ドゥカティ製MotoEマシン「V21L」にはリアブレーキが無い!?NEWマシンでの初テストの結果とは? レーシングライダー大久保光のレースレポート
レーシングライダーの大久保光選手が参加したMotoEワールドチャンピオンシップの公式テスト。その様子をレポートしてくれました。
MotoEは新型マシンでの新たな挑戦へ
皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。
2023年の初記事となります。今年もバイクのニュースで私のレース等の記事を書かせていただきますので、宜しくお願いします。
さて、早速ですが今回は、MotoEのヘレステストについて書いていきたいと思います。

まず今年からMotoEの正式名称が、「ワールドカップ」から「ワールド チャンピオンシップ」に変更。これに伴いレースの格式も格上げされ、晴れて世界選手権となりました。
そしてレース数も昨年の6戦12レースから8戦16レースと、長いシリーズとなります。
さらに今までのエネルジカというイタリアの電動バイクメーカー製のマシンから、ドゥカティがMotoEレース専用マシンとして開発した「V21L」というマシンでレースを戦うことになります。
今年も引き続きワンメークレースとなるので、マシンが変わり勢力図も変わっていくことが予想されます。

まずはその、新型マシンについてお話ししていきたいと思います。
第一印象ですが、今までの使用していたエネルじかのマシンと何から何まで違うという感じ。
見た目はエネルジカのバイクと車格は変わらないものの、削り出しのフレームにバッテリーもフレームの一部としてマシンが構成されているモノコック型となっていて、これは同じくドゥカティの「パニガーレ」などにも見られる設計です。

また、サスペンションも、リアはサスとなっていて今までのスイングアームに直付けの構造とは違い、しっかりとレーシングを考えられた設計となっていました。
さらに今回のマシンにはリアブレーキが付いておらず、リアブレーキの代わりに回生ブレーキがコントロールできるようになっていて、リアブレーキペダルは付いてはいるものの、それを踏むと回生ブレーキが効くようになっています。
そして回生ブレーキの具合も、ライダーの好みにセットアップすることが可能。電子制御はトラクションコントロール、アクセル開度の調整、エンジンブレーキ、ロンチスタートなど様々な制御が付いて、より一層、セットアップが重要となるでしょう。
マップはどれも三段階なのですが、コーナーやサーキット、コンディションに合わせて走行中に調整することも可能など、まったく新しいバイクという印象でした。

肝心のテストはと言うと、3日間ありましたが天候に恵まれず、雨が降ったり止んだりと難しいコンディションの中での走行となりました。
何回かはスリックタイヤで走ることもできましたが、新型バイクのセットアップを思うように進めるのが難しいテストとなりました。
しかしその中でも最低限のセットアップをすることができ、なんとかベースのセットは作れたのではないかと思います。
今回は3日間の総合で6番手タイムとなりましたが、まだまだしっかりと煮詰めていきたいと思います。次回のテストは4月の上旬に、バルセロナサーキットで行われます。
モルドバもだいぶ暖かくなってきましてランニングも気持ちよくできる季節になってきました。
— Hikari Okubo 大久保 光 (@hikari_No78) March 21, 2023
そんなランニングのお供はいつもお世話になっているダブルオーグラスギア @glassesgear 様のサングラスです。#ダブルオーグラスギア #ウール #UUR pic.twitter.com/kt6lAGOaTJ