頭上を飛行機が通過するSBKイギリス開催地 風光明媚な「ドニントンパーク」ぶら歩き
スーパーバイク世界選手権(SBK)イギリスラウンド取材のため、開催地の「DONINGTON PARK(ドニントンパーク)」を訪れました。そこは風光明媚なサーキットでした。
そこに広がる光景は、本当に「とても美しいサーキット」だった
スーパーバイク世界選手権(SBK)イギリスラウンドの取材のため、わたし(筆者:伊藤英里)は「DONINGTON PARK(ドニントンパーク)」を訪れました。ドニントンパークは1931年に最初のレースが行なわれた、長い歴史を持つサーキットです。イギリス第2の都市と言われるバーミンガムからは、北東にクルマで約1時間の距離にあります。

その前週に取材していたMotoGPオランダGPで、スペイン人のジャーナリストにSBKイギリスラウンドに取材に行くと話すと、「とても美しいサーキットだ」と言っていました。
木曜日に到着して、納得しました。駐車場から少し上った先にあるメインエントランスから後ろを振り返ると、青い空と緑に染まった駐車場が目に入りました。
「本当だ……」
ドニントンパークに到着してものの数分で、聞いていた言葉に納得したのでした。
その日、ドニントンパークのコースをライダーたちに混じって歩いてみると、青々とした丘陵の中にあるサーキットであることがわかります。サーキットの近くにはイースト・ミッドランズ空港があるので、コース上を頻繁に飛行機が飛んでいました。
青い空を背負って飛んでいく飛行機と、その下にある「最速」を争うためのモータースポーツ・サーキットのコースという光景は、不思議に心躍るものがありました。

ちなみに、イギリスラウンドが行なわれたのは6月29日から7月2日ですが、木曜日を除いてレースウイークはほとんど曇りで、ときに雨が降る天候。終日、冷たい風が吹いていて体感としては寒いほどでした。木曜日だけでも晴れた中でドニントンパークを見ることができたのは、ラッキーだったのかもしれません。
SBKのスーパーポール・レースとレース2が行なわれる日曜日、レースの合間にメインストレート下のトンネルを通って、コース内側のエリアに行ってみました。
とても広かったので全てを歩くことができたわけではないのですが、コースサイドはとくに観戦席が設けられているわけではなく、みんな、その場にラフに座ったり、持参した折り畳みイスに腰かけたり、テントを張ったりして観戦しているようでした。

観客の様子を眺めながら歩いていると、ふと、あることに気が付きました。
もちろん走行中ではないとは言え、コースを横切っている人がいるのです。それも、観客が……。
残念ながらわたしがそれに気付いたときにはもうすでにクローズしてしまったので横断体験はできなかったのですが、どうやら、走行を行なっていない一部の時間帯はコース横断ができるようなのです。
コースを横断できるサーキットは、これまでわたしが見た範囲で、と限定されますが、初めてです。これはドニントンパークならではのルールなのでしょうか……?

ドニントンパークは、確かに風景の美しいサーキットでした。もし現地を訪れたら、いろいろな場所を歩いてみると思わぬ発見があるかもしれません。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。