バイクのスペック表を読み解く! 真っ先に出てくる「型式」とは?

バイクのカタログや、メーカーHPに掲載されている「スペック」や「仕様」、「諸元」の表には、購入時の参考や、ライバル車との性能比較など、役立つ情報が含まれています。真っ先に出てくる「型式」の意味を紐解いてみましょう。

「型式」で、個々のモデルを識別できる

 バイクのスペック表(諸元・仕様)を見て、ほぼ最初に記載されている「型式(かたしき)」とは、構造や性能が同一のクルマやバイクに対して、道路運送車両法で定められた保安基準に適合し、国土交通大臣の指定を行なった分類指標のことです。少々堅苦しい表現になりましたが、簡単に言えば個々のバイクを見分けるための「識別コード」と言えるでしょう。

例)スズキのメーカーHPに掲載されている「KATANA」のスペック表。最初に記載される「型式」
例)スズキのメーカーHPに掲載されている「KATANA」のスペック表。最初に記載される「型式」

 同じ車名のバイクでも、モデルチェンジ等で構造や性能が大きく変わっている場合があります。また燃料タンクやカウリングなど外観が変わることもあります。

 こういったモデルの違いを識別するのに、たとえば「2015年」のように年号で区別する場合もありますが、それだとバイクが生産された年なのか、販売されて登録された年なのか分かりにくく、必ず1月1日にモデルチェンジするわけではないので、同じ年式でもモデルが異なる場合もあります。

 そのため、構造や性能、形状が変わるようなモデルの違いや、車両に関わる様々な規制の適合の可否などを正しく判別するには、型式で判断すると間違いが無いのです。

最初の3桁は、適合する排出ガス規制を表示

 最近のバイクの型式を見ると、最初に3桁の英数字があり、「‐」(ハイフン)の後に英数字が並んでいます。最初の3桁は、現行モデルだと「8BL」や「2BK」のように数字とアルファベットが並びますが、左から1桁目は、そのバイクが適合する排出ガス規制の規制年を表し、2桁目は燃料の種類とハイブリッドの有無、そして3桁目は(バイクの場合は)排気量の区分を表しています。

1998年以降の「型式」の最初の3桁の表記。これ以前の「型式」は「‐」(ハイフン)以降の英数字のみだった。
1998年以降の「型式」の最初の3桁の表記。これ以前の「型式」は「‐」(ハイフン)以降の英数字のみだった。

 ちなみに2005年以前は、ハイフンの前が2桁だったり、1998年以前はハイフンの前の表記が無く、英数字のみが並んでいます。これはバイクに対して1998年から排出ガス規制が適用されたからでしょう。

 このように、形式の数字を見るだけで、いつの排出ガス規制に適合しているか分かるようになっています。そしてハイフン以降の英数字が、昔から個々のバイクの型式として使われているモノと言えるでしょう。

「型式」を知っていると便利なことは?

「型式」の意味を読み取ることで、たとえば欲しいバイクを中古車で探している場合、自分が希望しているモデルか否かを正しく判断することができます。

 カスタムパーツを探す場合も、同じ車種用のパーツでも型式によって適合や装着の可否があるので、「買ったけど装着できない……(泣)」といった失敗も避けられます。

 形状の違いで物理的に装着できる/できない、というだけでなく、アフターパーツのマフラーに場合は、バイクの型式に適合した政府認証の製品でないと、車検を受けられなかったり、違法改造でキップを切られる可能性もあります。

 そして少々マニアックではありますが、インターネットやSNSなどでは、同じ車種の同好の士の間では、車名ではなく型式で語られるパターンが多いようです。とくに人気モデルで生産期間がある程度長く、幾度かモデルチェンジが行なわれている車種は、モデルごとの特徴を語ったり情報交換をする上でも、どのモデルかを識別するのに便利だからでしょう。

1992年4月発売モデル、ホンダ「CB400 SUPER FOUR」の型式は「NC31」
1992年4月発売モデル、ホンダ「CB400 SUPER FOUR」の型式は「NC31」

 たとえば、2022年10月に生産終了モデルとなったホンダ「CB400 SUPER FOUR」は、1992年4月に初登場したモデルの型式は「NC31」で、1999年2月のフルモデルチェンジで「BC-NC39」、2007年12月のマイナーチェンジで「EBL-NC42」、2017年10月の法規対応で「2BL-NC42」に変わっています。

1972年に発売されたカワサキ「900 SUPER4」は、車名よりも型式「Z1」(ゼットワン)で呼ばれる方が一般的
1972年に発売されたカワサキ「900 SUPER4」は、車名よりも型式「Z1」(ゼットワン)で呼ばれる方が一般的

 他にも、車名より型式の方が「呼び名」として定着したバイクがあります。有名なところでは、1972年に発売されたカワサキの「900 SUPER4」で、このバイクは型式の「Z1」(ゼットワン)と呼ばれる方が一般的です。

 また、ホンダが1987年に発売したスーパースポーツモデル「VFR750R」は、マニアでなくても型式の「RC30」の方が有名と言えるでしょう。

【画像】同じモデル名で「型式」が違うバイクを見る(9枚)

画像ギャラリー

Writer: 伊藤康司

二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。

編集部からのおすすめ

無理せず引き出せる絶大な安心感! ブリヂストン「BATTLAX RACING STREET RS12」で味わう極上のハイグリップ【PR】

無理せず引き出せる絶大な安心感! ブリヂストン「BATTLAX RACING STREET RS12」で味わう極上のハイグリップ【PR】

最新記事