こんなに種類があるって知ってた? 山などで見かける「動物の飛び出し」の標識

ツーリングで山道を走行していると、「動物が飛び出すおそれあり」の標識をよく目にします。基本的には鹿や猿、タヌキが描かれていることがほとんどですが、中にはその地域ならではの動物がデザインされた珍しいものも存在します。一体、どのようなものがあるのでしょうか。

みんなお馴染み「動物の飛び出し」標識はこんなに種類がある!

「動物が飛び出すおそれあり」の標識は、その名の通り動物が道路を横断してくる可能性があるため、注意して走行する必要があることを示しています。

 野生動物がクルマやバイクに轢かれて死んでしまう事故、いわゆる「ロードキル」の危険性が高い高速道路や山道などに設置されている事が多く、ツーリングで目にしたことがあるライダーも多いでしょう。

 同標識に描かれる動物は鹿やタヌキ、猿などが一般的ですが、設置される地域によっては珍しい動物が描かれている場合もあります。

 たとえば、沖縄本島北部に存在する「やんばるの森」と呼ばれる地域には、絶滅危惧種の鳥類「ヤンバルクイナ」がデザインされた標識が設置されており、2021年7月にユネスコ自然世界遺産に登録されたほど自然豊かなこの森には、ヤンバルクイナをはじめとした多くの希少動物が生息しています。

 しかし空港からのアクセスがよく林道も多いことから、走行する車両によるロードキルも絶えないのが実情。そのためヤンバルクイナが描かれた「動物が飛び出すおそれあり」の標識を設置することによって、少しでも事故の発生を減らす試みがおこなわれているとのこと。

 最近ではヤンバルクイナの他にも、「リュウキュウヤマガメ」や「オキナワイシカワガエル」、「イボイモリ」などの希少生物が描かれた標識も設置されているようです。

奄美大島に設置されている「アマミノクロウサギ」イラストの「動物が飛び出すおそれあり」標識
奄美大島に設置されている「アマミノクロウサギ」イラストの「動物が飛び出すおそれあり」標識

 他の地域でも、例えば奄美大島では、「ケナガネズミ」と「アマミノクロウサギ」の2種類の動物を描いた標識が設置されています。

 環境省沖縄奄美自然環境事務所の公表する情報によれば、アマミノクロウサギの2022年に起きた交通事故件数は同年9月末までの段階で、奄美大島および徳之島の両島で、過去最多を更新。また、ロードキルは林道だけでなくスピードの出やすい国道や県道上でも発生しているとのことで、同事務所からも動物が活動する夜間は特に標識設置場所では注意し、野生動物が急に飛び出してきてもすぐに止まれる速度まで減速して走るよう、呼びかけています。

 さらに長崎県の対馬では、この島にしか生息しない固有種の「ツシマヤマネコ」が描かれた警戒標識が設置されています。特に生息地帯である、対馬北部に多く設置されているようで、事故が増えると環境省や長崎県 対馬市からは「ツシマヤマネコ交通事故多発警報」が発令され、ドライバーやライダーに注意を呼びかけています。

 他にも、宮古島(沖縄県)や小笠原諸島(東京都)では、天然記念物の「オカヤドカリ」の道路横断を警戒する標識が設置されています。オカヤドカリは産卵で陸から海へと移動する習性があり、その道中で道路を横断することがあるため、標識が設置されたとの事。

 前述した生物たちよりも移動速度が遅いだけでなく、海岸や山林など身近な場所に生息しているので、ロードキルの可能性が高いので、細心の注意が必要です。

市民の声で設置されたカルガモの親子イラストの「動物が飛び出すおそれあり」標識
市民の声で設置されたカルガモの親子イラストの「動物が飛び出すおそれあり」標識

 北海道でも変わったデザインの「動物が飛び出すおそれあり」標識が設置されています。

 まず、酪農が盛んな道東に多く設置されているのが、「牛」が描かれた警戒標識。「牛横断注意」と表記されたこの標識は、酪農王国の北海道ならではのものと言えるでしょう。その他にも「キタキツネ」、「リス」、「クマ」がデザインされたものや、北海道の象徴でもある「タンチョウ」がデザインされたものも存在します。

 また、日本一の馬の産地でもある北海道ならではのものとして、競走馬を育成する牧場の近くでは、乗馬している人が描かれた「馬横断注意」の標識を目にすることも少なくありません。
 
 さらに川崎市(神奈川県)では2022年4月にカルガモの親子が横断する様子が描かれた警戒標識が設置され、話題を呼びました。これは、同市中原区の「江川せせらぎ遊歩道」に生息するカルガモたちを守るために設置されたもの。

 2021年にカルガモが交通事故に遭ったことをきっかけに、「なんとかならないか」という市民の声によって区が動いたそうです。

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 このように、珍しいデザインの「動物が飛び出すおそれあり」標識は、その地域に生息する希少な生物を守るために設置されている場合が多いようです。

 また、川崎市のカルガモの実例のように、市民の声によって今後、新たなデザインの「動物が飛び出すおそれあり」の標識が生まれる可能性も大。NEXCO三社の調査によると、高速道路で発生するロードキル件数は年間4万件ほどとされています。ロードキルは、動物の動きが活発になる秋頃が特に増えるので、状況によってハイビームを積極的に使用するなどして、ライダーも細心の注意を払って道路を走行するようにしましょう。

【画像】全国各地に見られる様々ある「動物が飛び出すおそれあり」の標識を画像で見る(12枚)

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