峠道ツーリングで気をつけるべきこととは
ライダーなら峠道ツーリングをしたいという方も多いのではないでしょうか。しかし、峠道ツーリングには注意しなければならないこともあります。では、注意したい点として、どういったものが挙げられるのでしょうか。
峠道はバイクを楽しく運転できる!けれど注意することも多い道
ツーリングは、バイクの醍醐味のひとつともいえますが、一言でツーリングといっても、その種類は数多くあります。代表的なものとしては、複数の仲間たちとバイクを走らせるグループツーリング、キャンプ場で泊まるキャンプツーリングなどが挙げられます。

また、「ワインディング」とも呼ばれるカーブが連続する道を選んで走る、峠道ツーリングは、ライダーの中でも人気が高いツーリングです。
あえてカーブの多い道を選ぶため、右へ左へと車体をバンクさせて走らせることができます。加えて、峠道がある場所は山間部が多いことから、途中に絶景スポットやご当地の名物レストランがある場合もあり、旅行気分を味わえるのも魅力といえるでしょう。
では、峠道ツーリングで気をつけるべき点として、どのようなことが挙げられるのでしょうか。
まず、カーブが多いということは、見通しが効かない道を選んで走るということです。曲がった先が見通せないカーブでは、反対側の道が確認できないため、より注意が必要になるでしょう。

ちなみに、先の状態がわからないカーブを「ブラインドコーナー」と呼ぶこともあります。ブラインドコーナーに侵入する際は、スピードだけでなく対向車や道路の状態にも気を使わないと非常に危険です。
また、こちらがスピードを出し過ぎている状態でブラインドコーナーに進入すると、曲がり切れずに対向車線に飛び出してしまう場合があります。当然、対向車が来ていたら正面衝突事故に発展するでしょう。
次に、カーブを曲がった先の道路に落ち葉や石、砂などが散乱していて、車体を傾けながら走り抜けるにはバランスを維持しにくい場合もあります。バンクさせる最中に砂や落ち葉があると、タイヤのグリップが不安定になり、転倒してしまうのは珍しくありません。

一般的に、カーブではバイクのライン取りが重要といわれています。「アウト・イン・アウト」で運転すれば、カーブを曲がれると聞いたことがあるかもしれません。しかし、峠道を走る場合は、車線のギリギリを走る「アウト・イン・アウト」ではなく、無理をせずにカーブを走り抜けられるようなライン取りをしたほうが安全です。
具体的には、自分の走っている車線の中央部分を走るようにライン取りをします。もちろん、車線の中央部分を走るときは、カーブの手前でスピードを十分に落とさないと曲がれません。しかし、スピードを出した状態でブラインドコーナーを曲がろうとすると、対向車の動きや路面の状態も考慮しないと、接触、または転倒事故を起こす可能性が高まります。

加えて、冬など寒い時期は、気温が高い日であってもトンネルの出入り口や日陰に霜が降りていたり、路面が凍り付いていたりする場合があります。したがって、寒い時期に峠道ツーリングをする際には、道路の凍結に十分な注意を払う必要があるというわけです。
また、前述したように、峠道は見通しが悪い場合が大半です。そのため、カーブの手前でしっかりとスピードを落とすことが、事故や転倒への基本的な対策になるでしょう。
その他にも、注意しておきたい点がいくつか挙げられます。例えば、山間部にある峠道は天気が急に変わる場合が多いため、天候に合わせて無理をせずに引き返す癖もつけておくと、霧や雨を避けやすくなります。

また、事前に現地の路面温度や気温を、Webサイトやアプリで調べておくのも対策として有効です。峠道で突然横風を受けて車体がグラつく場合があるため、調べる際には気温だけでなく、風速にも気を配っておくと良いでしょう。
最後は、自身のライディングテクニックを過信しないことです。バイクの運転に自信があり、慣れている峠道であっても、道路の状況はその日ごとに異なります。決して自身のライディングテクニックを過信せず、十分な注意を払いながら、峠道を走るように心がけることが大切です。
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峠道ツーリングは、バイクを右へ左へとバンクさせて走ることができるツーリングです。バイクの楽しさを実感しやすいものの、ワインディングなどの曲がり道が多いため、反対車線の見通しが悪いことに加えて天候の変化が起きやすいため、普通の道よりも注意点が多いです。
峠道ツーリングを十分に楽しめるように、事前に道の状態や天候、気温などをチェックしておきましょう。