シンプルがモットー!ロイヤルエンフィールドのモノづくりとは!?〜小野木里奈の○○○○○日和〜

『小野木里奈の○○○○○日和』は、30周年を迎えたYOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2022に初潜入しました。初出展したロイヤルエンフィールドのデザイナーさんにお話をお聞きしました。

美しいカスタムバイクの世界

 皆さん、こんにちは!バイク好き女優の小野木里奈です。先日開催された『YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2022 (以下、HCS)』へ初めて参加しました。前回に引き続き、今日はこのイベントレポート後編でございます!

『YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW』に初出展したロイヤルエンフィールド
『YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW』に初出展したロイヤルエンフィールド

「ベスト・オブ・ショー・モーターサイクル」に選ばれたカスタムバイクや、今年HCSへ初出展したロイヤルエンフィールドのブースにも注目してみました。それでは、いってみましょう!

 HCSでは、この会場に並ぶ数多くのカスタム車両の中から投票という形で総合的に評価され、ベスト・オブ・モーターサイクルが選ばれます。この二輪部門に選ばれたカスタムバイクを手がけたショップが『CUSTOM WORKS ZON (カスタムワークスゾン)』です。

「BEST OF SHOW MOTORCYCLE」を獲得した「CUSTOM WORKS ZON」
「BEST OF SHOW MOTORCYCLE」を獲得した「CUSTOM WORKS ZON」

 実際に車両を見ると、ギラギラと存在感のあるアルミの素材に目が惹かれてしまいます。カスタムバイク初心者の私にとっては、アルミ素材が多く使われていることももちろんですが、車両のフォルムや細かい部分まで何から何まで見たことのないデザインのバイクです。嬉しいことに、HCSではバイクをとても近くで見ることができます。

 デザインをまじまじと眺めてみましょう。私が驚いたのはタンク、ハンドル、エンジンとシート周りのフレームなど全てアルミで作られているだけでなく、ボディ表面に彫ってデザインしているアートです。遠くから見ると、塗装なのかな?と思いきや全て丁寧に彫られていました。

タンクやエンジンの部品の一つ一つまで繊細に彫刻されている
タンクやエンジンの部品の一つ一つまで繊細に彫刻されている

 タンクやエンジンの周りにある細かい部品の一つ一つまで、もの繊細に彫刻されています。足元も少し下から覗くようにしないと見えない部品の表面にも彫られていて、どの角度から見ても格好良い仕上がりになっています。この一つ一つを彫ってデザインするだけでもどれくらいの時間がかかるんだろう、と考えただけで鳥肌が立ってしまいました。

 車両の後ろ姿も素敵で、サイドから見た時に想像していたよりも車体とホイールがスリムです。見る角度を変えただけでこんなにギャップがあるのも面白い。シートの黒い革が滑らかにうねり後方に向かっています。テールランプは宝石のような形をしていて、細かい部品も探せば探すほどデザインのこだわりに圧倒されてしまいます。

細かい装飾に目が奪われてしまいます
細かい装飾に目が奪われてしまいます

 ギラギラとしたアルミの素材感は、サイドで見た時はずっしりとした佇まいを感じる印象でしたが、前と後ろから見るとスタイリッシュでミニマムな印象も与えているように思います。豪華さとシンプルさの二面性のあるバイクだなぁと個人的に感じました。実際にこのバイクが街中で走っている姿もいつか見てみたいですよね!

初出展のロイヤルエンフィールドは3台のカスタムバイクを展示

 さて、続いては、HCSへ初出展をしたロイヤルエンフィールドのブースへ。ロイヤルエンフィールドは、元々はイギリスのブランドで世界最古のモーターサイクルブランドと言われています。現在は拠点をイギリスからインドへ移しているブランドです。

台湾のRough Craftが制作した「ミダスロイヤル」とデザイナーのウィンストン・イェーさんと記念撮影
台湾のRough Craftが制作した「ミダスロイヤル」とデザイナーのウィンストン・イェーさんと記念撮影

 今回は、ロイヤルエンフィールドの『コンチネンタルGT650』のノーマル車とカスタムバイク3台が展示されていました。実は、私がひそかに乗ってみたいと思っていたのが、『コンチネンタルGT650』だったのです。そして、なんとカラーも私が一番推していた「Mister Clean」ではありませんか!

 きらりと輝くタンクにデザインされているロイヤルエンフィールドのロゴがすごく可愛い。ホームページやSNSでずっと写真を見て憧れていたので、まさかノーマル車だけでなくコンチネンタルGT650のカスタムしたバイクも同時に見ることができるだなんて思ってもいませんでした。

ロイヤルエンフィールドのデザイナーであるエイドリアンさんにお話をお伺いしました
ロイヤルエンフィールドのデザイナーであるエイドリアンさんにお話をお伺いしました

 カスタム車両について早速、ロイヤルエンフィールドのデザイナーであるエイドリアンさんにお話をお伺いしました。

私:ロイヤルエンフィールドのバイクをデザインする上で一番大切にしていることはなんですか?

エイドリアンさん:外観のデザインだけでなく設定なども含めてですが、あんまり複雑にしすぎないことです。とにかく、パッと見てわかりやすいこと。乗った時にどうやって操作したらいいかわからない、ではなく誰が乗っても、こうやって操作すれば良いんだな、とわかっていただけるように心がけています。また、乗った時もシンプルで楽しく感じていただけるように作っています。

ロイヤルエンフィールドのデザインはシンプルさが重要
ロイヤルエンフィールドのデザインはシンプルさが重要

私:なるほど~!シンプルさを大切にしているんですね。

エイドリアンさん:会社のモットーに“ピュアモーターサイクル”という言葉があります。つまり、“バイクに乗ることは楽しい”ということをより多くの方に理解していただくことをブランドの目標に掲げています。その思いの元で製品としても表現していくようにしています。

私:シンプルさというと、デザインのわかりやすさや乗りやすさももちろんですが、カスタムもしやすくすることにも関係しているのでしょうか。

エイドリアンさん:そうといえますね。やはりシンプルなベースなものを提供することで、カスタムもやりやすくなるという面もあります。実際に、今展示されているカスタムバイクを作ったビルダーさんからも、ロイヤルエンフィールドのバイクは構成がシンプルなのでカスタムもしやすいと言っていただきました。

コンチネンタルGT650のカラーバリエーションは豊富
コンチネンタルGT650のカラーバリエーションは豊富

私:コンチネンタルGT650のカラーバリエーションは豊富ですが、ホームページでチェックした時に車両全体のカラーでなくタンクの色を選ぶというのも印象的でした。

エイドリアンさん:そうなんです。タンクの色を変えるだけでもものすごく雰囲気が変わりますよね。例えば、バイクの雰囲気を変えたいなと思えば、比較的気軽に変えることができるものがあればいいなと思ったんです。

ハリス・パフォーマンスが開発、 2020 年からアメリカのフラットトラック選手権AFTのプロダクションツインクラスに参戦し、通算2勝を挙げているツインズFT by ロイヤルエンフィールド
ハリス・パフォーマンスが開発、 2020 年からアメリカのフラットトラック選手権AFTのプロダクションツインクラスに参戦し、通算2勝を挙げているツインズFT by ロイヤルエンフィールド

私:シンプルさがモットーゆえに、タンクのみのバリエーションなんだなぁとも感じました。最後に、日本ではロイヤルエンフィールドのバイクをどんな方に乗っていただきたいですか?

エイドリアンさん:バイクを見た時に、“これは私が乗るべきだ!”と思っていただける方に乗っていただきたいです。人との出会いでもビビッと直感して長く良いお付き合いができることもありますよね。そういう出会いと同じなのかなと僕は思います。とにかく、複雑なことは何もなく、パッと乗ってバイクに乗ることを楽しんでいただける方にロイヤルエンフィールドのバイクを乗っていただきたいです。

私:そんなお話を聞いていると、ますます乗りたくなってしまいます! 私もいつかこの『コンチネンタルGT650』を乗ってみたいです。エイドリアンさん、貴重なお時間ありがとうございました!

エイドリアンさんにロイヤルエンフィールドの楽しさをたっぷりとお聞きしました
エイドリアンさんにロイヤルエンフィールドの楽しさをたっぷりとお聞きしました

 私は、バイクのライターのお仕事をさせていただいてから、バイクというものは知れば知るほど深い乗り物ですし、「とても複雑なもの」というイメージがどんどん濃くなっています。

 HCSに初めて来て、余計な細かいことを考えず自分の感性で素直に「このバイク格好良い!」という思いでいつの間にか鑑賞していました。それについては、エイドリアンさんが話していたピュアモーターサイクルの精神にも通ずるものを感じます。

HCSには、絵画などのアート作品や実際にペイントする姿も見ることができます
HCSには、絵画などのアート作品や実際にペイントする姿も見ることができます

 HCSには、絵画などのアート作品も展示していましたが、まさに私にとってバイクもアート作品のようで、美術館に来た時と同じ感覚で楽しんでいました。むしろ、カスタムの知識や歴史を知らない方でも、「素材とか部品とかよくわからないけど、なんかこのバイクはすごく迫力があって格好良い!」など、そんな気持ちでバイクに憧れを持てると思いましたし、シンプルにバイクを見て楽しめることは素敵なことではないでしょうか。

 来年のHCSでも、世界に1台しかないカスタムバイクをたくさん見たいなと思います。それでは、来週の月曜日にまたお会いしましょう!

小野木 里奈 Rina Onogi

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Writer: 小野木里奈

女優。両親の影響で幼い頃にはバイクに憧れを持ち、23歳で大型バイクの免許を取得。いつか自分もお気に入りのバイクを見つけて、友達とツーリングに行くのが夢。初心者の立場で感じたことを素直に発信する。

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