台風などの自然災害からバイクを守るために

　今年も多数の台風が発生し、全国的に大きな被害をもたらしました。九州地方全域で約12万戸が停電したり、宮崎県や高知県では作付けの始まっている農作物の畑が浸水。熊本県では、床下・床上浸水したりと、住宅被害もありました。

　台風の発生は例年8月や9月が多く、気象庁によると2021年は合計22件の台風が発生。もっとも多く発生したのは、8月・9月・10月で、それぞれ4件ずつの台風が見られました。2022年は18件の台風が発生しており、その内訳は4月に2件、6月に1件、7月に3件、8月に5件、9月に7件となっています。

　そんな台風発生時には強い雨風や飛来物などにより、バイクに損害が生じることもあります。大切な愛車を守る為には、どのような保管方法をとるのが良いのでしょうか。

　当然ながら、もっとも理想的なのが屋内にバイクを避難させることです。自宅ガレージや立体駐車場など、近隣の屋内に避難させられる場所があるなら、あらかじめ移動させておくのが良いでしょう。近隣にそうした駐車場所がなく、バイクを屋内に避難させることが難しい場合には、バイクの駐車方法や駐車場所を工夫するのがオススメ。台風で舞った落ち葉やゴミなどがバイクに付着することを懸念して、バイクにカバーをかける人も多いでしょう。

　一方で、カバーをかけることでバイクに対する空気抵抗が大きくなり、バイクが転倒するリスクも大きくなってしまいます。そのため、強風が予想される場合には、あえてカバーをかけずにバイクを停めておくのもひとつの手。ゴムやロープ、「ブレーキキーパー」といったアイテムを活用し、ブレーキレバーをハンドルに固定しておくのも重要です。ブレーキをかけた状態で駐車をしておくと、タイヤが動くことを防ぎ、比較的バイクが転倒し辛くなります。

　なお、バイクには、「サイドスタンド」と「センタースタンド」がありますが、台風などの際には、サイドスタンドを利用するようにしましょう。センタースタンドで駐車すると後輪が宙に浮いた状態となり、地面とバイクの接地面が小さくなります。そうなると駐車した際の安定感が減少するので、風圧でバイクが倒れやすくなってしまいます。

　しかし、大型バイクやビッグスクーターなど、車体重量の重いモデルの場合、一点でバイクを支えるサイドスタンドでは、風圧に耐えられず地面にめり込んでしまったり、スタンドが滑ってバイクが転倒してしまうこともあります。そうした危険性を減らすためにも、スタンドの下にあらかじめスタンドプレートを敷いておくのも効果的。スタンドプレートは、バイク用品店で購入することができる上に、スタンドの下に敷いておくだけなので誰でも気軽に利用することが可能です。

　さらに、バイクの転倒のリスクを減らすには、駐車場所選びも重要。台風の際には、強風による転倒はもちろん、飛来物がバイクにぶつかって転倒する可能性もあります。そのため、強い衝撃に備えて、できるだけ壁に寄せる、もしくは壁につけた状態で駐車しておくようにしましょう。あらかじめ壁に寄せておくことで転倒を防止できる上に、バイクが倒れたことで周囲のものが破損する危険性も回避できます。

　また、近くに頑丈な柵や支柱がある場合には、バイクと柵および支柱をロープなどで結びつけておくのもオススメ。その際には、必ずスタンド側に柵や支柱がくるように配慮しましょう。スタンドと逆側にロープを張ると、強風や飛来物で衝撃が加わった際に、そのままそちら側へバイクが倒れる可能性が高まります。スタンドがないとバイクを安全に支えることはできないので、あくまでもスタンドと合わせた対策としておこなうようにしましょう。

　バイクを駐車する際には、できるだけ空気抵抗を低減させられるように、風向きに対してバイクを縦置きするのも有効的です。ただ、台風の場合は、台風の目が通過した後は風向きが変わってしまうのが一般的なため、なかなか風向きを読むことが難しいかもしれません。予測できる範囲で、可能な限りの対策をおこなうようにしてください。