「走る・曲がる・止まる」の要はやっぱりブレーキ!! ホンダ「スーパーカブC100」のドラムブレーキをメンテナンス 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフVol.8

どんなバイク、どんなモデルでも、自分自身にとって思い入れがあるバイクには、ある種違った感情がありますよね!? 自分自身の生誕年は「記念すべき年」であることに間違いありません。そんな生誕年に想いを馳せて、自分と同い年の1962年型スーパーカブC100と暮らしているぼくなのです。しっかり「走る、曲がる、止まる」は、バイクの基本性能3要素ですが、止まる=ブレーキ性能は、効く、効かないだけではなく「思い通りにコントロールできる」ことも重要視しなくてはいけません。だからこそメンテなんですね。

ドラムブレーキの効きはメンテナンスで変わる

 ドラムブレーキの効きが良い、良くないというのは、ブレーキ本体のコンディションだけではなく、ブレーキ「システム」トータルで、コンディションの良否を判断しなくてはいけません。ブレーキの効きが良くない原因も実に様々です。

三重県の鈴鹿製作所で生産されたフレーム打刻のスーパーカブ初代シリーズのC100・1962年後期モデル。若かりし頃、スーパーカブには乗ることも無いだろうなんて考えていましたが、今ではスーパーカブに囲まれた日々を過ごし、楽しんでます!!
三重県の鈴鹿製作所で生産されたフレーム打刻のスーパーカブ初代シリーズのC100・1962年後期モデル。若かりし頃、スーパーカブには乗ることも無いだろうなんて考えていましたが、今ではスーパーカブに囲まれた日々を過ごし、楽しんでます!!

 例えば、ブレーキカムの作動不良でブレーキタッチが悪くなることもあります。また、ブレーキシューの引き摺りが原因で、フェード状態になってしまうこともあります。このブレーキシューの引き摺りにも様々な理由があります。

ブレーキケーブルを取り外し、ブレーキカムレバーを指で直接作動させて、スムーズに動くか否か? 確認してみましょう。この点検によって、ブレーキ本体側に作動不良があるのか? ブレーキレバー+ワイヤーケーブル側に原因があるのか? 判断できます
ブレーキケーブルを取り外し、ブレーキカムレバーを指で直接作動させて、スムーズに動くか否か? 確認してみましょう。この点検によって、ブレーキ本体側に作動不良があるのか? ブレーキレバー+ワイヤーケーブル側に原因があるのか? 判断できます

 ブレーキレバーをしっかり握り込んでいるのに「ブレーキが効かない!!」といったお話しの裏には、実は、数多くの「効かない要因」があると考えられます。

 メンテナンス経験者なら、実際のコンディションに直面すれば、不具合の方向性をおおよそ判断できるものですが、現実的にドラムブレーキを分解して、ブレーキカムの摺動性、作動性を高めて、2枚のブレーキシューの当たり(ドラムブレーキ内面へのあたり)を確認済の状況でも「効き具合が今ひとつ……」ということもあります。そんなときにこそ、プレーキシステムをトータルで確認する必要性があるのです。

当時物のメーカー純正部品にこだわりを持つマニアの気持ちも理解できますが、このように明らかなダメージを発見したときには、新品の補修部品に交換することをお勧めします。ブレーキワイヤーのアウターが擦れて口を開いていました
当時物のメーカー純正部品にこだわりを持つマニアの気持ちも理解できますが、このように明らかなダメージを発見したときには、新品の補修部品に交換することをお勧めします。ブレーキワイヤーのアウターが擦れて口を開いていました

 以下は、本当にあったお話しになります。いわゆる当時物ブレーキワイヤーにこだわった結果、ワイヤーの作動性が今ひとつ良くないため、ブレーキカムの戻りが悪く、ブレーキシューが引き摺り状態を起こしていました。その結果、シューが高温になり、いわゆるフェード状況を起こしてしまったことで、効きが悪くなってしまいました。

ブレーキケーブルの作動性も今イチでしたが、ブレーキカムのリターンも、決してスムーズではありませんでした。そんなときには迷わず、ドラムブレーキを分解して、各部の点検清掃およびグリスアップを施すことにしましょう
ブレーキケーブルの作動性も今イチでしたが、ブレーキカムのリターンも、決してスムーズではありませんでした。そんなときには迷わず、ドラムブレーキを分解して、各部の点検清掃およびグリスアップを施すことにしましょう

 長い下り坂でブレーキを多用した結果、フェード現象が起こってしまうことが、このトラブルの代表例ですが、平地を走っていても、ブレーキシューが長時間引き摺ってしまうことで、軽度ではあるものの、フェード現象に近いトラブルを招いてしまいます。

 当時物ブレーキワイヤーにこだわることなく、新品部品のワイヤーケーブルに交換したところ、それ以前とはまるで違ったブレーキフィーリングかつ満足な効きを得られるようになりました。

 このように、効きが悪いドラムブレーキの原因には、ドラム側とブレーキシューの接触による引き摺りが原因のことも数多くあります。ブレーキワイヤーのコンディションは、極めて重要なものであることを、忘れないようにしましょう。

【画像】ホンダ「スーパーカブC100」ドラムブレーキメンテナンスの様子を画像とキャプションで解説(12枚)

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Writer: たぐちかつみ

フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。

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