たまに見かける事がある!バイクは停止線を超えて停車してもいいのか?
街中では、信号待ちしているバイクが停止線を超えて停車しているのをたびたび目にします。この行為は、何かしらの違反が適用されることはないのでしょうか。
バイクで停止線を超えてしまった!これって違反?
赤信号で停車している車列の間をすり抜けて、バイクが先頭のクルマの前に出て待機するというのは街中でよく見る光景です。このとき、バイクは停止線をオーバーして信号待ちをしていることが多いですが、警察から取り締まりを受けている様子はほとんど見かけません。

では、ときどき見かけるバイクの停止線を超えて停車する行為は違反にあたらないということなのでしょうか。
道路交通法第43条では、停止線について以下のように定められています。
「車両等は、交通整理が行われていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前で一時停止しなければならない」
このように条文には、「停止線の直前」で一時停止としっかりと明記されています。これは、一時停止の標識がある場所や信号機のない踏切などの場合で、車種に関係なく道路を通行するすべての車両が守らなければなりません。
そのため、もし警察が取り締まりをおこなっている場所で停止線をオーバーしてしまえば、バイクであっても違反になる可能性が十分あるということです。
もし、停止線を超えて一時停止をしなかったと判断された場合は、「指定場所一時不停止等違反」にあたり、違反点数2点に加え二輪車で6000円、原付で5000円の反則金が科せられます。

では、信号機のある交差点などで、赤信号のときに停止線をオーバーして停車した場合はどうなるのでしょうか。この場合は、赤信号で交差点に進入したと判断され「信号無視」の違反になる可能性があります。
道路交通法施行令第2条(信号の意味)の「赤色の灯火」の項目では、「車両等は、停止位置を超えて進行してはならないこと」と定められています。
信号無視というと、赤信号の道路をそのまま通過する行為だと思いがちです。しかし赤信号で停止したとしても、停止線をオーバーしていれば信号無視として違反が成立してしまいます。
赤信号で停止線をオーバーして違反と認められた場合は「信号無視(赤色等)」にあたり、違反点数2点と反則金が二輪車で7000円、原付で6000円の罰則が科せられます。すり抜けなどで停止線を超えて信号待ちをしているバイクをよく見かけますが、違反切符を切られないためにも停止線をしっかりと守る必要がありそうです。
しかし実際には、信号待ちで停止線を多少オーバーしても取り締まりを受けるケースはあまりないようです。通常、停止線は交差点から少し下がったところに設置されているため、バイクが停止線を超えて停止していても交通にあまり影響がありません。
そのため、前輪がはみ出すなど周囲に迷惑がかからない程度であれば、警察官が居合わせても違反切符を切られることはなく指導や警告で終わるようです。ただし、車体全体をはみ出して横断歩道上で停止するなど、明らかに停止線をオーバーして歩行者の通行を邪魔するようだと、警察官によっては違反となってしまう可能性があります。

一方で、警察が厳しく取り締まりをしているのが「一時不停止違反」で、全国で最も多く検挙されている交通違反になるそうです。それだけ事故につながりかねない危険なポイントが数多く存在してるため、警察でも取り締まりを強化していると言えます。
そのほか、信号のない横断歩道で歩行者がいるときや、信号のない踏切などでは一時停止をしなければなりません。こういった場所では、警察官が監視しているケースが多いので、違反切符を切られないように停止線の手前で忘れずに一時停止をすることが大切です。
しかし赤信号で止まる際に、タイミングが合わなかったり、うっかり停止線をオーバーしてしまうことは誰しもありえることです。そのような場合には、正しい位置までバックして戻ったほうがよいのでしょうか。
横断歩道上で停止してしまった場合は、横断中の歩行者の邪魔になってしまうので、後続車の車間距離を確認しながら安全な位置まで下がったほうがよいでしょう。
また交差点によっては、右側から左折してくる大型車の内輪差を考慮して、停止線を大きく下げているケースがあります。このような場所で、停止線を大きくオーバーすると大型車の通行を妨げるおそれがあるので、安全な位置まで下がったほうが無難です。
しかし、それ以外のケースではバイクの後ろは死角も多く、後続車との距離が近かったり、バックした瞬間に歩行者や自転車が後方を通過するなどして衝突の危険性があります。
交通の妨げにならないようであれば、無理してバックせずに信号が変わるまでそのままの状態で待機するほうが安全と言えるでしょう。
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停止線を超えて停止することは、道路交通法上では認められていないため違反となる可能性があります。ただし、少し停止線をはみ出した程度であれば、警察官によっては大目に見てもらえることが多いようです。
うっかり停止線を超えてしてしまっても、慌ててバックして下がる行為は危険が伴うため、あまりおすすめできません。もし信号待ちで停止線を超えてしまったときは、状況に応じて柔軟に対応することが大切です。