クルマでは一般的なのに、なぜバイクには「ターボ」が無いの?

なんでターボバイクは流行らなかった?

 クルマ(4輪乗用車)はターボが盛り上がったのに、なぜターボバイクはほぼ一代限りで姿を消してしまったのでしょうか?

スズキ「XN85」(1982年)は、排気量673ccの空冷4気筒エンジンで最高出力85馬力を発揮
スズキ「XN85」(1982年)は、排気量673ccの空冷4気筒エンジンで最高出力85馬力を発揮

 原因は色々と考えられますが、まず当時の日本ではターボバイクの認可が下りず、逆輸入車しか購入できませんでした。しかも当時の免許制度では大型自動二輪免許(正しくは自動二輪免許の「限定解除」)は運転試験場の“一発試験”でしか取得できず、現実的に排気量400ccを超える大型バイクに乗るのが困難だったこともあります。

 また、ターボ特有のスロットルを開けた瞬間のタイムラグ(ターボラグと呼ぶ)が、バイクという乗り物の特性に合わなかった部分も大きいでしょう。ちなみに、現在の4輪ターボ車は技術の進化によって、ほとんどターボラグを感じないレベルになっていますが……。

 ほかには、ターボチャージャーや補器類などによる重量増も、軽さを美徳とするバイクには不向きだったとも言えます。

カワサキ「750 TURBO」(1984年)は、排気量738ccの空冷4気筒エンジンで最高出力112馬力を発揮
カワサキ「750 TURBO」(1984年)は、排気量738ccの空冷4気筒エンジンで最高出力112馬力を発揮

 このように、諸々の事情でバイクのターボは普及しませんでした。

 時代は流れ、現代の1000ccクラスのスーパースポーツモデルは、ターボ無しで200馬力以上を発揮するようになりました。また小中排気量車も十分なパワーを発揮し、良好な燃費も実現しているため、いまではバイクにおいてはターボの有効性が少ない……とも考えられます。

 そして発売当時もかなりレアな存在だったターボバイクは、現在はコアなファンに珍重される存在となっています。

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Writer: 伊藤康司

二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。

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