーキングでカネト選手の前に出るとオーバーテイク。3位でフィニッシュラインを駆け抜けました。

 3位の小椋選手と4位のカネト選手との差は、わずか0.177秒。小椋選手は最終ラップの超接戦を制して今季初の表彰台を獲得しました。また、このレースでは小椋選手のチームメイトであるソムキアット・チャントラ選手(イデミツ・ホンダ・チームアジア)が2位を獲得しており、イデミツ・ホンダ・チームアジアの2人がそろって表彰台に立っています。

 レース後、トップ3ライダーのプレスカンファレンスで小椋選手は「ずっとアロンとバトルをしていたので、大変でしたね。でも今日はブレーキングに自信があったので、最後に彼をかわして、3位でフィニッシュできました」と語りました。

チームメイトのチャントラ選手も2位表彰台獲得。チャントラ選手は前戦インドネシアGPで優勝している
チームメイトのチャントラ選手も2位表彰台獲得。チャントラ選手は前戦インドネシアGPで優勝している

 そんな小椋選手に3位を決めた最終ラップのオーバーテイクについて聞くと、「僕が強いところと、彼(カネト選手)が強いところが違っていたんです。ラストラップで彼をオーバーテイクできるのか、というのは完全に自信があったというわけじゃないんですけど、僕はブレーキングがとてもよかったし、トライしたんです。オーバーテイクできましたし、とても満足しています」と答えました。

 普段冷静さを失わない小椋選手ですが、今回はチームメイトのチャントラ選手とのダブル表彰台。レース後、チャントラ選手とそろって歓喜に沸くチームスタッフに飛び込んでいくシーンもありました。

「チームメイト、チーム全体のことを考えても、(この結果は)すごくうれしいですし、モチベーションになっています。とてもいい状態だと思いますし、この状態を維持していきたいと思います」

ダブル表彰台獲得のイデミツ・ホンダ・チームアジアは歓喜に包まれた
ダブル表彰台獲得のイデミツ・ホンダ・チームアジアは歓喜に包まれた

 第4戦アメリカズGPは、アメリカのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで4月10日に決勝レースが行なわれます。Moto2ライダー小椋藍選手のさらなる活躍に期待したいところです。

■Moto2クラスとは……

 Moto2クラスはトライアンフ「ストリートトリプルRS」の3気筒765ccエンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。2021年8月、トライアンフによるエンジン供給は2024年まで延長された。タイヤはダンロップのワンメイク。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。

【画像】2022年シーズンのMoto2クラスに参戦する唯一の日本人ライダー小椋藍選手を見る(6枚)

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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