【自転車のダメ絶対】子供の方が守ってる?「赤は停まれ、青は進め」 違反するのはカッコ悪い
2023年5月30日に実施された自転車の全国一斉指導取締りの結果、516件が罰金対象となる悪質運転として検挙されました。そして、残念なことにその7割以上は誰もが知っている最低限のルールを守らない違反でした。
ルールを知っているのに、守らない!?
2023年5月30日に自転車の全国一斉指導取締りが実施されました。警察官約9300人が動員され、自転車利用が多い都市部を中心に全国2880カ所で行なわれるという大規模な取り締まりで、罰則を伴わない指導警告票の交付は1万1525件、罰金の対象となる検挙件数は516件という結果となりましたが、残念なことにその大半は誰もが知っている最低限のルールを守らない違反でした。

自転車の違反については、大きく分けて2種類のペナルティがあります。ひとつめの「指導警告」は、その場で警察官から注意を受けるとともに、氏名や住所、電話番号などを控えられ、違反の日時や場所、違反内容などが記載された「自転車指導警告票」といわれるものを渡されます。ただ、こちらについてはあくまで厳重注意という意味合いで、罰則は伴いません。
もう一方のペナルティは、かなり重くなります。危険走行が悪質だと認められた場合は告知票、いわゆる「赤切符」が交付されることになります。
クルマやバイクといった免許制度のある乗りものの場合、軽微な違反については「交通反則通告制度(反則金制度)」が適用されるので、検挙されても違反点数が加算されたり、反則金を納付すれば罪とはならない「青切符」が交付されます。ところが自転車は反則金制度の適用外なので、いきなり刑事罰の対象となる可能性のある「赤切符」が交付されます。
今回行なわれた自転車を対象にした全国一斉取締りでは、悪質でほかの人に危害を加えかねない「赤切符」の交付を受けた検挙件数が516件もあったのです。
さらに検挙件数の内訳を見てみると、「信号無視」189件(36.6%)、「指定場所一時不停止」199件(38.6%)の違反という、誰もが知っているであろう最低限のルールを守らない2つのケースだけで全体の約75%を占めているそうです。
「赤信号は停まる、青になってから進む」「見通しの悪い交差点などにある“停まれ”の標識では一時停止する」は、誰もが知っているであろう当たり前のルールであり、最低限守られるべきことは子供でも理解していることでしょう。
実際に街中を見ていると、むしろ幼い子供や小学生の方がこれらのルールをしっかり守っていて、ルール違反は大人たちばかりが目につきます。大人になるにつれて、「自転車だから」「しょせん自転車」という変な過信が生まれ、ルール違反を犯してしまうのかもしれません。
多くの場所で何度も繰り返し言われていますが、自転車はまぎれもなく軽車両であり、万が一の際には重大事故を起こしかねない乗りものです。ルールを守ることは自分だけでなく、周りの人を守ることでもあります。いま一度そのことを思い出し、子供たちのお手本となるような利用を心がけたいものです。