カスタム用語集Vol.11~「サブコン」……フューエルインジェクション・モデルを手軽にチューニング!

バイクのチューニングやパワーアップにはマフラー交換などの手軽なものから、ボアアップといった大掛かりなものまで、さまざまな方法があります。今回紹介する「サブコン」は、チューニング方法の中でも手軽なものとして人気の手法です。

純正ECUに割り込ませて、さまざまな情報を補正

 一部のレース用車両や海外モデルを除き、現在のバイクには吸気システムとしてF.I(フューエルインジェクション)が採用されています。機械式のキャブレターと異なり、F.Iはコンピューター(ECU)によって燃料の噴射量やタイミング、点火時期などが細かく設定されています。

ハーレーダビッドソンの製品として人気の「サンダーマックス」(写真の商品は生産終了)
ハーレーダビッドソンの製品として人気の「サンダーマックス」(写真の商品は生産終了)

 サブコンは、ECUに繋げることで、これらの設定を補正できるのです。調整できる項目は製品によって異なりますが、最低限としての機能として燃料の噴射量は設定可能。高性能な製品だと、燃料の噴射タイミングや点火時期なども調整できるようになります。

 サブコンとは「サブコンピューター」の略で、ECUの補助的な役割を行うためにそう呼ばれています。他に「インジェクションコントローラー」と呼ばれることもあります。

 対してフルコンとは「フルコンピューター」で、純正ECUと交換して使用します。ECUを丸ごと交換してしまうため、サブコンよりも細かいセッティングを行えるのが特長です。しかし、今ではフルコン並の細かな設定ができるサブコンも存在するようです。

筆者(佐賀山敏行)が所有していた2014年式SR400には「ラピッドバイクイージー」を装着していました。(バッテリー横のグレーのアイテム)
筆者(佐賀山敏行)が所有していた2014年式SR400には「ラピッドバイクイージー」を装着していました。(バッテリー横のグレーのアイテム)

エンジンの性能を最大限に引き出す

 純正ECUは非常に優秀で、最適な設定が行われています。しかし、やはり工業製品である以上、個体差があります。また、社外マフラーも純正ECUで最適なパワーが出るようにセッティングされてはいますが、微妙なズレが生じる可能性も否定できません。

 サブコンはこれらの“ズレ”を補正することで、エンジン性能を最大限に引き出せるのです。

 セッティング方法は、パソコンやスマホに繋げて行うものや、本体のダイヤルで調整するものなどさまざまです。ただし、どちらにせよエンジン性能を左右する重要なものなので、取付を含めて、作業はプロショップに依頼するのが良いでしょう。

【画像】様々なメーカーがラインナップする「サブコン」を画像で見る(7枚)

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Writer: 佐賀山敏行

カスタムバイク専門誌の編集長を経て、現在はヤマハSR400/500に特化したWEBマガジン「The SR Times」を運営する。自身も現在93年式と14年式の2台のSRを持つフリークだが、基本的にはバイクは何でも好き。

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