ホンダ「CBR600RR」はスーパースポーツトップレベルの乗りやすさ!? レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション
レーシングライダーの石塚健選手が、ホンダ「CBR600RR」に試乗。そのインプレッションです。
ホンダのイメージそのままのバイク
皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。
2020年9月25日に発売された、ホンダ「CBR600RR」。ワールドスーパースポーツやアジアロードレース選手権SS600クラス、そして全日本ロードレース選手権ST600クラスなど、各国のサーキットで活躍するCBR600RRですが、その最新版を公道で試乗してきたので、僕目線でインプレッションしていきたいと思います。

新型CBR600RRに乗るのは、今回で2回目。今年の初めの方に、モビリティリゾートもてぎでの走行会で試乗する機会があり、サーキット走行が初乗りでした。今回は公道という事で、どんな違いがあるのか楽しみです。
そんなCBR600RRの開発コンセプトは至ってシンプルで、目的はアジアロードレース選手権で勝つ為。2016年以来不在となっていたミドルクラスのスーパースポーツを、ホンダが本気で開発したという、サーキット最速を目標とする1台です。

エンジンとフレームの基本設計は2007年から変わっておらず、どこに手が加えられたのかと言うと、ピストンやクランク、カムシャフトや電子制御等、見た目では分からない性能に関する部分が大半。従来モデルと明らかに見た目で違うのは、シャープでスッキリとしたカウル(外装)と、そこに一体となって設けられたウイングレットです。
ウイングが付いているだけで雰囲気がガラッと変わり、より戦闘的でかっこいいスタイルとなっています。

それではまず、足つきから見ていきましょう。
シート高820mmの車体に対し、身長165㎝の僕が跨ると両足のかかとが若干地面から浮いてしまいますが、片足をステップに乗せれば安定感が得られ、問題なく支えることができました。車体がコンパクトなので、走りも取り回しも楽々です。
走ってみてのファーストインプレッションは、様々な面でとてもホンダらしいバイクだなという感じ。ホンダのバイクは、乗りやすい=速く走らせる事ができるというイメージが個人的に強いのですが、まさしくそんな印象です。
ライディングポジションは、ガチガチのレース仕様というほどは傾いてはおらず、思ったほど前傾になることはありません。ハンドルとの距離もスーパースポーツモデルの中では比較的近く、楽な姿勢で乗ることができました。

これまでも、様々なスーパースポーツバイクに試乗させてもらいましたが、その中でもトップレベルに扱いやすいバイクだと思います。エンジンがバイクの重心に近い位置にあり、フューエルタンクもわりと下の方にマウントされているなど、マスの集中化を実現。それによって、ライダーの走行感覚とマシンの動きに一体感を生まれ、カーブなどがとても軽く感じます。
ヒラヒラと動き、レスポンス良く動いてくれる1台。そのフィーリングは、サーキットでも公道でも大きな差はありません。

それから、CBR600RRの特徴であるセンターアップのマフラーは、高回転で共鳴する咆哮のようなサウンドで、ノーマルでもかなりいい音がする点も気に入ったポイント。
レースで勝つために作られたとは思えないほど、公道でもかなり乗りやすいバイクに仕上げられていました。
CBR600RRの価格(消費税込)は160万6000円。ライディングにそこまで自信がない人や、初心者だけどスーパースポーツに乗ってみたいという人には是非オススメしたい1台です。
今日は横浜で、TONE RT SYNCEDGE4413 BMWのボルドール24時間耐久参戦報告&シーズンエンドパーティー🥳🍸
一年間お疲れ様でした!
応援ありがとうございました!! pic.twitter.com/13ynYLw0dm— 石塚 健 / Takeshi Ishizuka (@Takeshi_722) December 9, 2022
Writer: 石塚健
(レーシングライダー)埼玉県出身の26歳。3歳からポケットバイクに乗り始め、ロードレースというオートバイ競技に参戦。現在はその世界選手権である「MotoGP」を目指して日々、活動中。
2019年から、ヨーロッパでおこなわれる「FIM CEV REPSOL Moto2ヨーロピアンチャンピオンシップ」への挑戦を開始。2022年は、「全日本ロードレース選手権」のST1000クラスをメインに、「世界耐久選手権」、「FIM CEVREPSOL Moto2ヨーロピアンチャンピオンシップ」にも参戦します。スポンサー募集中!応援よろしくお願いします。