「赤バイ」で火災現場に一番乗り! ホンダ「ドリームCB350FV」は消火器搭載の消防仕様!!
バイクの機動力を活かした消防活動二輪車、通称「赤バイ」は、1960年代より東京消防庁に配備されていました。ホンダ「ドリームCB350」をベースとした「ドリームCB350FV」は、真っ赤な車体に消火器を積んでいたのです。
消防装備を満載、いち早く現場に駆け付ける真っ赤な「CB」
最近では消防署で見かけることも多くなった、通称「赤バイ」(消防活動二輪車)は、阪神淡路大震災や東日本大震災など、いち早く現場へ駆け付け、情報収集や人命救助につながる初期活動などで活躍しています。四輪車の進入が難しい場所や状況を想定し、近年はヤマハのトレールバイク「セロー250」をベースにした赤バイが多いようです。

日本国内で赤バイが運用され始めたのは1960~70年代のこと。東京都市部では渋滞による消防車の火災現場到着の遅れが問題になっており、この時期に東京消防庁は特別救助隊を設立し、消防力や救助体制の再強化を図りました。そして1971年に、赤色灯とサイレンを装備し、消火器を積んだ赤バイ、ホンダ「ドリームCB350FV」を配備しました。
実際に、1976年に発生したマンション火災では、赤バイが一番乗りで現場へ到着し、逃げ遅れた人を救助する活躍が注目を集めました。

赤バイは緊急車両です。ホンダはそれに相応しいゆとりある出力や安定した走行性、取り回しの良さを考慮し、ベース車両として「ドリームCB350」を採用しました。赤バイとなった「ドリームCB350FV」はバイクの機動性を生かし、初期の消火や救助活動などで活躍したのです。
赤バイと市販車の違いを見ると、まずはタンデムシート部分に積載された、2本の消火器に目が向きます。車体はもちろん、丈夫な専用キャリアも赤く塗られ、サイドバッグ(今風に言うとパニアケース)には消火栓開栓工具などの様々な消防装備が入っていたようです。
赤色灯とサイレンはハンドルに取り付けたスイッチで操作し、時代を感じさせるフロントフェンダー上部の風切りプレートには、所属消防署名が記されていたそうです。

ちなみに真っ赤に塗られた車体ですが、これは運輸省が定めた法令により「消防は朱色、その他の緊急車両は白」とされているからです。確かに、徹底的に朱色(呼び方については一般に従い赤でも良いとされています)に塗られています。

写真の「ドリームCB350FV」は、栃木県の「モビリティリゾートもてぎ」内にある「ホンダコレクションホール」で開催されている「働くクルマとバイクの特別展」のために、2023年7月5日までの期間限定で展示されたものです。
他にも赤バイ仕様の「ベンリィCB175K4FV」や、「ドリームCB750FOUR」ベースの白バイ仕様、皇宮警察のサイドカー「GL1500EMP」なども、じっくり見ることができます。
■ホンダ「DREAM CB350FV」(1968年)主要諸元
エンジン形式:水冷4ストローク並列2気筒OHC
総排気量:325cc
最高出力:36ps/10500rpm
【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)
Writer: 柴田直行
カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員









