雪が降る中バイクが走る場所も…!雪国の道路は何か工夫されているのか?
雪が積もった道路や雪が降っている中、バイクに乗るという人は少ないでしょう。しかし、東北地方や北陸などの雪国では、雪などの悪天候時でもバイクが走行している姿を見かけることも少なくありません。では、雪国の道路やバイクは、安全に走行するために何か工夫がなされているの でしょうか。
雪国の道路って、何か工夫されている?
雪国での道路の積雪対策は、どこでも除雪車による除雪がおこなわれるのが一般的です。では、新潟県や北海道などの豪雪地帯では、雪道でも快適に走行できるように何か工夫されているのでしょうか。

実は豪雪地帯では、雪国ならではのアイデアで道路にさまざまな工夫がされています。
例えば、降雪量が多く、除雪が追いつかないほどの豪雪地帯の道路に整備されているのが「消雪パイプ」です。道路の中央からスプリンクラーのように水が噴き出して道路の雪を溶かしていきます。

消雪パイプに使われるのは水道水ではなく、ポンプでくみ上げられた地下水。なぜ地下水なのかというと、一年を通して水温が13度から14度と温かく、水道水よりもはるかに雪が溶けやすいためです。現在は消雪パイプのほとんどが、センサーによって自動的に散水されるようになっています。また、日本でも屈指の積雪量を誇る新潟県の道路管理課担当者は、次のように話します。
「新潟県には、長岡市が発祥ともいわれている消雪パイプがあります。雪が積もった時に地下水 を組み上げて、路面に水を撒いて雪を溶かすものとなっております。また、雪による交通障害として、視界不良が挙げられます。吹雪により視界が悪くなり、交通事故 や渋滞を引き起こすリスクが高まるので、対策として地吹雪防止柵を設置しています。これにより道路に発生する吹雪を削減することができ、視界を確保しやすくなります」

地吹雪防止柵とは、道路上に降り積もる雪を風の力で吹き飛ばし、吹き溜まりや視程障害(ホワイトアウト)を防ぐ「防雪柵」のことです。防雪柵は、設置場所によって4種類の柵が使われています。防雪柵を4、5枚の板に分けて下方向に風が吹き抜けるように設置し、横から吹く風を道路に吹きつけ視界を良くする「吹き払い式」。柵を高く設置して、柵の風上に雪を堆積させる「吹き止め式」。道路から離れた場所に雪を堆積させる「吹き止め式」。高い土地にある道路で、下から吹きつける風を防ぐ「吹き上げ式」があります。
冬の雪国では欠かせない防雪柵ですが、景観が損なわれるためオフシーズンは撤去されたり、折りたたんで収納できるものもあります。
また、1年間で5m近くの雪が積もるとされる、北海道札幌市雪対策室事業課の担当者は、「雪対策としては除雪・排雪作業もおこないますが、雪でも安全に走行できる対策もおこなっています」 と話します。
「札幌市では、凍結防止剤や砂を撒いたりなどの対策をおこなっています。凍結防止剤は材料が塩化ナトリウムであり、これを撒くことで雪の水が凍りづらくなります。また、圧雪状態になった場所では、道の滑り止めとして砂を撒くこともあります。他にも、ロードヒーティングという道路の中に電気を通して電熱で雪を溶かすものもあり、急な坂道など常に雪を溶かしておかなければ危険な場所に施工しています」

ロードヒーティングは、北海道や東北地方の雪が多い一部の地域で見られる設備です。消雪パイプと違い、設置した部分の雪のみを溶かすため、雪が積もっている道路との境目に段差ができるのですぐ見分けることができます。
道路だけでなく、歩道や駐車場、一般家庭の玄関など必要な場所だけに設置できるのがメリットで、雪国の悩みのひとつである雪かきの負担を減らすことができますが、設置費用やランニングコストが割高になる傾向があります。
そのほかにも、積雪の多い地域では、雪国ならではの工夫があります。

例えば、道路脇に立てられた赤と白のゼブラ柄をした棒状の「スノーポール」という標識が挙げられます。視線誘導標やデリネーターと呼ばれるもので、ガードレールの上に設置されているオレンジ色の丸い反射板もこの一種です。これは、雪が積もったり吹雪になったりすると道幅が分からなくなるため、スノーポールを目安に走行することができます。また、棒状意外にも路肩から伸びて道路の上から示す矢印型のものや、最近では夜間に自発光式で光るタイプも増えてきました。
そのほか、道幅が狭く除雪車が入らない場所や、家屋が密集する道路などでは「流雪溝」と呼ばれる側溝に積雪を投げ入れて処理することがあります。流雪溝の下には河川などから引いた水が勢いよく流れており、雪を河川に流すしくみです。一斉に雪を入れてしまうと水路が詰まって溢れてしまうことがあるため、利用時間をずらすなど地域ごとにルールがあるようです。
また、積雪量の多い地域では、雪が降っていても郵便バイクによる配達をおこなっている様子を見かけることがあります。SNS上でもたびたび話題となるため、写真を見たことがあるという人もいるかもしれません。 では、こういったバイクには何か対策がなされているのでしょうか。

実際に冬場でもバイクを使用して配達をおこなっている、富山県の富山南郵便局の担当者は、次のように話します。
「二輪車のタイヤをスタッドレスに履きかえて配達をおこないます。ただ、あまりにも雪が積もり、 二輪車での走行が困難な場合は四輪車のみで配達をおこないます」
このように、雪国では冬場でも安全に走行するために、さまざまな工夫がされていることがわかります。タイヤを交換するのは積雪が少ない地域でもおこないますが、道路自体に仕様を施してあるのを珍しいと感じる人もいるかもしれません。
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雪国では、路面の雪を溶かすためにさまざまな工夫がされています。冬場、雪国に足を運んだときは、道路の仕様などに注目してみるのも面白そうです。







