外装パーツを取り外すと劣化進行中の骨格があらわに……部分的「タッチアップペイント」で美しく激変!!

縦置きVツインエンジンを搭載した、イタリアンバイクのモトグッツィ「850ルマンIII」は、時間さえあれば磨き込み作業に没頭している昨今です。バイクの仕上げ方には様々な方法がありますが、細部までこのバイクを確認すると、ガソリンタンク以外の外装部品が思いのほかコンディションが良い印象でした。そこで、ローリングシャシー(=裸)にして「中古車仕上げ」を参考にクリーンナップしてみました。

暫定的マスキングでもフレームペイントは可能!!

 モデル数が多過ぎる国産車=メイド・イン・ジャパンに対して、そもそも大型モデルのラインナップが絞り込まれているのが、ヨーロッパ車と言えます。

 モトグッツィと言えば、日本国内ではスポーツモデルの「ルマン」シリーズが、昭和のおじさん達には有名です。そんな年頃のモトグッツィの部品を積極的に取り扱うのが、愛知県豊橋市にある『グッツィーノ』さんです。

 ショップ代表の岩瀬さんも「ルマン」オーナで、いろいろ相談しやすい専門店があるのは頼もしい限りです。進行中の「ルマンIII」仕上げに関しても、補修部品はグッツィーノさんで購入しています。

モトグッツィ「850ルマンIII」の外装パーツの取り外し作業は、以前経験したBMW「K」シリーズと比べて半分以下の時間で可能でした。こうして裸体を見ると、想像以上にスタイリッシュで、剛性が高そうなフレーム構造を再確認できます。メインパイプの太さが印象的でした
モトグッツィ「850ルマンIII」の外装パーツの取り外し作業は、以前経験したBMW「K」シリーズと比べて半分以下の時間で可能でした。こうして裸体を見ると、想像以上にスタイリッシュで、剛性が高そうなフレーム構造を再確認できます。メインパイプの太さが印象的でした

 外装パーツを取り外してみると、すぐさま骨格とエンジン周りのメカニズムがあらわになるのがモトグッツィ「ルマン」シリーズの特徴です。ロードスポーツにアメリカンモデルなど、カテゴリー分けされたモデル展開ですが、フレームの基本構成は、小型ツインからビッグツインまで、ほぼ同じレイアウトを採用しています。

 見るからに「メカニズムの塊」のようなVツインエンジンをデザインにオーバーラップさせたかのようなフレーム骨格を持つフォルムには、美しさを感じてしまいます。実は、この裸のスタイリングに魅了されているグッツィファンも、数多いと聞いています。

 車体と足周りだけの姿になると、前述したように、フレーム骨格が露出します。ウエスで拭ってみると、ホコリや汚れは拭き取れましたが、すでに艶が引けてしまっている箇所も数多くあります。フレーム骨格が目立つバイクだから、この汚らしさやサビを除去して、なんとか美しく仕上げたいと考えました。いわゆる「中古車仕上げ」と似たような方法になりますが、フレームのタッチアップペイントを行うことにしました。

 自分で仕上げられないこともありませんが、ここはプロのテクニックと並外れたアイデアを持つ『モデルクリエイトマキシ』さんへ裸の車体を持ち込み、簡易マスキングを行いながらタッチアップペイントで仕上げて頂くことになりました。

 利用したペイントガンは「丸吹き」と呼ばれるもので、ボカシ仕上げやタッチアップに優れたガンノズルのようです。塗料には、顔料と硬化剤の2液を混ぜて吹き付けるウレタンペイントを利用します。

 硬化剤を混ぜる塗料なので、吹き付け乾燥後の食いつきや艶加減は、一液のラッカーペイントとは比較にならない美しい仕上がりになります。

 車両を持ち込む前に、足付け磨き(サンドペーパー利用)を徹底的にしておきましたので、タッチアップ作業はスムーズに進めることができました。

 エアーコントロールが可能なペイントガンなので、吹き付けコントロールがしやすく、想像していた以上の仕上がりになり大満足です。

 太いパイプフレームとVツインエンジンの存在感、メカニズムを露出したモトグッツィ「850ルマンIII」は、やっぱり美しいモデルだと再確認できました。

【画像】大満足の仕上がりに!! フレームの部分的「タッチアップペイント」を画像で見る(11枚)

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Writer: たぐちかつみ

フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。

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