【MotoGP第8戦イタリアGP】Moto3クラスに参戦する鈴木竜生選手がペナルティを跳ね除け3位表彰台を獲得

2022年5月29日、MotoGP第8戦イタリアGPの決勝レースがイタリアのアウトードロモ・インテルナツィオナーレ・デル・ムジェロ(ムジェロ・サーキット)で行なわれ、Moto3クラスで鈴木竜生選手(ホンダ)が3位表彰台を獲得しました。

7番手からの猛烈な追い上げ、今季初の表彰台に立つ

 2022年5月29日、MotoGP第8戦イタリアGPの決勝レースがイタリアのアウトードロモ・インテルナツィオナーレ・デル・ムジェロ(ムジェロ・サーキット)で行なわれ、Moto3クラスで鈴木竜生選手(ホンダ)が3位表彰台を獲得しました。

2022年シーズンのMoto3クラスに参戦する鈴木竜生選手(ホンダ)が、今季初の表彰台を獲得
2022年シーズンのMoto3クラスに参戦する鈴木竜生選手(ホンダ)が、今季初の表彰台を獲得

 イタリアGPでは初日から好調さを見せていた鈴木選手は予選で11番手を獲得し、4列目から決勝レースを迎えました。

 序盤に7番手付近にまでポジションを上げ、トップから3番手までの3人のライダーがトップ集団を形成し、鈴木選手はその後方の4番手を先頭とする集団で4番手争いを展開していました。その後、鈴木選手が属する集団はトップ集団に追いつき、隊列の中での混戦となります。鈴木選手はその中でも上位で表彰台争いを繰り広げます。

表彰台争いを展開するも、ペナルティにより後退。そこから猛烈な勢いで巻き返した鈴木選手(#24)
表彰台争いを展開するも、ペナルティにより後退。そこから猛烈な勢いで巻き返した鈴木選手(#24)

 しかし11周目の1コーナーでのデニス・オンジュ選手(KTM)との接触に対し、鈴木選手にロングラップ・ペナルティ(※レース中、ランオフエリアに設定されたルートを通過しなければならないペナルティ。これによってライダーはラップタイムの数秒を失う)が科されます。鈴木選手は12周目にこれを消化し、トップ集団から離れた7番手でコースに復帰することになりました。このとき、鈴木選手とトップ集団との間には1.7秒ほどの差がありました。

 そこから鈴木選手は猛烈な勢いで追い上げ、残り5周には再びトップ集団に加わります。優勝争い、表彰台争いは最終ラップまで6人のライダーによって激しく争われました。鈴木選手は混戦の中、最終コーナーで3番手を奪い、トップから0.012秒という僅差で3位フィニッシュ。今季初の表彰台を獲得しました。

2022年シーズンから新しいチームで挑み、移籍したチームで初めて獲得した表彰台でもあった
2022年シーズンから新しいチームで挑み、移籍したチームで初めて獲得した表彰台でもあった

 2020年第7戦サンマリノGP以来の表彰台獲得となった鈴木選手は、ペナルティからの表彰台獲得というレースを、パルクフェルメで次のように振り返っています。

「ダッシュボードに表示された“ロングラップ・ペナルティ”を見たとき、“うそだろ”と思いましたよ。“自分のレースは終わってしまった”ってね。でも、自分自身を信じて(トップ集団との)差を詰めていき、残り5周でトップ集団に追いつきました。ただ前のライダーを抜くことに集中し、そして3位を獲得できたんです。正直なところ、ここでは優勝したかったんですけど、でもとても嬉しいです」

イタリアGPのMoto3クラスで優勝したセルジオ・ガルシア選手(ガスガス/中央)、2位のイザン・ゲバラ選手(ガスガス/左)、3位の鈴木選手(ホンダ/右)
イタリアGPのMoto3クラスで優勝したセルジオ・ガルシア選手(ガスガス/中央)、2位のイザン・ゲバラ選手(ガスガス/左)、3位の鈴木選手(ホンダ/右)

 次戦カタルーニャGPは6月5日、スペインのバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで決勝レースが行なわれます。今季初の表彰台を獲得した鈴木選手のさらなる活躍に期待です。

■Moto3クラスとは……

 Moto3クラスは、4ストローク250cc単気筒エンジンのレーシングマシンで争われる。タイヤはダンロップのワンメイク。MotoGPクラス、Moto2クラス、Moto3クラスの中で最も年齢層が低く、Moto2クラス、MotoGPクラスへの昇格を目指す若いライダーたちがしのぎを削る。

【画像】2022年シーズンのMoto3クラスで初の表彰台!! 鈴木竜生選手を見る(6枚)

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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