「スーパーカブC100」エンジンコンディションを再生!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフVol.13
どんなバイク、どんなモデルでも、自分自身にとって思い入れがあるバイクには、ある種違った感情がありますよね!? 自分自身の生誕年は「記念すべき年」ですが、そんな生誕年に想いを馳せて、1962年型スーパーカブC100と暮らしているぼくなのです。初代スーパーカブC100系エンジンと言えば、マフラーから吹き出す白煙が気になってしまうワタクシです。そんな白煙対策を「当たり前の手段」で行うために、エンジン腰上を分解し、現状最善を目指すことにしました。
良い圧縮と燃焼を求めて内燃機加工へ依頼
エンジンコンディションを司る三要素と言えば「良い燃料」「良い圧縮」「良い爆発」になります。この三要素の中で、おもにエンジンが受け持つのが「良い圧縮」になります。ここでは、4ストロークエンジンについてお話しを進めますが、本来設定された圧縮圧力を保つためには、ピストンリングのコンディションはもちろん、ピストンの摩耗(摺動部分であるスカートの摩耗)も大きな要素になります。

シリンダーヘッドなら、吸排気バルブの当たり=バルブシートとバルブの当たりも極めて重要です。例えば、吸排気バルブのシートにカーボンが噛み込み、圧縮を低下させてしまうこともあります。また、吸排気バルブの軸受けでもある「バルブガイドの摩耗」によって、作動中の吸排気バルブにガタが発生し、バルブシートの当たりが不安定になり、圧縮圧力が低下することもあります。

不動期間が長く放置されてきたバイクなどでは、キャブレターから水分(雨水など)が流れ込み、吸入バルブフェースやバルブシートを腐食=サビさせてしまうケースもあります。
また、マフラーを取り外したまま放置したことで(特に排気バルブがリフト状態=開いた状態にあると)、排気バルブフェースやバルブシートがサビることもあります。しばらく走らせていなかったバイクを復活させる時には、様々な出来事に直面し「こりゃ参った……」なこともありますが、旧車の復活はロマンでもありますから、ある程度の覚悟も必要です。
良い圧縮と燃焼を求めて内燃機加工へ依頼
エンジンメンテナンスを進めているスーパーカブC100は、比較的容易にエンジン始動まではできました。しかし、マフラーから吹き出す白煙が酷く「オイルが上がっているだろう!?」と判断。そして、エンジンを降ろして腰上部品を分解しました。

案の定、ピストンリングの摩耗は激しく、ピストンスカートも摩耗していたため、バイク仲間が持っていた0.75mmオーバーサイズの純正新品ピストンと新品ピストンリングを譲り受け、内燃機加工のプロショップ、iB井上ボーリングさんへ依頼。
具体的には、シリンダーのボーリングとホーニング仕上げを作業依頼しました(連載Vol.12をご覧ください)。

エンジンコンディションを司る「良い圧縮」を維持するためには、シリンダーだけではなく、シリンダーヘッドの内燃機加工も必要不可欠です。シリンダーヘッドから取り外した吸排気バルブは、堆積していたカーボンの除去と磨き込みを行い、シリンダーヘッドは燃焼室のカーボン除去と旧排気ポートの磨きと洗浄を行いました。

洗浄後のシリンダーヘッドに吸排気バルブを差し込むと、指先に僅かなガタを感じるものの、まだ使えるレベルだと判断。そこで、吸排気バルブフェース研磨とバルブシートカット、バルブシートの擦り合わせ作業も井上ボーリングへお願いしました。

これらシリンダーおよびシリンダーヘッドの内燃機加工によって「良い圧縮」を得られようになり、マフラーから吹き出す白煙は無くなるだろうと思います。
仕上がってきたエンジン腰上部品は、早速、組み付けたいところですが、せっかくエンジンを降ろして分解メンテナンスしているタイミングなので、まだまだやっておきたい事もあります。C100エンジンいじりの旅は、まだまだ続きます………。
取材協力/iB井上ボーリング
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。








