時代を先取りしすぎた斬新なスタイリング! アメリカ生まれのホンダ「エレメント」とは
モータースポーツ界の生き字引、現役レーサーの木下隆之氏の新連載コラム「木下隆之のヒストリカルパレード(通称:ヒスパレ)」連載第17回目は、「ライフガードステーション」をモチーフにアメリカで生まれたホンダ「エレメント」をご紹介します。発売当時の世間の状況を踏まえ解説します。
ホンダ「エレメント」とは
時代が遅すぎたといわざるを得ませんね。これまで数々の個性的なモデルが誕生してきましたが、個性が強すぎるモデルほど当たりはずれが激しいものです。ここで紹介するホンダ・エレメントは、時代にマッチせずに、販売不振により絶版車となっています。クルマに自由な雰囲気を求める現在ならば、大ヒットしたかもしれませんね。

まずはそのエクステリアデザインをご覧ください。ミニバンのようでもありSUVのようにも見える不思議なキャラクターですが、生まれはアメリカです。ビーチで安全を守るライフセーバーやサーファーの足とし…、というのがコンセプトのようです。
バンパーやフェンダーなどが無塗装の樹脂で成型されています。汚れや傷に強いクラッティングが施されていたのです。それがチープな印象だとのことで受け入れられなかったのですが、それがむしろステイタス区なっている現代だったら…。そう思わざるを得ません。
エレメントが日本デビューしたのは2003年です。そのころの観音開きのイメージは御料車であり、偶然にも観音開きのマツダRX-8が誕生した年ですが、むしろスライドドアが流行していた時代でしたので、その点でもユーザーに抵抗感があったようです。

搭載されるパワーユニットは、直列4気筒2.4リッターです。4WDシステムですから、ビーチでもスタックする心配は少なかったのです。ですが、アメリカを優先して開発されたことでボディはけして小さくはなかった。全長は4.3mですが、全幅は1.8mを超えます。ぜんこうは1.79mです。 まさにミニバンのようでもあり、SUVのようでもあります。当時の日本の道に馴染まなかったようです。
最も、最近のクルマはとても大きくなっています。やはり時代が遅かったのかもしれません。
それにしても、コンセプトへの徹底ぶりには目を見張るものがあります。インテリアには、無数の収納ポケットがあります。オーバーヘッドにはサングラスホルダーがあり、カップホルダーも豊富です。ドアサイドにはマガジンラックがあり、なんとシートバックには、スケボーなどを収めるネットまで装備されているのです。

キュートなのは、エンジン型式が「ホンダ オブ アメリカK24A」とされていることです。しかも車検証に記載されている車名は「ホンダオブアメリカ」です。さらに付け加えるならば、スピードメーターの表示が、キロメートルに加えてマイルでもあるのです。遊び心ですよね。
このクルマの販売が不振だったのは、クルマのせいではなく、僕ら日本人の感覚がまだ貧相だったからなのかもしれません。そんな気がするほど、このクルマには魅力が満載されています。
◾️ホンダ「エレメント」
<エンジン>
形式:ホンダ オブ アメリカ K24A
種類:水冷直列4気筒横置
燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-F1)
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
総排気量(cc):2354
圧縮比:9.7
最高出力(ps/r.p.m):160/5500
最大トルク(kg-m//r.p.m):22.2/4500
燃料供給装置:EFI-D(電子制御式燃料噴射装置)
燃料タンク容量(リットル):60
<寸法・定員>
全長(mm):4300
全幅(mm):1815
全高(mm):1790
ホイールベース(mm):2575
車両重量(kg):1560
最低地上高(mm):175
乗車定員(名):5
※ ※ ※
2003年にホンダから発売されたレジャーバイク「Solo」は、スーパーカブ系の空冷4ストローク50ccエンジン搭載し、日常の移動手段としてはもとより、ファッションアイテムの一部として乗る喜び、持つ喜びを満喫できるバイクを目指し開発されました。

「Solo」には、新設計のバックボーンフレームに細身のタンクを装備し、シングルサスペンションや大型のサドルシートを採用。さらにホイールベースを1285mmと長くし、スリムな18インチの大径ホイールの採用で、全体をすっきりとした個性的なスタイリングでまとめています。
また、タンクやフレーム、シートなどの色を自由に組み合わせができるカラーオーダープランは、STYLE1、STYLE2を合わせて285通り(スタンダード3色含まず)用意されており、遊び心満点の一台でした。
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。









