専用品じゃないとダメ? バイク用とクルマ用ETC車載器の違いとは
バイクでも高速道路を利用する際の支払いにかなり便利なETCシステムですが、利用するために必要なETC車載器には、バイク用とクルマ用が存在します。このふたつに違いはあるのでしょうか。
ETC車載器の、バイク用とクルマ用の違いとは
ETCは高速道路を代表とした有料道路の料金所ゲートで、認証・決済を自動でおこなえるシステムです。ETC車載器に有効なETCカードを挿入するだけで、自動で通行料が支払えるため、ツーリングなどで高速道路を走行する機会の多いライダーにとっては、欠かせない装備となっています。
そんなETC車載器には、バイク用とクルマ用の2種類が存在するのですが、違いはあるのでしょうか。

国土交通省の公式サイトには、以下のように記載されています。
「四輪車用のETC車載器は車内設置を前提として開発されています。一方、二輪車用のETC車載器は、利用する際に安全にご利用頂くために、耐振性・防水性等、二輪車での使用環境を考慮して設計・開発されています」
ボディで覆われた室内に設置するクルマ用とは異なり、バイク用は吹きざらし。そのため、風雨の影響や走行時の振動などの影響を受けても問題なく利用できるよう、クルマ用よりもバイク用は頑丈に設計されているというわけです。
そのため、バイクにクルマ用のETC車載器を装着して使用することは推奨されていません。
ETC総合情報ポータルサイトにも、「ETCカードは、二輪車、四輪車共通で使用ができますが、四輪車用車載器は車内設置を前提として開発されているため、外気に触れる二輪車に利用することはできません」と記載されています。もしクルマ用の車載器をバイクに設置したとしても、防水性や防塵性、耐振動性の確保が不十分であることから、誤作動を引き起こして通信エラーとなり、料金所の開閉バーが開かなくなるといった危険性が高まるということ。
その為、すでにクルマ用のETCを持っており、今後バイクの購入を検討しているという人も、追加の費用になってしまうからと流用せず、バイク用のETCを購入・装着することが大切です。
アンテナ部の設置場所や角度を変更したり、アンテナ部を覆うように物を置いたりする行為も、通信エラーを引き起こす可能性があるため控えましょう。もし自分で取り付けるのが不安な場合は、販売店に依頼するのがおススメです。
他にもある? バイク用とクルマ用車載器の違いとは
さらにバイク用ETCとクルマ用ETCの違いとして、バイク用ETCを利用する際は、セットアップ時にナンバープレートの情報など、個人情報を登録する必要がある点が挙げられます。

バイク用車載器に登録された個人情報は、安全に関するお知らせの送付に利用されるだけでなく、開閉バーが開かない場合などの緊急時に、ライダー自身が安全な場所に退避した際、円滑かつ適正に料金を支払えるよう、高速道路の管理会社から利用状況確認のための連絡をする際にも利用されるようです。
また、同ETC総合情報ポータルサイトには「たとえ課金車種の変更がない場合においても、車両(二輪車)と車載器(四輪車)の登録情報が異なることにより、ETCでおこなっている利用照会サービスやマイレージサービスへの登録等、各種サービスの一部がご利用いただけなくなります」とも記載されているため、せっかくのツーリングを心おきなく楽しむためにも、ETCのセットアップ内容は入念に確認しておきましょう。