スピードを出すほど効果絶大! ピナレロ最新タイムトライアルバイク登場
イタリアの自転車メーカー「PINARELLO(ピナレロ)」は、2022年ツール・ド・フランスに、ピナレロ史上最速のタイムトライアルバイク「Bolide F(ボリード・エフ)」を投入しました。
ツール・ド・フランスに実践導入!
最新テクノロジーを搭載したピナレロ社のタイムトライアルバイク「Bolide F(ボリード・エフ)」が、2022年7月1日に開幕したツール・ド・フランスでデビューを果たしました。ツール・ド・フランスは世界中のメディアが注目する世界3大スポーツのひとつで、新機材投入の場としても戦略的にニューモデルが実用されます。

このニューバイクを駆るのは2021年タイムトライアル世界チャンピオン、フィリッポ・ガンナ選手ということもあり、多くの注目を集めました。
ピナレロのタイムトライアルバイクは歴代素晴らしいパフォーマンスを導き出してきましたが、今回は最新の数値流体力学(CFD)により、新型「Bolide F」のエアロダイナミクスを大幅に改善することに成功しました。
これまでの実証済みのエアロダイナミクスに加え、CFDのシミュレーションをクラウド上でシームレスに実行することで、オンラインでどこからでもリアルタイムに複数の設計者間に共有され、エンジニアリングプロセスがよりスピーディとなり、解析速度や精度もアップし「史上最速の自転車」が誕生しました。
空力を向上させるということは、チューブの表面積を増やすことであり、それは通常、重量を増やすことを意味します。しかし数値流体力学と風洞実験に多くの時間を費やした結果、よりエアロダイナミクスに優れたバイクを設計できただけでなく、フレームキットとブレーキをあわせても170gの軽量化を実現しています。

新しいチューブ形状とカーボンレイアップパターンにより、従来の「Bolide TT」と比較して最大のパフォーマンスアップを実現し、新たな業界標準を打ち立てています。
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「Bolide F」の販売は決定していますが、価格や納期は未定とのこと。“全部盛り”のハイスペックバイクが一体どれほどの価格になるのか、興味深いところです。
Writer: 山本健一
サイクルジャーナリスト(人力バイクのほう)。ジャーナリスト歴20年、自転車競技歴25年の公私ともに自転車漬け生活を送る。新作バイクレビューアー、国内外レースイベントやショーの取材、イベントディレクターなど、活動は多岐にわたる。