雪道を自転車で走るのは危険!! 気をつけたい路面状況とは

自転車で通い慣れたいつもの道路に雪が積もってしまった場合、自転車に乗ることは危険でしかありません。そんな状況ではどのようなことに注意すべきなのか、いくつかのポイントを紹介します。

自転車の雪道対策はあるのか?

 冬は自転車に乗るには厳しい季節です。身を切るような寒さに耐えて走り出せば、いくらか体は暖まりますが、それでも心が挫けそうになると思います。さらに雪が降れば最悪。積もってしまった日は自転車に乗ることを避けた方が賢明ですが、それでも通勤や通学、子供の送り迎えでどうしても自転車に乗らなければいけないタイミングもあると思います。

雪が積もった道路や凍結した路面を自転車で走ることは危険でしかない
雪が積もった道路や凍結した路面を自転車で走ることは危険でしかない

 まず大前提として、雪が積もった道を自転車で走行することはオススメできません。ある程度のリスクを知った上で、アクティビティとして専用のフィールドでマウンテンバイク(MTB)などで遊ぶには楽しいと思いますが、雪が積もったいつもの道を走る際の転倒や事故の危険性は、通常時の何倍も高くなります。よほどの必要がない限り自転車の使用は諦め、ほかの交通手段を考えるべきでしょう。

 それでも自転車に乗る場合、まずは雪のない場所を選んで走ることが重要になります。積もったばかりの新雪の上などはある程度タイヤのグリップが利くので、抵抗はあるものの意外と安定して走ることができます。しかし、新雪が車輪に付着してブレーキの利きが著しく低下する原因になり、自分の重さで踏み固めた雪にタイヤを取られる可能性もあるので、油断はできません。

 うっすら白くなっている道路も、一度雪が溶けて凍結した「アイスバーン」の状態になっている可能性があるので、雪が少ないからと気を許す訳にはいきません。「アイスバーン」は雪とは違って硬く凍った氷なので、驚くほどよく滑ります。普通に歩いていてもツルツルと足を取られるのですから、自転車のように接地面が少ない乗り物は一発でアウトです。

 それらを避けて黒い路面を見つけたとしても、油断してはいけません。路面が「ブラックアイスバーン」になっている可能性があります。普通のアイスバーンよりも薄い氷が張っているので、一見すると路面が露出しているように見えますが、しっかり凍っているのでバッチリ滑ります。

一度は溶けた雪が凍結した「アイスバーン」や「ブラックアイスバーン」は、確実に滑る
一度は溶けた雪が凍結した「アイスバーン」や「ブラックアイスバーン」は、確実に滑る

 つまり、雪が積もった&積もった後の道路は、どこも油断ができません。もし進む先が雪やアイスバーンで覆われていたら、自転車に乗るのは諦めて押し歩きすることが賢明です。

 そんな状況での対策としては、まずはスピードを落とすことです。普段の半分以下のスピードであれば、万が一転倒したとしても大ケガに繋がる可能性が減ります。また、サドルを下げて足が地面に届く状態にして、タイヤが滑ったらいつでも両足で立てるように構えておくことも有効でしょう。

 雪道でバランスを崩し、慌てて自転車を支えようとすれば今度は自分の足が滑り、そのまま自転車ごと倒れて思わぬけがをすることもあります。その場合は、自転車は放り出して自分の身の安全を確保しましょう。自転車は修理できますが、身体のケガは心身ともにダメージが大きいため、自分が最優先です。

 ブレーキのかけ方もひと工夫した方がいいかもしれません。自転車のスピードを細かくコントロールし、停車させるには前輪ブレーキの方が有効ですが、それだと雪道ではスリップしやすくなるため、逆に後輪ブレーキをメインに使い、前へ進もうとする勢いをじわじわと抑えながら止めるようにした方が、転倒のリスクを下げることができます。

 雪道にはさまざまな危険性が潜んでいますが、さらに気をつけたいのは、ほかのクルマやバイク、自転車、そして歩行者といった、道路を利用する全ての人への配慮です。いくら自分が気をつけていても、前を進む人が突然転倒するかもしれませんし、スリップした車両が突っ込んでくるかもしれません。

 雪道に安心はありません。結局のところ、一番の雪道対策は自転車に乗らない事です。

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