秘境の山城、里見氏の「千本城」へ バイクで往く城跡巡り

全国各地に点在する山城の数々。千葉県にも数多くの山城の跡が残っていますが、謎も多く残っています。君津市の「千本城址」には解説板はあるものの、まさに秘境の様相です。スーパーカブで訪れ、迫力に押されながらも歩いてみました。

まるで秘境のような山城の跡、全貌は不明のまま

 現在の千葉県君津市広岡にある「千本城(せんぼんじょう)」へ、スーパーカブで向かいました。県道の道路脇に「千本城址」の小さな看板を見つけ、細い山道を進みます。道はかなり狭く、スーパーカブのコンパクトさに助けられながら入り口に到着、すでに秘境の様相です。

「北野神社」(千本城址)入口には小さな洞穴がある。君津市市役所に訪ねてみたものの、何のための穴かは不明だった
「北野神社」(千本城址)入口には小さな洞穴がある。君津市市役所に訪ねてみたものの、何のための穴かは不明だった

 普段でも心がけていることですが、山城巡りは足元の道が安定していないことも多いので、トレッキングシューズを履いています。また蜘蛛の巣や蜂、山蛭などにも注意が必要です。

 さて、頂上にある「北野神社」を目指して山道を歩くと、思ったよりも道は荒れていないようで、勾配はありますが所々階段も設けられていました。途中には「堀切(ほりきり)」の跡と見られる遺構もあります。台風の影響からか倒木もあるので下まで降りることは辞めましたが、肉眼でもはっきりと堀の跡が見られ、ちょっと楽しくなってきました。これは敵の侵入を防ぐ城の防御で、わざと峰の上の通り道を寸断しているのです。

道は階段もあり、思ったよりも荒れておらず歩きやすかったが、苔も生えているので滑らないように注意
道は階段もあり、思ったよりも荒れておらず歩きやすかったが、苔も生えているので滑らないように注意

 ほどなくして里見義実(さとみよしざね)が創建したとされる「北野神社」に到着しました。ここで拝んでから境内の先を行くと、尾根状に先へ繋がっています。過去にもこのような構造の山城を訪ねていますが、おそらくここも尾根自体が「曲輪(くるわ・平坦地)」として機能していたのではないかと思われます。

 山城が廃城した後に神社が建つのか、元々神社があった場所に城を建てるのか分かりませんが、全国各地には、このように山城跡に神社が建っているところを多く見受けます。

「北野神社」に到着。御祭神は歌人としても著名な菅原道眞公だ
「北野神社」に到着。御祭神は歌人としても著名な菅原道眞公だ

 境内は里見氏の城址で、創立年度は不明ですが、当時は要害となっていたとのこと。バイクで10分ほどの近距離(直線距離で2kmほど)に「久留里城」がありますが、この「千本城」は「久留里城」の支城であったと考えられています。

 里見義弘(さとみよしひろ)死後の家督争いを巡る争い(天正の内乱)が「久留里城」と「千本城」を舞台として繰り広げられたとのこと。これは義弘の養子である義頼(よしより)一派と、義弘晩年の嫡子、梅王丸(うめおうまる)を中心とする家臣達の争い、いわゆる後継問題が起きて、戦に発展。しかし義頼は「久留里城」と「千本城」をあっさりと平らげらたと伝えられているようです。

 また、後の世には豊臣秀吉の「小田原攻め」の際に廃城となったとも言われています。

神社の奥には尾根が続くが、「曲輪(くるわ)」として成立していたと思われる。行き止まりまで歩いてみたが、足元には要注意だ
神社の奥には尾根が続くが、「曲輪(くるわ)」として成立していたと思われる。行き止まりまで歩いてみたが、足元には要注意だ

 ちなみに、この「千本城」の先には素掘りのトンネルがあるのですが、かつて存在していた田園に向かうための道だったそうです。また城山の上にも田んぼがあったようですが、近年は住民の減少もあって荒れており、長年人の手が入っていないようでした。

【画像】千葉県君津市「千本城址」を詳しく見る(12枚)

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