イタリアのレーシングブランド「COLNAGO(コルナゴ)」の最新モデル「V4Rs」はココがヤバい!?
世界のロードレースシーンに欠かすことができないイタリアのレーシングブランド「COLNAGO(コルナゴ)」は、勝つためのバイクとして進化を遂げた最新モデル「V4Rs」を作り上げました。
独自の開発理論で、さらに進化を遂げる
2020年と2021年のツール・ド・フランスを圧倒的な力で連覇した、現在世界最高のライダーの1人と言えるタディ・ポガチャル選手の目覚ましい活躍を支えるのが、イタリアのレーシングブランド「COLNAGO(コルナゴ)」です。そしてこの名選手のライドクオリティをさらに高めるべく登場したのが、「V」シリーズ最新の第4世代「V4Rs」です。

「V4Rs」は、あらゆる地形で優れた性能を発揮する史上最速のモノコックフレームです。プロトタイプの段階から、UAEチーム・エミレーツ(ポガチャルの所属チーム)と協力し、数多くの風洞テストや実地テスト、そして実際のレースでもテストが行われ開発されました。
ポガチャル選手をはじめとする、世界で最も要求の厳しいトップライダーたちからのフィードバックを得て、「エアロダイナミクス」、「軽量性」、「動的剛性」、「ジオメトリ」、「堅牢性と信頼性」という5つの領域で進化を遂げています。
車体はひとつの総合的なシステムとして設計されました。その目的は、レースに備えた完全なロードバイクを作ることにあります。
優れたエアロダイナミクスを実現したフレームデザインによって、クランクの回転数90rpmで時速50kmの走行をした場合、前世代モデルの「V3Rs Disc」と比較して、なんと27.7Wを低減しています。
軽さにおいては、軽量に仕上げた前世代を超えるのは困難な課題だったと言いますが、パーツを含めたトータルで47gの軽量化を実現しています。

動的剛性は、コルナゴが新たに導入した概念です。実験室などの静的な測定と、実際のサイクリング時の動的な測定を組み合わせた剛性測定です。コルナゴの研究開発部門による新しいテスト理論によって、レースで直面するあらゆる状況に対して、剛性と快適性のバランスが取れたフレームに仕上がりました。
フレームのジオメトリーも、プロ選手からのフィードバックをもとに再設計されています。とくにリーチとスタックハイトが見直されており、全てのサイズでバランス良くパフォーマンスが発揮できるように調整されています。
軽量化と高強度化は相反するものですが、「V4Rs」ではレース中に衝撃を受けやすいパーツの耐衝撃性も向上しています。

また、「V4Rs」が完成するまでにはUAEチーム・エミレーツと共に多くの段階を経て、昨シーズンのレースでは「Colnago Prototipo」と名付けられたフレームが、さまざまなレイアップ(特定の層のカーボンファイバーの重ね合わせ)で実際に使用され、品質と堅牢さを高めています。
一見奇抜なデザインではないものの、死角が見当たらないスペックです。2023年も引き続き、タディ・ポガチャル選手の活躍が期待できるでしょう。

コルナゴ「V4Rs」のカラーバリエーションは、UAEチーム・エミレーツ、UAEチーム・ADQそれぞれのチームカラーに加え、ブラック、レッド、ホワイトを基調としたカラーの全5色、サイズ展開は6種類です。価格(消費税10%込み)は、それぞれ次の通りです。
・フレームセット/89万1000円
・「チームエディション」シマノDURA ACE Di2 完成車(ホイール ENVE SES 3.4)/220万円
・シマノDURA ACE Di2 完成車(ホイール FULCRUM WIND 400 DB)/176万円
・シマノULTEGRA Di2 完成車(ホイール FULCRUM WIND 400 DB)/148万5000円
Writer: 山本健一
サイクルジャーナリスト(人力バイクのほう)。ジャーナリスト歴20年、自転車競技歴25年の公私ともに自転車漬け生活を送る。新作バイクレビューアー、国内外レースイベントやショーの取材、イベントディレクターなど、活動は多岐にわたる。