フロントがスイングアームの手作りバイクでル・マン24時レースに参戦!? レーシングライダー大久保光のレースレポート
レーシングライダーの大久保光選手が参戦する、世界耐久ロードレース選手権の開幕戦ル・マン24時間レース。その事前テストレポートです。
ル・マン24時間レースへの参戦が決定
皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。
突然ですが皆様にご報告があります。この度EWC世界耐久ロードレース選手権第1戦フランス、ル・マンラウンドに参戦することになりました。チームはTeam METISSというフランスのチームで、クラスはEXP。日本では馴染みのないクラスとなりますが、まずは完走、そしてクラス優勝を目指してチーム一丸となって頑張ります。応援宜しくお願いします。
3月末にル・マンサーキットで行われました公式テストに参加してきましたので、今回はそのことを書いていきたいと思います。

このテストで、まずはチームやマシンとの初顔合わせでしたが、そのマシンに見てびっくり!なんとフロントがスイングアームなど、原型のマシンが一体何だったのか分からないほどに改造されたマシンが用意されていました。
チームに話を聞いてみると、エンジン以外はほぼ全て手作りとのこと。参戦を決める前にチームについてある程度は調べていましたが、ほぼ手作りと聞いて本当にびっくりしたのが第一印象でした。

エンジンはスズキ「GSX-R1000」のものでしたが電子制御は一切付いておらず、1000ccのパワーを直に感じることのできる仕様となっています。ちなみに、電子制御を付けていない理由としては、余計なトラブルを起こさないようにするためとのこと。
実際にテスト前日に初めてチーム監督に会い、少しミーティングをした後、次の日からテストが始まりましたが、やはり特別な仕様のバイクなため最初は違和感。
そこに慣れるまでに少し時間を要してしましましたが、徐々にこのオリジナルマシンの特性を理解し始めることができ、ラップタイムも上げて行くことができました。

ちなみにチームのライダーは4人。そのうちのひとりは、2019年にEWCのボルドールラウンドに参戦した時のチームメイトだったため、彼を通じてチームとのコミュニュケーションもしっかり取って行くことができました。
事前テストは1日、約8時間の走行時間が設けられており、2日間の日程で行われたのですが、初日はマシンを理解するところで終え、2日目はしっかりとセットアップやタイヤの消耗具合などを調べていく流れ。チームとしてはフロントタイヤを4スティント、リアタイヤを3スティント使いたいとのことだったので、その辺りのテストを重点的に行いました。

最終的には良いデータを得ることができ、2日間を通して総合19位、クラストップという結果を達成。私自身チーム内でのベストタイムを記録することができ、チームにも喜んでもらうことができました。
次にこのマシンに乗るのは本番となりますが、しっかりチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。
日本では馴染みのない特殊なクラスですが皆様、応援宜しくお願いします。
無事にパリに到着。
— Hikari Okubo 大久保 光 (@hikari_No78) April 9, 2023
バスを乗り換えてルマンへ! pic.twitter.com/ToKDu6cIfa