超・個性派50cc原付!! ヤマハのレジャーバイク第1号 スポーティでファッショナブルな「ジッピィ」登場

ヤマハのレジャーバイクの先駆けとなった「Zippy(ジッピィ)」は、ユニークなデザインで1973年に登場しました。あえて鋼板プレスフレーム内にバイクらしい部分を封印した、気軽に乗れるスタイルでした。

50年以上前とは思えないイカしたスタイル

 1973年に、ヤマハのレジャーバイクの先駆けとなる「Zippy(ジッピィ)」が発売されました。1973年は20年続いた日本の高度経済成長期の最後期で、国民全体に余裕が生まれ、余暇を楽しむレジャーブームがやってきます。

 一方バイクの世界では、1960年代はおおまかに分けると実用車とスポーツ車の2種類でした。しかしこの経済成長によってバイク購入層が拡大し、楽しく遊べるバイクを求める新しいタイプのユーザーがたくさん現れます。

 この流れに乗って、特に個性的なモデルが登場したのが50ccの原付バイクでした。最初は上級車のスタイルを原付バイクに再現したモデルでしたが、ヤマハの目には新しい乗りものを好む購買層が見えていました。

 そんな彼らの心を獲得するためのヤマハ開発陣の合言葉が、「脱オートバイ」でした。

ヤマハのレジャーバイク第1号「Zippy」(1973年型)
ヤマハのレジャーバイク第1号「Zippy」(1973年型)

 当時のヤマハのモデルラインナップには、50ccのストリートスクランブラーなどもありました。しかしこれまでのバイクにはない、スポーティでファッショナブルな乗りものとして「ジッピィ」がデビューします。

「ジッピィ」を目の前にすると、そのスタイルに誰もが笑顔になるのではないでしょうか。逆三角形の車体は、鋼板をプレスして成形した箱のようなフレームです。この中にバイクらしさを象徴する燃料タンクなどが収納され、あえて「オートバイらしさ」を消した独特な外観を構成しています。

 ステアリングヘッドへ繋がる部分は細く、後輪へ向かってカスタムカーのフェンダーの様な広がりを見せています。そのフェンダーのカーブに沿って、湾曲しながら上昇する車体右側のマフラーも秀逸なデザインです。

 長さが645mmもあるロングシートと、前方にライザーで持ち上げたハンドルによって、体格を選ばずライディングポジションに自由度があります。

 フロントは14インチのワイヤースポークホイールで、リアは8インチの極太タイヤとディッシュホイールという組み合わせにより、タフな走りもイケそうな雰囲気も感じさせます。

メッキが多用されたゴージャスなメーターまわり。ライザーの間から見える文字盤には80km/hまで刻まれている
メッキが多用されたゴージャスなメーターまわり。ライザーの間から見える文字盤には80km/hまで刻まれている

 ニュータイプの購買層への配慮はスタイルだけでなく、クラッチレバーの操作が不要な3速自動遠心クラッチを採用し、バイクに慣れていないユーザーでも簡単に乗ることができました。シート高も695mmと、これまた優しい設定です。

 一方、4速ミッション+クラッチレバーを装備するスポーツタイプや、2人乗りできる72ccエンジン車も追加され、4バリエーションでの展開となりました。車体カラーは写真のブラウン以外に、ブルーとグリーンがラインナップされます。

「ジッピィ」を名乗る後継機はありませんが、1976年にプレスバックボーンフレームを使用したレジャーバイク「ボビィ」が発売されています。

 ヤマハ「ジッピィ」(1973年型)の当時の販売価格は8万2000円です。

■ヤマハ「Zippy」(1973年型)主要諸元
エンジン形式:空冷2ストローク単気筒
総排気量:49cc
最高出力:4.5ps/6500rpm
最大トルク:0.53kgf-m/5000rpm
全長×全幅×全高:1560×655×985mm
シート高:695mm
始動方式:キック式
燃料タンク容量:3L
車両重量:74kg
フレーム形式:プレスバックボーン式
タイヤサイズ(前):2.50-14-4PR
タイヤサイズ(後):5.00-8-4PR

【取材協力】
ヤマハ・コミュニケーションプラザ(静岡県磐田市/ヤマハ発動機本社隣接)
※本記事中の写真は許可を得て撮影しています

【画像】ユニークが過ぎる!? ヤマハのレジャーバイク第1号「Zippy(ジッピィ)」を画像で見る(12枚)

画像ギャラリー

Writer: 柴田直行

カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

編集部からのおすすめ

レッドバロンは全国どこでも同じ高い品質! その裏側にある岡崎の拠点とは? 潜入取材で一部始終を見た【PR】

レッドバロンは全国どこでも同じ高い品質! その裏側にある岡崎の拠点とは? 潜入取材で一部始終を見た【PR】

最新記事