バイクのスペック表を読み解く! 「全長×全幅×全高」の落とし穴とは!?
バイクのカタログや、メーカーHPに掲載されている「スペック」や「仕様」、「諸元」の表には、購入時の参考や、ライバル車との性能比較など、役立つ情報が含まれています。車体寸法の「全長×全幅×全高」について紐解いてみましょう。
バイクの「寸法」には、なぜかミラーが含まれない
バイクに限らず、物体の「寸法」(サイズ)を表すのによく使われるのが「全長×全幅×全高」で、これがわかると大体の大きさがイメージできます。バイクの場合、単位はmm(ミリ)で表すのが一般的ですが、10で割ってcm(センチ)にした方が、身長などと比較しやすいので分かりやすいかもしれません。

まず「全長」ですが、これは見た通りにバイクの前後方向の長さのコト。前端は多くのバイクがフロントタイヤで、後端はナンバープレートの台やリアフェンダー(泥除け)の先端になります。
次に「全幅」ですが、こちらはミラーを除いた車体のもっとも幅の広い場所になります。カウリングを装備しないネイキッドモデルやアメリカンタイプ、オフロード車などの多くは、ブレーキレバーの先端とクラッチレバーの先端が全幅になり、ミラーもその幅の中に納まる車種が多いようです。
しかしスーパースポーツモデルやスポーツツアラーなどカウリングを装備するバイクは、ミラーがカウリングに装着されて左右に張り出しているため、スペック表の全幅の数値よりも左右ミラーの幅の方が広い場合が多いです。車種によっては、スペック値より100mm以上広くなる場合もあります。

最後に「全高」ですが、こちらも全幅と同様にミラーを除いたもっとも高い場所になります。そのため、カウリングを装備しないネイキッドモデルなどは、ミラーの高さを含めると、スペックの数値よりもかなり高くなります。反対にスーパースポーツモデルなどはスクリーンの上端がもっとも高くなる車種が多いため、スペック表通りの高さと言えるでしょう。
寸法通りのスペースには駐車できない!?
カウリングの有無など、バイクの種類によって「全幅」と「全高」はスペック値と実際のサイズが若干異なる場合はありますが、走行時に問題になることはほとんどありません。しかし、駐車時は意外と影響があります。現行バイクの多くはサイドスタンドしか装備していないため、駐車時は車体が傾くからです。

スペックの全幅は車体が直立した状態での数値ですが、サイドスタンドで駐車すると車種によって異なりますが、スペック値よりプラス200mm(20cm)くらいの幅広さが必要になります。
さらに言えば、押し引きする際にはライダーが立つスペースも必要なので、駐車スペースの幅はバイクの全幅のスペック値より500mm(50cm)くらい広くないと駐車が困難になります。都市部などで駐車スペースが狭小な場合は注意が必要です。
ちなみに、センタースタンドを装備する車種なら、直立した状態で駐車できるので全幅はスペック値と変わりません。とは言えスタンドを立てるためのライダーのスペースは必要になります。また教習所で経験したと思いますが、センタースタンドを立てると車体が後方に150~200mmくらい下ります。そのため、その分をスペックの全長に加えた長さの駐車スペースが必要になります。
パニアケースは要注意!
純正アクセサリーやアフターパーツとして用意されるパニアケースを装着すると、スペック値の全幅よりもかなり幅が広がり、ハンドル幅やミラー幅より広くなることもあります。この場合は駐車時のスペース確保だけでなく、走行時も注意が必要です。

ハンドルやミラーはライダーの視界に入っているため、すり抜けや路肩を走行する際に、周囲に引っ掛けてしまうことはまず有りませんが、ライダーから見えないパニアケースはその限りではありません。
車体が大きく内輪差のあるクルマと違い、バイクはハンドルが通過できる場所は通り抜けられるイメージがありますが、「パニケースを路肩の電信柱に引っ掛けてしまった」というような話は少なくありません。スペック値とは関係無いかもしれませんが、こちらも要注意です。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。











