【MotoGP第16戦オーストラリアGP】天候によりスケジュール変更の週末 中上貴晶選手は土曜日開催の決勝で19位

MotoGP第16戦オーストラリアGPが2023年10月20日から22日にかけて、オーストラリアのフィリップ・アイランドで行なわれました。中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)は週末を通じてバイクのフィーリングに苦しみ、決勝レースを19位でゴールしました。

得意の高速コーナー、フィーリングに苦しみつつ完走

 MotoGP第16戦オーストラリアGPは、天候によって週末のスケジュール変更を余儀なくされました。日曜日の悪天候予報により、決勝レースが土曜日15時10分スタートに変更。スプリントレースは日曜日13時スタートとなりました。決勝レースとスプリントレースの開催日時がほぼ入れ替わった形です。なお、Moto2、Moto3クラスの決勝レースは日曜日開催のまま、それぞれ1時間繰り上げてのスタートに変更されています。

【MotoGP第16戦オーストラリアGP】土曜日に行なわれた決勝レースで、19位でゴールした中上貴晶選手(#30/LCR Honda IDEMITSU)
【MotoGP第16戦オーストラリアGP】土曜日に行なわれた決勝レースで、19位でゴールした中上貴晶選手(#30/LCR Honda IDEMITSU)

 そんなオーストラリアGPで、中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)は初日から苦戦を強いられました。

 フィリップ・アイランドは高速コーナーが連続するレイアウトを持ち、高速コーナーを得意とする中上選手が好むサーキットです。しかし、金曜日のセッション終了後、MotoGP.comのインタビューで中上選手は「普段、高速コーナーでは速く走れるのですが、バイクのフィーリングがあまり良くないんです。バイクがかなり暴れていて、自信をもってコーナーに入っていけないのが原因です」と語っていました。

 予選Q2へのダイレクト進出を決める金曜日午後のセッション、プラクティスでも21番手。苦しい状況のなかで走っていることが察せられました。

 土曜日の予選Q1も11番手に終わり、決勝レースは最後尾の21番手スタートとなります。決勝レース前、中上選手はある決断を下しました。予選まではサーキットレイアウトに合わせて以前の空力デバイスを使用していたところ、決勝レースで新しい空力デバイスを投入したのです。試行錯誤しながら臨んだ決勝レースを、中上選手は19位で終えています。

【MotoGP第16戦オーストラリアGP】予選では以前の空力デバイスを使用していた中上選手
【MotoGP第16戦オーストラリアGP】予選では以前の空力デバイスを使用していた中上選手

「非常に厳しい2日目でした。バイクの信頼感が得られず、ロングランでも1周のタイムアタックでも、自信をもってコーナーに飛び込んでいくことができませんでした。コーナーごとにタイムロスしている状況だったんです。予選までは古いウイングで走っていたのですが、午後のレースは新しいウイングで走り、だいぶフロントのフィーリングが変わりました。良いところ、悪いところがあるのですが、煮詰めていかないといけない部分がたくさんありますね」

「明日はスプリントの短い周回数でも良い走りができるように、ポジティブなフィーリングが得られるように頑張っていきたいと思います」

 そう語っていた中上選手ですが、翌日、日曜日のスプリントレースは天候悪化により中止となりました。

 中上選手はここ数戦、とくにブレーキングでのバイクのバランスに苦しみ続けています。次戦はインドネシアGPから続く3連戦最後のグランプリ、タイGPです。改善の光を見出したいところでしょう。

 MotoGP第17戦タイGPは、10月27日から29日にかけて、タイのチャン・インターナショナル・サーキットで行なわれます。

【画像】2023年シーズンのMotoGPクラスに参戦する中上選手を見る(7枚)

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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