細分化された「原付」の車両区分で願うこと ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.209~

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、排気量50cc以下の原チャリも条件付きで「特定小型原付」扱いにして欲しいと言います。どういうことなのでしょうか?

やっぱり、原チャリがラクで手軽で安定感がある

 ニュルブルクリンク(ドイツ)のレースで痛めた膝がウズウズと疼き出してきた僕(筆者:木下隆之)は、膝痛の再発かと心配して、レントゲンやらMRIやらの画像診断やなんやらで下された診断は予想どおり、慢性の膝痛とのこと。

愛車のホンダ「モンキー50」と筆者(木下隆之)
愛車のホンダ「モンキー50」と筆者(木下隆之)

「完治するまでしばらくは、膝への負担を抑えた生活をしてくださいね」

 医師の言葉を噛み締めながら、歩行する時には松葉杖を頼りに、通勤ではバイクでの二重生活を過ごしています。

「膝痛でバイク?」

 多くの人は、短絡的に「怪我+バイク=危険」と考えるようです。でも論理的で思慮深い人はむしろ歓迎してくれます。

 実体験ですが、大型バイクでは時に片足で自重を支えなければならないので、膝痛は不安が残ります。立ちゴケしそうになった瞬間に、膝に強い負担がかかります。しかし排気量125cc以下の軽量なバイクでは、膝への負担はほとんどないに等しいのです(僕の場合)。

 先日、ホンダ「GB350」に乗りました。足つきも良いですし、車両重量は179kgと軽量なので、膝痛を気にすることなくライディングできています。体格や怪我の程度にもよりますが、例えば大型二輪であっても、レブル「500」のようなシート高(690mm)の低いクルーザータイプであれば、問題はないと思います。

 誤解を招きそうですが、「原動機付き車椅子」のような感覚です。椅子にまたがったまま移動しているようなものですから、膝への負担はほとんどありません。松葉杖で歩行するより楽なのです。

 そんな療養生活を過ごしているときに耳にした「電動キックボードの新ルール」に興味が注がれました。

 新たな道路交通法では、最高速度20km/hを超えず、大きさなど要件を満たす電動キックボードを「特定小型原動機付き自転車」と分類し、最高速度30km/hまでの「原動機付き自転車」、つまり原チャリとは別に区分されたのです。

 しかも特徴的なのは、特定小型原付には独特のルールがあり、緑のライトを点灯させていれば20km/h走行が許されますが、緑のライトを点灯から点滅に変えれば、最高速度は6km/hに制限されるものの、歩道も走れるというのです。いわば、シニアカーと扱いは同じです。時速20キロで車道をビュンビュンと走っていながら、緑ランプを点滅させるだけで歩道を走れるのですから、これは便利ですよね。

 それが許されるのであれば、原動機付き自転車も同様に、つまり原チャリも同様に、緑ランプ点滅を条件に速度リミッターを6km/hに抑えて、歩道を走りたいものだと考えたのです。

 おそらく健常者からすれば、その意味は理解出来ないことでしょう。

「何を虫のいいことを……」

 そう叱咤されるに違いありません。

 僕は「モンキー50」も所有していますが、膝痛持ちにはとても助かるのです。車重は軽く、足つきも余裕があります。膝を曲げてクッションに座っているような感覚で、立っているよりも歩行しているよりも、つまり、キックボードの上でバランスをとっているよりもはるかに楽なのです。安定もしています。だったら、原チャリも緑ランプ点滅で……と願ってみたくなるわけです。

 健常者にとっては不必要でしょうが、例えば障害者認定されている方のために、モンキー50の低速歩道走行を許してあげてもらいたいと思いました。警察庁、厚生労働省、どうかご検討を……。

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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