東京都内のバイク死亡事故 自転車より多かった!? 問題になりつつあるバイク死亡事故の中身とは
東京都内の2023年中の交通死亡事故は、歩行者に次いでバイク乗車中に起きていることが警視庁の発表でわかりました。2022年と比較した増減数でも歩行者に次いで増加しています。バイクの死亡事故は大都市圏に共通する課題で、交通マナーが問題となる自転車よりも目立っています。
40代と50代で死亡事故の半数を占める
自転車乗車中の違反に青切符を導入すべきという提言がまとめられ、2024年は自転車利用者に対する風当りが強くなりそうです。誰もが利用する割に、新しい交通ルールを知るチャンスが少ないこともあり、4輪車のドライバーなどからも、自転車のマナーは悪いという印象があります。

しかし、警視庁が発表した2023年中の都内における交通死亡事故死者数を見ると、問題とされる自転車乗車中よりもバイクの死亡事故が圧倒的に多いことがわかります。
2023年中の交通事故死者数は、全体で136人でした。これを事故にあった時の状態別で分類すると、最も多いのが歩行中の55人です。前年比で5人増えています。人の移動がコロナ禍前に戻り、4輪車やバイクの交通量が増えることに比例して歩行者の被害は増えます。
バイク乗車中の死者数は44人。前年比で4人増えています。これに対して、自転車乗車中の死者数は32人。前年比で増加に転じていますが、2人増に留まっています。東京都内で発生する死亡事故の3割は、バイク乗車中に起きているだけでなく、前年比で死者数を押し上げる主な要因になっています。
警視庁はバイク事故の中身を、こう分析しています。
「バイク乗車中死者の年代別では、40代が8人、50代が12人と多く、通勤中の事故の割合が約6割と高くなっています」
バイクの新車購入平均年齢は54歳台です。利用者の最も多い年齢層で多くの被害が出ていることは想像できますが、40~50代で事故のほぼ半数を占めていました。
さらに、その事故はツーリングで初めて通る道路より、走り慣れた通勤路で起きていたのです。
事故分析を専門にする公益財団法人「交通事故総合分析センター」の主任研究員は、2022年の研究発表で、交通死亡事故全体に占めるバイク死亡事故率の上昇を指摘しています。ただ、全国的に見るとバイクの死者数も減少していて、それが大都市圏でのバイク死者数の割合が高いことを覆い隠す要因になっています。
一方、東京都内での4輪車乗車中の死者数は5人。前年比で6人減少しました。交通事故死者数で読み取ることができるのは運転者の被害に限定されますが、4輪車では確実に死者を減らしていることがわかります。
・東京都内の交通事故死者数(24時間以内)……136人(前年比+4人)
・事故発生件数……3万1529件(前年比+1273人)
・負傷者数……3万4970人(前年比+1511人)
※1月4日の発表数は速報値。変更の可能性があります。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。







