大排気量アドベンチャーバイク乗りがオフロードを目指す理由とは? 『Tourist OFF-ROADER Games 2026』開催
大排気量のアドベンチャーバイクのオーナーを対象に、マシンの魅力を引き出し、ライダーのスキルを競い合う2日間のイベント「ツーリスト・オフローダー・ゲームス」が開催されました。どのような内容なのでしょうか。
アドベンチャーバイクの魅力を楽しむ2日間
「ツーリスト・オフローダー・ゲームス」というイベントがあります。参加できるバイクは、排気量420cc以上の単気筒、もしくは2気筒以上のエンジンを搭載するアドベンチャーバイクで、ツーリングセクションとオフロードコースを利用したスペシャルステージを走り、スキルを競う2日間のイベントです。
開催は2026年で3年目。会場となったのは群馬県の長野原町にある浅間火山レース跡地でのスペシャルステージ(時間計測競技区間)と、その周辺の一般道をツーリングするセクションを合わせています。
10月10日、11日の会期は、8月、9月と週末ごとに雨が降る今年の流れを断ち切るような快晴に恵まれました。北海道、九州、中国、四国、関東甲信越、近畿から集まった40名を超えるアドベンチャーバイクのエンスージアスト達は、30歳代から60歳代まで、女性ライダーも4名がエントリーしました。

イベントスケジュールに合わせて受付、車両検査を終え、浅間火山レース跡地に移動。そこに設定されたスペシャルステージに挑みます。まずはステージのコース説明を受け、徒歩でコースをチェック。路面状況やルートの確認をします。
スペシャルステージにはいくつかのタイプが用意されました。スタートからフィニッシュまでスピードを競うものや、指定されたコースを指示された時間で走破するもの、ジムカーナのように指定されたルートを記憶して走行するもの、コース内で足付きをするとペナルティータイムが加算されるタイプのバランス走行など、2日間でタイプの異なる7つのステージを走行し、合計でタイムを競います。
また、競技区間だけではなく長野原町を中心に設定された70kmから130kmのツーリングルートを走行し、秋の山々と清々しい高原の道を楽しむ時間も組み込まれ、参加者は緊張と弛緩、その両方を楽しめるよう設定されています。
ポイントは、アドベンチャーバイクを使ってオフロードを走行する、未舗装路を楽しむことです。
多くの参加者は過去にオフロード走行の経験を持つほか、免許を取得後、アドベンチャーバイクを使い始めてから初めてオフロード体験をしたユーザーもいます。
参加車両の割合を見ると、最多はBMWモトラッドの「GS」シリーズです。中でも重量級の「R 1300 GS」系が多く、「F 900 GS」、「R12 G/S」がそれに続きます。
それにハーレーダビッドソンの「パンアメリカ」、KTMの「890アドベンチャーR」などが続き、国内ブランドではホンダの「CRF1100アフリカツイン」は、むしろ少数派となっています。

通常、オフロードを走ると言えば250ccクラスのモデルが普通だ、という感覚を持つライダーが大多数でしょう。
しかしここ10年ほどで、250ccクラスのモデル供給は充実しているとは言えず、免許制度で大型自動二輪を取得する層の多くが大排気量を体験済み。それによってアドベンチャーバイクでも大型モデルに親和性がある、と見るのが今の状況を理解する上で重要かもしれません。
大排気量のアドベンチャーバイクは、市街地から高速道路を使った遠地へのツーリングでも快適で、ワインディングをも得意とする万能性を持つモデルがほとんどです。それでいてオフロード走行性能もしっかり担保されているのがトレンドです。
所有するバイクの性能を楽しみたい、そんな層がジワジワと増加しているのが、こうしたイベントが正立する所以でしょう。ツーリング×スキルへの挑戦。そんなゲーム性をも楽しめるバイクがあるからこそです。
成績順でランキングされるのも緊張感ある遊びとなるのですが、一番は参加者全体がひとつのコミュニティとして遊びの輪を日本各地に戻ってからも共有できること。それもアドベンチャーバイクユーザー達が生み出している新たなカルチャーなのかもしれません。
なお、今年の勝者は「R12 G/S」で参加した杉本毅さんです。「R 1300 GS」で前日まで1位だった中村健次さんを僅差で逆転し、優勝を獲得しました。
レースのように速いが勝ちでもない頭脳戦の一面もあり、それがイベント名の「ゲームス」に現れているのでしょう。
Writer: 松井勉
モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。


















