16回目タイトルに王手

　トライアル世界選手権フランスGPは、南フランスのカオールで開催されRepsol Honda Teamのトニー・ボウ選手が前戦のベルギーGPに続き快勝し、今シーズン6勝目を飾りました。チームメートのガブリエル・マルセリ選手は、大接戦の表彰台争いの末に4位を獲得、表彰台までもう一歩のところまで来ています。

　フランスGPは、自然の景観を生かして、人工的に岩を配置したセクション設定となっています。トニー・ボウ選手は序盤からすばらしいライディングを披露、1ラップ目の減点はわずか6点とし、終始試合をリードします。

　2ラップ目の第3セクションでトニー・ボウ選手は減点5点を喫しますが、それ以後は最終12セクションまで9セクション連続でクリーンをたたき出し続けて、1ラップ目と同じく原点6点で2ラップ目を終了。2位のTRRSのアダム・ラガ選手に倍以上の差をつけて圧勝しています。

　今回の勝利でトニー・ボウ選手の選手権ポイントは154ポイントとなり、ランキング2位のVertigo Teamのハメイ・ブスト選手を36ポイント引き離しています。

■Repsol Honda Teamトニー・ボウ選手

　今日は序盤から、とてもいいスタートが切れました。マシンの調子もすばらしく、その好調を最後まできっちり維持できました。今回はミスの少ない戦いとなりましたが、それでもミスはありました。難しいところ、ミスをしやすいところは気をつけなければいけませんでした。今日、一番大きな失敗は、複雑な第3セクションでした。しかし全体としては、私たちは完全な試合できたと思っています。減点もわずか12点で、とても満足いくものでした。チャンピオンシップの行方を占う意味では、今回の勝利はとても重要なものとなりました。

　次のイタリアでは、とにかく体調をしっかり維持していくことと、マシンにも気を配らなければいけません。その上で、いつも通りのレース運びに勤める必要があります。そうして新たなタイトルを手にしたら、さらに次のタイトルを目指す戦いが始まるのです。

■Repsol Honda Teamガブリエル・マルセリ選手

　シーズンが進んで、フィーリングはどんどんよくなっています。その進化にわくわくさせられます。どん底で始まり最悪で終わるより、よい感覚で高いレベルでシーズンを終えられたほうがすばらしいのは当然です。なので、今の私たちはハッピーな雰囲気でレースを戦えています。

　今日のトライアルは、ほんとうにうまくいきました。いくつか失敗もありましたが、その失敗が結果に大きな影響を与えることになりました。4位になったのは、その失敗ゆえだったと思います。失敗がなければ2位か3位でした。チャンピオンシップのランキングをあげる上でも、今回の4位は上出来だったのですが、しかしそれでもやはり、表彰台が目前だったので、そこは悔しいところです。

■Repsol Honda Team藤浪貴久監督

　カオールのセクションスタイルは、ボウのライディングスタイルにとてもあっているのは明らかでした。そして実際、ボウはその真価を遺憾なく発揮して、2位に13点もの減点差をつけました。新たなタイトル獲得まで、あと4ポイントでした。次の最終戦、イタリアではよい週末になるように、まずは初日にタイトルを獲得したいと思っています。

　マルセリについては、今回も表彰台目前の4位でした。マルセリのライディングはとてもよいものでした。彼自身とチームの仕事に、どんどん自信を感じてきているようです。マルセリの初表彰台と、新しい顔ぶれでチームの2人が表彰台に並ぶ日は、もうすぐそこまで迫っています。

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　トライアル世界選手権は次のイタリアGPで最終戦を迎え、トニー・ボウ選手が大会初日に16回目のタイトルを獲得するのはほぼ確実です。